会長 﨑 章浩(東京国際大学)
2023年4月に会長に就任し,はや2年が過ぎようとしています.
就任にあたって,社会に開かれた学会をモットーに,社会への貢献,学会の発展,会員の先生方の研究活動の充実,さらには産学連携による地域経済の発展への貢献を目標に掲げ,学会の運営に携わってきました.お蔭さまで,執行部の先生方をはじめ,常務理事,理事の先生方,監事の先生方,参事の先生方のご協力のもと,会員の先生方のご支援を得て,順調に歩んでくることができました.この場を借りて,厚く御礼申し上げます.
1年目は,管理会計の実務への普及と定着を目指して(一社)日本記念日協会に「管理会計の日」を登録し「学会ロゴマーク」を作成しました.また,現状に鑑みて「学会誌編集委員会運営規程」「学会賞規程」等の規程を改正しました.ご協力いただいた「学会誌編集委員会」「学会賞審査委員会」の先生方にはこの場を借りて改めて御礼申し上げます.さらには,将来の会員増のために非会員のフォーラム等への参加を認めるよう「会則」を改定しました.また,参事の先生方の学会活動を支援するための予算化を進めてきました.
2年目は,国内外の関連機関との提携および交流を促進するための「共催に関する規程」,ロゴマークを浸透させるための「日本管理会計学会ロゴマーク使用基準」を制定しました.また,会員の研究活動の支援を充実するために「スタディ・グループ規程」を改正しました.さらには,1年目から「実務家交流委員会」の先生方に検討していただいてきた会員,とくに賛助会員の増加について,委員会の先生方のご尽力により賛助会員が8社から12社へと増加しました.この場を借りて「実務家交流委員会」の先生方に御礼申し上げます.
次年度は最終年度であり,中期を含めた短期目標として各種規程の更なる見直し,また「研究倫理綱領」の制定,実務家の研究支援のための「学会賞」の新設ならびに改定,一部改称,学会の社団法人化などを会員の皆様に諮りたいと考えています.また,就任当初より中期目標として掲げていた会員,とくに賛助会員の増加について,引き続き「実務家交流委員会」を中心に進めていきたいと考えています.さらには,産学連携による地域経済の発展への貢献を促進し,また「管理会計の日」の普及を目指して渋沢栄一氏関連の企業を含め各種団体との連携を図りたいと考えています.
さて,昨年11月14日(木)にCIMA会長のSimon Bittlestone氏とお会いし,意見交換しました.今後も協力関係を深めていくことで合意しました.そのさい,同氏から『Global Management Accounting Principles 2nd edition』を新たに公刊したので,その翻訳をお願いしたいとの申し出があり,旧版を本学会で翻訳した経緯があることから,お引き受けしました.2025年度の事業計画に含めたいと考えています.
残任期間が1年となりましたが,管理会計の理論と実務の幅広い普及と定着を目指し,日本管理会計学会がより魅力があり社会的に信頼される学会に発展するよう,全身全霊をかけて取り組む所存です.会員の先生方の一層のご支援,ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます.
日本管理会計学会会員の皆様へ
2024年11月14日(木)、京都アカデミアフォーラム in 丸の内(京都大学東京オフィス)にて、CIMA(Chartered Institute of Management Accountants)の会長であるSimon Bittlestone氏(CIMA会長兼協会議長)、Vicky Li氏(副会長、北アジア担当)、Sue Zhang氏(戦略的パートナーシップ、日本及び北アジア担当)と会談の機会を設け、当学会の﨑章浩会長(東京国際大学)と今後の協力関係について意見交換を実施したことをお知らせいたします。
当日の会談には、﨑会長に加えて、日本原価計算研究学会会長澤邉紀生氏(京都大学)、当学会伊藤克容副会長(成蹊大学)も参加されました。日本国内における、管理会計、原価計算関連の主要な学会の活動状況を確認するとともに、CIMAとの協力関係の在り方について議論がなされました。
今回の会談を契機に、当学会の活動がさらに活発化し、会員の皆様が一層の成果をあげられますよう、引き続き努力してまいります。

2024年4月1日
会長就任,1年を振り返って
会長 﨑章浩(東京国際大学)
会長に就任してはや1年が過ぎました。新型コロナウイルス感染症の一応の収束とともに,全国大会だけでなく,フォーラム,企業研究会,リサーチセミナー,地方部会を本来のかたちで開催することができました。執行部の先生方をはじめ,常務理事,理事の先生方,監事の先生方,参事の先生方,ならびに会員の皆様方のご協力,ご支援の賜物と感謝しております。この場を借りて,厚く御礼申し上げます。
さて,就任にあたって,社会に開かれた学会をモットーに,社会への貢献,学会の発展,ならびに会員の先生方の研究活動の充実,とくに産学連携による地域経済の発展への貢献を目標に掲げてきました。そのために3つの短期目標と,3つの中期目標を掲げました。
短期目標の一つ目は,管理会計の理論と実務の幅広い普及と定着を目指し,(一社)日本記念日協会に「管理会計の日」を登録することと,学会のロゴマークを作成することでした。記念日については,提案者の水野一郎氏のご尽力により,9月13日を「管理会計の日」として登録することができました。また,小酒井正和氏のご尽力により学会のロゴマークを作成することができました。お二人の先生にはこの場を借りて御礼申し上げます。
二つ目の短期目標は,規程の改正でした。これについては,「学会誌編集委員会運営規程」「スタディ・グループ研究規程」「産学共同研究グループ規程」「学会賞規程」等を改正し,さらには,「会則」の付則を改正して,非会員のフォーラム等への参加を可能にしてきました。会員の増加に繋がることを期待しています。なお,「学会賞規程」の改正については,ご尽力いただいた「学会賞審査委員会」委員長の澤邉紀生氏にこの場を借りて御礼申し上げます。
三つ目の短期目標は,学会の業務に携わっていただいている参事の先生方への学会出張費等の一部助成などを通じた研究活動支援です。この点についても,理事会,常務理事会,総会の承認をえて,一定の金額を予算として計上することができました。
中期目標の一つ目は,社会への貢献,地域経済の発展への貢献です。これは「会則 第3条 目的」に「経営管理実務の指導・改善に資することを目的とする」と掲げていることにかかわるものであり,地域の商工会などの非営利団体や,人財が不足している中小企業,中堅企業の方々と産学連携の道を探り支援することを考えています。そのために,昨年度の年次全国大会の統一論題において「中小企業管理会計の現状と課題」をテーマに議論していただきました。また,地域の商工会との連携についても一部で話が進んでいます。
二つ目は,会員数の増大です。これについては,企業にお勤めの方々,および中小企業とかかわりがある税理士や公認会計士の方々の会員数の増大を図りたいと考えています。さらには,昨年,年会費の実質的増額が承認されました賛助会員を増大することにより財政基盤を拡充したいと考えています。個人会員,賛助会員の増大の方策については,「実務家交流委員会」委員長の丹羽修二氏を中心に検討していただき,今年度中に,増大案を常務理事会,理事会,総会について諮りたいと考えていますので,よろしくお願いいたします。
三つ目の中期目標は,機関誌『管理会計学』についてです。歴代の編集委員長のご尽力により質量ともに大変充実してきましたが,他方で,編集委員長を始め,編集副委員長,編集委員,編集担当参事の先生方の業務がかなり負担になってきています。そこで,「学会誌編集委員会」委員長の園田智昭氏を中心に委員会で議論を重ねていただき,「学会誌編集委員会運営規程」等の改正案を作成していただきました。改正案は,昨年の第2回常務理事会,第3回常務理事会で議論していただき,常務理事会,理事会,総会で承認を得ることができました。したがって,この三つ目の中期目標については達成することができました。この場を借りて,園田委員長を始め,編集委員会の先生方には御礼申し上げます。
今後2年間は,社会に開かれた学会をモットーに,さらに社会の発展,地域経済の発展への貢献,および会員,とくに実務家会員の増大の達成に向けて注力し,学会の発展に少しでも貢献できればと考えています。今後ともご支援,ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
会長就任のご挨拶
会長 﨑 章浩(明治大学)
昨年8月,明治大学で開催された年次全国大会において多くの会員の先生方からご支援を賜り,会長に選出されました。2023年4月から3年間,社会への貢献,学会の発展,ならびに会員の先生方の研究活動の充実のために最大限の努力をする所存です。
2019年に発生し世界中に蔓延した新型コロナウイルス感染症により,本学会も多大な影響を受けました。2020年度年次全国大会は対面形式で開催されましたが,懇親会がなく,また2021年度年次全国大会はオンライン形式で開催せざるをえませんでした。感染症が少し落ち着いた昨年の年次全国大会は対面形式で開催されましたが,懇親会は催されませんでした。また,常務理事会,理事会等もオンライン形式での開催を余儀なくされました。
しかしながら,今年に入り感染症の拡大もかなり収まり,4月15日(土)に明治大学で開催された常務理事会,理事会,フォーラムは対面形式で開催され,懇親会を催すことができました。5月5日(金)には,世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言を終了すると発表し,わが国においても,感染症法における新型インフルエンザ等感染症には該当しないものとし,5月8日(月)以降は,5類感染症とすることが決まりました。したがいまして,今後の学会活動はコロナ禍前のかたちで実施できると期待しています。
さて,上記の4月15日に開催された第1回常務理事会,理事会において今後の3年間における私の短期,中期の目標を述べさせていただきました。
短期目標の一つ目は,管理会計の理論と実務の幅広い普及と定着を目指し,(一社)日本記念日協会に「管理会計の日」を登録するために,適切な日を検討し申請することです。これは創立30周年記念事業として計画されていたことですが,諸般の事情で実現されてこなかったので,提案者である水野一郎氏(関西大学教授)を委員長に委員会を設置し,本年度中に登録したいと考えています。それと同時に,会員を始め,多くの方々に本学会に親しみを持っていただくために学会のロゴマークを作成したいと考えています。
二つ目は,規程の改正です。コロナ禍を契機に,昨年の会長,常務理事,および理事の選挙から電子投票システムによる方法に投票方法を変更してきましたが,それに伴う「会則」「役員選任規程」等の規程の一部に不備がみられます。そこで,本年度中に必要な改正を行いたいと考えています。改正案が纏まりましたら,常務理事会,理事会,総会に諮りたいと考えていますので,よろしくお願いいたします。
三つ目は,4月から新執行部で検討してきたことですが,学会の業務に携わっていただいている参事の先生方への学会出張費等の一部助成などを通した研究活動支援です。議事録の作成等のために常務理事会,理事会に出席していただいている参事の先生方は若手の研究者であり,貴重な研究時間を割いて出席していただき議事録を作成していただいていますので,それにたいして何らかのかたちで応えたいと思います。
次に,中期目標について一つ目は,社会への貢献,地域経済の発展への貢献です。これは「会則」第3条の目的の一つに「経営管理実務の指導・改善に資することを目的とする」と掲げていることであり,ぜひ実現したいと考えています。たとえば,2018年度から隔年で実施されている「産学共同研究」を活用して,地域の商工会などの非営利団体や,人財が不足している中小企業の方々と産学連携の道を探り支援することが考えられます。今年の年次全国大会の統一論題において「中小企業管理会計の現状と課題」をテーマに掲げていただき,中小企業のことを議論していただくことになっています。また,地域の商工会との連携についても一部で話しが進んでいます。
二つ目は,会員数の増大です。今後,研究者の会員数の増大はあまり見込めないと考えられます。そこで,企業にお勤めの方々,および中小企業との関係が深い税理士や公認会計士の方々の会員数の増大を図りたいと考えています。とくに,上記の「産学共同研究」などを活用して産学連携を図るためにも,中小企業の方々との関連がある税理士,公認会計士の先生方に会員になっていただくことは意味があるかと存じます。税理士を始めとする実務家の方々に会員になっていただくには,どのようなことが考えられるかを任期中に探っていきたいと思います。併せて,賛助会員を増大することにより財政基盤を拡充したいと考えています。
三つ目は,機関誌『管理会計学』についてです。歴代の編集委員長のご尽力により機関誌『管理会計学』は質量ともに大変充実してきましたが,編集委員長を始め,編集副委員長,委員,参事の先生方の業務がかなり負担になっていると聞いています。そこで,これまでの委員長,副委員長,委員,参事の先生方のご意見を伺い,業務の一部を外注することなどを含めて,編集手続きについて改善したいと考えています。
これらの中期目標については,私の任期の間に実現できるとは考えていません。今後の執行部に繋がるような仕組みを作れればと考えていますので,ご高配のほどよろしくお願いいたします。
2021年に学会創設30周年を迎えましたが,次の節目である40周年に向けて社会に開かれた,より魅力ある素晴らしい学会へと発展するよう,微力を尽くして取り組む所存です。会員の先生方の一層のご支援,ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます。
The Japanese Association of Management Accounting