「九州部会」カテゴリーアーカイブ

2014年度 第1回関西・中部部会&第42回九州部会 開催記

■■ 日本管理会計学会2014年度第1回関西・中部部2014kansai1_4.JPG会及び第42回九州部会が、2014年4月19日(土)に下関市立大学(下関市大学町)にて開催された(準備委員長:島田美智子氏(下関市立大学教授))。今回の合同部会では、関西・中部・九州以外に関東からもご参加をいただくなど、20名近くの研究者や実務家の参加を得て、活発な質疑応答が展開された。また研究報告に先立ち、関西・中部部会役員会が開催された。

■■  第1報告は、水島多美也氏(中村学園大学)より、「アメーバ経営における時間当り採算での時間の意味」と題する研究報告がなされた。報告は、京セラアメーバ経営を対象に、1.どのような時間が扱われているのか、2.時間と管理会計・原価計算との関係、3.業績評価会計や意思決定会計といった管理会計体系論からの検討の3点を、文献レビューに基づき明らかにしようとしたものである。2014kansai1_1.JPG
報告では、1.アメーバ経営の「総時間」には、「共通時間」や「振替時間」が加味されているため、「時間」は広範な概念となっていること、2.各アメーバだけの指標ではなく、全社的な視点から時間当り採算を考えなければならないため、「利益連鎖管理」や「速度連鎖効果」の概念が存在していること、3.期間計画の重要な要素として時間が使われていることから、時間を中心に業績評価会計や意思決定会計が展開されていることが指摘された。

■■ 第2報告は、岡本健一氏(タスクサポート株式会社)より、「小規模事業者への管理会計の仕組みの導入の実情」と題する研究報告がなされた。本報告は、小規模事業者に管理会計の仕組みを導入させるにあたり生じる問題点と、その具体的な解決策やポイントが提示された。  大企業で導入される高度な管理会計システムは、小規模事業者にとってコストと手間がかかり導入は難しいものの、部門別独立採算制でサブリーダーを育成することや、事業の採算性をあげて会社2014kansai1_2.JPGを生存させることは必要不可欠であるため、管理会計システム導入は必要である。
報告では、こうした時間・スタッフ・資金の面で苦労する小規模事業者でも管理会計の導入に意欲をもたせるためには、「1人時間当り粗利」を用いるなど、分かりやすく感覚がつかみやすい指標を実際に提示することの重要性が指摘され、また、そうした資料を作成するための会計ソフトが紹介された。

■■ 第3報告は、島田美智子氏(下関市立大学)より、「財務報告の”Managerialisation”と会計変化の今日的意味ーZambon [2011]の解釈を通じてー」と題する研究報告がなされた。本報告は、Zambon [2011]の所説を手がかりとしながら、財務報告と管理会計の関連性に関する検討を新しいディメンジョンで展開することを目的として、「財務報告と管理会計の相互作用的進化」の現状について論点整理を行い、当該現状の今後の展開方向を洞察しようとしたものである。
報告では、財務報告の”Managerialisation”の諸側面とその進展過程、財務報告の”Managerialisation”の外的作用因についてのZambon [2011]2014kansai1_3.JPGの解釈が説明された上で、Zambon [2011]の問題提起が有する含意として、1.財務報告の”Managerialisation”が不可避的な現象であるとするならば、当該現象の進展を前提としたうえで、財務報告のレレバンス・リゲインに向けた制度設計を構想する必要があることや、2.財務報告と管理会計が密接に絡み合う近年の会計変化は、財務報告の中心的問題点を改めて炙り出し、財務報告の概念と役割の再定義が求められていることなどが、報告者の総括的な解釈として提示された。

■■ 研究報告会の後、大学生協にて懇親会が開催され、実りある交流の場となった。

足立俊輔(下関市立大学)

2013年度 第3回フォーラム&第41回九州部会 開催記

2013forum_1.jpg■■ 日本管理会計学会2013年度第3回フォーラムが,第41回九州部会と兼ねて2013年11月16日土曜日に大分大学旦野原キャンパスにおいて開催された。今回のフォーラムでは,『大分・別府,九州から地域経済・地域産業の将来を考える』というテーマで,大分・別府,九州の地域産業に焦点を当てた企業講演と研究報告が行われた。大会準備委員長である大崎美泉氏(大分大学)の開会の挨拶があり,第1部では加藤典生(大分大学)の司会のもと,高橋幹氏(南九州税理士会大分県連合会副会長),桑野和泉氏(由布院玉の湯代表取締役社長)の2組が講演され,第2部では大下丈平氏(九州大学)の司会のもと,魚井和樹氏(ダイハツ九州株式会社取締役相談役),宮地晃輔氏(長崎県立大学)の2組から企業講演,研究報告が行われた。いずれの講演および報告もフロアから活発な質問や意見があり,有意義な議論がなされた。その後,場所を移して懇親会が行われ,散会となった。

■■ 第1報告:高橋 幹氏(南九州税理士会大分県連合会副会長)

「顧問先の経営成績から大分の景気動向をさぐる」

2013forum_3.jpg 高橋氏は,顧問先の法人データをもとに業種別に区分して経営分析を行い,その結果から大分県の企業の現状と課題を提示された。同分析結果から,法人税額が前年度比で見た場合,およそ半分が増えている一方で,残りの半分が減少傾向にあることが明らかとなり,これを受けて,大分では,良い会社とそうでない会社が明確になってきており,2極化してきていることが指摘された。また,同分析結果から,大分の土地という点でも,オリンピックの東京開催決定やアベノミクス効果の影響が入ってきていると判断され,具体的には建設業,不動産業,とりわけリフォームがそうした影響を受けていると述べられた。今後の課題として,消費税率の引き上げの問題,納税資産の問題,相続税の問題が今後の大分の中小企業にとってかなり厳しい対応が必要になってくると主張された。

■■ 第2報告:桑野和泉氏(由布院玉の湯代表取締役社長)

「由布院の観光・まちづくり」

2013forum_4.jpg 桑野氏は,まず大分県が大分駅を中心にしたまちづくりが行われていることを伝えた後に,日本の「観光」が世界的に見て遅れていることを指摘し,日本製品の販売を含めて海外の方々が日本に来てもらうことが大事であり,オリンピックが日本で開催されることが決まった今日にあって,今こそ日本の持っている力を最大限発揮するべきであると主張された。人口減少社会が我々の想定以上の速さで進む中,定住人口が望めなければ交流人口を向上させていく必要があるとされ,各業種の経済効果を期待できる観光の重要性が指摘され,由布院の観光の取組が紹介された。由布院では,調和をモットーに,宿泊施設の価格帯に幅を持たせることで,競争ではなく共存関係を築けていること,女性のリピーターの方が多いこと,温泉街を作らず小規模な温泉地を意識していること,馬車が通ることでゆっくりな町であることをアピールしていること,世代交代を早めることで自らの判断に責任を持ってもらうにようにしていることなどの取組が示された。また,数字から見えない観光は議論できないとし,会計数値の重要性も指摘された。

■■第3報告:魚井和樹氏(ダイハツ九州株式会社取締役相談役)

「ダイハツ九州のめざすところ」

2013forum_6.jpg 魚井氏は,グローバル化に着目しながら,ダイハツ九州の今後の方向性について報告された。同社では,世界一のスモールカーを目指すために,軽自動車に相応しい自動化,設備のシンプル化に力を入れ,工場設置に対する工期短縮に取り組まれていることが説明された。海外との競争において,販売価格を上げることが困難な状況では原価低減活動が重要であり,そのために現地(大分・九州地域)調達率の向上を目指すとともに,原単位を下げていくこと,スピード力,一人で何でもできる能力,診える化が必要であることが主張された。時間とお金がかかっていてはグローバル化の時代に海外で勝負にならないことが繰り返し指摘された。

■■第4報告:宮地晃輔氏(長崎県立大学)

「A社造船所における新造船事業の採算性改善のための方策(2)」

2013forum_7.jpg 宮地氏は,リーマンショック以降,船会社の需要低下を原因とした「極端な買い手市場」による造船市場の競争激化の状況のもとで,造船準大手のA社造船所で取組が本格化した原価企画の現状と問題点を報告し,それを踏まえて採算性改善の方策について提示された。ここでは,A社が原価企画からの効果を当初期待した通りには得られていないこと,また,これまでの地元の協力先企業との関係で新たなサプライヤー(特に海外)を参入させることが困難であるといった,保守的なサプライヤーの存在が採算性の改善を阻害していることが,新造船事業の採算性改善のための課題であったことを指摘し,同社や協力先企業も新規参入への抵抗が強いことから,保守的なサプライチェーンを前提とした採算性改善の方策として,これまで不足していた両者の協力関係を強化していくことが提示された。

加藤典生(大分大学)

2013年度 第2回九州部会開催記

■■日本管理会計学会2013年度第2回(第40回)九州部会が,2013年7月20日(土)に福岡大学(福岡市城南区七隈)にて開催された(準備委員長:福岡大学准教授・飛田努氏)。今回の九州部会では,関東・関西・北陸からもご参加をいただくなど,15名近くの研究者や実務家の参加を得て,活発な質疑応答が展開された。

2013kyusyu2_1.jpg■■第1報告は,足立洋氏(九州産業大学准教授)より,「管理会計と目標利益達成の柔軟性」と題する研究報告がなされた。報告は,管理可能性原則の遵守を志向した予算管理システムにおける柔軟性確保の可能性と,どのようなプロセスを経てそれが発揮されるのかを,ケーススタディを中心に明らかにしたものであった。ケーススタディは,各種繊維製品の繊維加工などを取り扱うセーレン株式会社に対する半構造化インタビューに基づいたものであり,(1)管理可能な業績範囲の拡大として,月次で決まっている業績をより広範な年次という範囲で決定する「管理可能性の時間拡大」がみられていること,(2)水平的コミュニケーションだけでなく,現場と管理者の「垂直的コミュニケーション」によっても予算管理システムの柔軟性が確保されることが証明された。

2013kyusyu2_2.jpg■■第2報告は,丸田起大氏(九州大学准教授)より,「アメーバ経営の導入効果の検証―コミュニケーション活性化を中心に」と題する研究報告がなされた。報告は,アメーバ経営の導入効果として,採算意識・使命感・情報共有などの向上によりコミュニケーションの活性化が達成されるかを,製造業K社の工場に対する質問票調査に基づき分析したものであった。質問票調査は,リーダーとメンバーに区別をしたアメーバ経営導入の半年後と1年半後の二時点で行ったものである(サンプル数:半年後116、1年半後115)。報告では,(1)アメーバ経営の導入効果は,リーダーだけでなくメンバーにも現れていたこと,(2)アメーバ経営の導入効果の程度は,リーダーの方がメンバーよりも効果が高かったこと,(3)情報共有はコミュニケーションと直接的に正の関連をもっていた一方で,採算意識と使命感は間接的に正の関連をもっていたことが示された。

2013kyusyu2_3.jpg■■第3報告は,矢澤信雄氏(別府大学教授)より,「CSR報告書の評価基準とその課題」と題する研究報告がなされた。報告は,日本における環境報告書からCSR報告書へのシフトが社会にどのような影響を与えるかを問題意識に,CSRの歴史とCSR報告書の評価基準を明らかにしようとしたものであった。報告では,(1)我が国では最初,環境報告書を公表していた企業が報告書のタイトルを「CSR報告書」へと変更し,CSR報告書の一部が実質「環境報告書」になっているケースが多いこと,(2)そのため,報告書の評価基準に占める環境のウェートが減少することにより,企業の環境に対する取り組みの努力が分散してしまう危険性があることが指摘された。また,企業の社会貢献活動の成果を報告するに当たって,成果をなるべく定量的に明示することが望ましいが,その点を意識したCSR報告書の評価基準は現状では少数派であることが指摘された。

2013kyusyu2_4.jpg■■第4報告は,招聘講演として宮本寛爾氏(大阪学院大学教授)より,「グローバル企業の経営管理と管理会計」と題する研究報告がなされた。報告は,C.A.Bartlet, et al.(1989)のトランスナショナル戦略を採用する企業における管理会計の利用可能性に中心に,グローバル企業の管理会計システムを捉えようとしたものであった。報告では,グローバル企業の組織構造の歴史や経営管理が紹介された上で,トランスナショナル戦略を採用する企業が,経営資源を分散し,事業を専門化し,相互依存関係を構築することが必要となり,世界中の専門化した組織単位を結びつける統合ネットワークを構築することが説明された。その上で,(1)為替リスクに晒されている通貨の金額を明らかにする多通貨会計情報の利用のほか,(2)本国への送金の最大化を志向する場合は「本国通貨」を採用するのが望ましいものの,グローバルな立場からの存続・成長を志向する場合には「合成通貨」を採用することが望ましいことが指摘された。

■■報告後,臨時総会が開かれ,部会開催補助と他の部会との合同開催に関する議決がなされ,第3回九州部会は11月16日に大分大学にて日本管理会計学会第3回フォーラムと合同開催することが情宣された。また,懇親会が中央図書館「フォレスト」にて開催された。懇親会は有意義な研究交流の場となり,盛況のうちに大会は終了した。

足立俊輔 (下関市立大学)

2013年度 第1回九州部会開催記

■■日本管理会計学会2013年度第1回(第39回)九州部会が,2013年4月20日(土)に九州産業大学(福岡市)にて開催された(準備委員長:浅川哲郎氏)。今回の九州部会では,関東・関西・北陸など他部会からも複数のご参加をいただき,20名近くの研究者の参加があり活発な研究報告と質疑応答が行われた。

2013kyusyu1_1.JPG■■第1報告では,足立俊輔氏(下関市立大学講師)より,「米国病院原価計算の発展と価値重視の病院経営」と題する報告があり,米国の病院経営および病院原価計算に関する文献調査に基づき,米国病院原価計算の発展を計算原理の精緻化の側面と計算合理性の側面から整理することで,医療の質とコストのバランスを考慮する価値重視の病院経営を支援する時間主導型の病院原価計算の有用性が明らかにされた。報告では,価値重視の病院経営においては時間主導型の病院原価計算を用いて医療提供者と病院経営者に共通の情報基盤を構築する必要性があること,また,医療システムの将来像として「価値重視の償還システム(value-based reimbursement)」を展望する必要があることが指摘された。

2013kyusyu1_2.JPG■■第2報告では,飛田努氏(福岡大学准教授)より,「中小企業のマネジメントコントロールシステム関する研究: 熊本・福岡の事例を中心として」と題する報告があり,中小企業におけるマネジメントコントロールシステム(以下MCS)の利用状況に関するアンケート調査と,佐賀県の金型メーカーS株式会社の事例研究が報告された。アンケート調査は,Simons(1995,2000)のMCSに基づいた共分散構造分析が行われ,大人数企業(30名以上)では会計情報利用に関して有意な関係が見られるものの少人数企業では有意な関係が確認できなかったこと,経営理念の浸透は少人数企業では係数が高いことが示された。またS社の事例では,業績評価システムの特徴のほか,社長が高齢化・引退する中小企業において事業継承をどう乗り越えるかが課題となっていることが指摘された。

2013kyusyu1_3.JPG■■第3報告では,吉田康久氏(九州産業大学教授)より,「英国の行政・公会計改革の取り組み ‐留学で感じ得たこと‐」と題する報告があり,イギリスにおける行政・公会計制度改革の取り組みが紹介された。報告では,サッチャー政権からの行政改革の一端として,競争入札制度やPFIからPPPの流れや,包括的業績評価制度から包括的地域評価制度の変遷など,英国の行政改革の経歴に沿って議論が進められた。また,公会計制度改革の取組主体として英国勅許公共財務会計協会(CIPFA)が果たす役割や,資源会計予算の特徴,それに勅許公共財務会計士の認定制度についても言及され,英国においても発生主義会計の導入にあたって解決すべき課題があるため結論には達していないことが説明された。

2012年度 第3回九州部会開催記

■■日本管理会計学会2012年度第3回(第38回)九州部会が,2012年11月24日(土)に中村学園大学(福岡市)にて開催された(準備委員長:水島多美也氏)。今回の九州部会では,他部会からも複数のご参加をいただき,20名近い研究者と実務家の方々とともに活発な研究報告と質疑応答がなされた。

2012kyusyu3_1.JPG■■第1報告では,西村明氏(別府大学教授)より,「管理会計の現代的課題―回顧と展望―」と題する報告があり,最近の管理会計の展開と方向を,ABCやBSCに象徴される戦略管理会計と,IFACのEnterprise Governanceに象徴される機会・リスクへの関心と整理したうえで,管理会計は第1のギャップであるレレバンス・ロストから,不確実性の拡大による第2のギャップを経て,金融麻痺による組織の自己衰退という第3のギャップの段階に入っており,利益機会の創造とリスクへの対処のために,管理会計は不確実性を完全には管理しえないという謙虚な姿勢を保ち,柔軟で機動的な組織構造のもとで,フィードバックとフィードフォワードを有機的に統合し,自らも絶えざる革新に挑戦しなければならないと主張された。

2012kyusyu3_2.JPG■■第2報告では,水島多美也氏(中村学園大学准教授)より,「時間と管理会計技法に関する一考察」と題する報告があり,管理会計の先行研究においてどのような時間が扱われてきたのかという問題設定のもとで,大きく分けて,先端製造技術における時間,生産管理システムにおける時間,および戦略における時間が検討されてきたことを示し,その枠組みのもとで,非財務的指標,スループット会計,アメーバ経営,Jコスト論などの多様な研究が展開されているが,とくにABC/ABMの議論においてコストドライバーとしての時間の研究が多く蓄積されてきていることについていくつかの論者の研究を紹介され,管理会計論における時間研究の体系化の意義を主張された。

2012kyusyu3_3.JPG■■第3報告では,高梠真一氏(久留米大学教授)より,「デュポン社のベンチャー事業における割当予算の申請と承認」と題する報告があり,デュポン社では1910年代には,追加投資を要求する各部門が経費節約の見積額を申請し,それを経営執行委員会が投資利益率で審査する割当予算システムが実践されており,部門レベルではまだ投資利益率にもとづく意思決定が行われていなかったが,1960年代になると,割当予算を要求する際には各部門で自ら投資利益率の見積値を計算し,経営執行委員会では投資利益率で識別できない代替案の選択における補完的な評価方法として割引キャッシュフロー法が用いられるようになっており,管理会計技法の発展と浸透の興味深い歴史的事例が紹介された。

2012kyusyu3_4.JPG■■第4報告では,足立洋氏(九州産業大学講師)より,「責任会計システムと柔軟性」と題する報告があり,不確実性の高い状況下における責任会計システムの限界が主張されているが,管理会計実務ではこの問題にどのように対処しているのかについて,セーレン株式会社においてインテンシブな定性的調査を実施し,製造部門をプロフィットセンター化し,日々の会議や改善提案制度によるエンパワメントを通じて,生産計画の頻繁な変更の権限を現場に付与することによって,会計情報を過去釈明のための回答装置ではなく未来創造のための学習装置として活用し,目標管理制度のもとでの利益責任達成に必要な柔軟性を引き出すことに成功している事例を紹介された。

■■報告会終了後には,開催校のご厚意により懇親会が開催され,有意義な交流の場となった。次回の九州部会は来年4月に九州産業大学で開催の予定である。