2025年度第3回企業研究会「株式会社能作様(本社:富山県高岡市」開催記

文責:専修大学 青木 章通

 2026(令和 8)年 3 月 3 日(火)14:00~17:00 の日時にて、富山県高岡市オフィスパーク8-1に所在する株式会社能作様(以下、能作:https://www.nousaku.co.jp/)の本社/工場において、2025 年度第 3 回企業研究会を開催いたしました。本研究会には、全国から25名の会員が参加されました。
 能作は大正5年(1916年)に創業され、昭和42年(1967年)に会社として設立されました。同社は400年の歴史を有する高岡銅器の生産からスタートし、2002年より自社ブランド「能作」の製品開発を開始、2003年からは錫製品の開発を開始しています。現在の同社の主力事業は、テーブルウェアやアクセサリなどの錫製品です。一方で、創業以来の鋳物製品の製造・販売も続けているほか、産業観光事業や外食産業といった高岡銅器産業や能作の製品を広く知ってもらうための試みも積極的に行っています。
 能作は2017年に高岡市内のオフィスパークに本社/工場を移転し、現在では国内に18店舗、台湾にも2店舗の直営店を有しています。

 本研究会では、最初に能作の工場を見学し、同社の製品の製造工程について詳細なご説明を頂きました。同社からのご説明に対して参加会員から活発な質問や提案が行われ、産学間での貴重な議論の場となりました。
 工場見学の終了後には、代表取締役社長の能作千春様よりご講演をいただきました。同社の歴史と事業展開の意図、伝統の鋳物産業を継承する企業であり続けることに対する矜持、同社が標榜してきた4つの「しない」経営(「営業をしない」、「競争をしない」、「目標を持たない」、「教育をしない」)を現代に合わせて「営業をされる側になる」、「共創する」、「強要をしない」、「学びの場を提供する」と解釈し直して従業員の行動に落とし込んでいること、パーパス、ビジョン、ミッションを整理して従業員と共有するための能作ツリーについて、多様な人材が活躍できる組織作りのためのインナーブランディングの重要性など、数々の興味深い内容が説明されました。終了後には活発な質疑応答が行われました。研究会の最後には、学会を代表して崎章浩会長(東京国際大学)よりご挨拶がありました。同研究会は盛会のうちに無事終了いたしました。
 最後に、業務ご多忙の中、本研究会開催の機会を賜りました能作の代表取締役社長能作千春様はじめ同社のみなさまのご高配に厚く御礼を申し上げます。

以上

JAMA NEWS No.58発行について

日本管理会計学会各位

JAMA NEWS No.58が発行されましたので、
ご案内いたします。

学会ホームページ( https://sitejama.jp/ )
右側のPDFファイルのアイコン)、
または、刊行物紹介より、
( https://sitejama.jp/?page_id=188 )
ダウンロードしてください。

       目次
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・2025年度年次全国大会記

・2026年度年次全国大会 開催ご挨拶
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

JAMA NEWS No.58 ダウンロードURL ( https://sitejama.jp/JAMANEWS/JAMANEWS58.pdf )

2025年度第3回企業研究会「株式会社能作様(富山県高岡市)」開催のご案内と参加者募集について

日本管理会計学会会員各位

 日本管理会計学会会員の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 2025年度第3回企業見学会 「株式会社能作様(富山県高岡市)」を開催させて頂きます。
 参加ご希望の会員の皆さまは、下記申込方法によりメールにて、お申込みをお願い致します。株式会社能作は、1916年に青銅鋳物による製造業者として創業されました。現在では、錫・真鍮・青銅を材料とした様々な製品が人気を博しています。また、高岡の産業観光にも力を入れています。同社は優れた経営を行っていることでも知られており、2023年1月には、ダイヤモンド経営者倶楽部 2022年度「マネジメント・オブ・ザ・イヤー」大賞を受賞しています。また、2025年には、経済産業省 特許庁「知財功労賞」特許庁長官表彰(デザイン経営企業)を受賞しています。当日は、社長の能作千春様より、同社の経営や管理会計についてもお話しいただき、質疑応答の機会を設ける予定です。
 皆様の積極的なご参加をお待ちしております。

<日本管理会計学会2025年度第3回企業研究会「株式会社能作様(富山県高岡市)」開催のご案内と参加者募集について>

1.開催日時:2026年3月3日(火)
  研究会:14:10~17:00(予定)

2.開催企業名:株式会社能作様

  https://www.nousaku.co.jp

  本社:〒939-1119 富山県高岡市オフィスパーク8-1

  アクセス情報:高岡駅または新高岡駅前より世界遺産バスでバス停「能作前」より徒歩1分

3.集合場所・時間:能作オフィス前 14:00
  (参考交通情報)世界遺産バス(加越能バス)
  高岡駅前(7番乗場)13:20 -新高岡駅前(4番乗場)13:35- 能作前13:48

 ※集合時刻に遅れる場合は、直接、現地にお越しください。
 ※企業研究会 終了後は、現地解散となります。

4.企業研究会(株式会社能作様)での実施内容(予定)
 研究会 14:10~17:00
・企業研究会全体概要のご説明
・工場見学
・「会社概要および能作の経営について」
  ※株式会社能作 代表取締役社長 能作千春様
・質疑およびディスカッション
・その他

5.募集人数・申込方法・参加費
(1) 募集人数:30名まで(申し込み先着順)
(2) 申込締切日:令和8年2月21 日(土)まで
 ※定員になり次第、締切とさせていただきますのでご了承ください。
(3) 参加申込先:宮地晃輔あて(長崎県立大学)のメールアドレス   
  miyaji●sun.ac.jp へメールで申し込んでください。●→@(アットマーク)に変えてください。
  メールの件名は「2025年第3回企業研究会参加申込(氏名)」としご氏名、ご所属、メールアドレス、携帯電話番号を記入してください。メールの受信確認後、宮地からのご返信を行います。
(4) 参加費:無料

6.その他
 当日キャンセル(不参加)は避けていただきますようお願いいたします。

2025年度日本管理会計学会第2回企業研究会「武州工業株式会社様(東京都青梅市)」開催記

文責:愛知工業大学  柊 紫乃

 2025(令和 7)年 12 月12 日(金)13:10~16:00 の日時にて,武州工業株式会社様(東京都青梅市末広町1-2-3:https://www.busyu.co.jp)の本社「武州庵(研修ルーム)」において,2025 年度第2回企業研究会を開催いたしました。本研究会には,全国から13名の会員が参加されました。
 本研究会の冒頭では,武州工業株式会社様の全体概要および武州流DXについて,武州工業株式会社の前社長,現相談役,林英夫様にご講演を頂きました。その後,本社工場の自動車部品工程,半導体筐体板金工程等を見学させて頂き,現場のライン側での工程紹介や,RFIDタグを活用した進捗情報取得用の内製アプリ,ロボットと人の連携による工程設計等の実践について現地現物でご説明を頂きました。

 
 

 続いて,武州工業株式会社様のDXの実践の中から「ジャスト・イン・タイム損益計算書」の開発・活用のお取組みについて,具体的な事例を交えてご説明頂きました。まず,DX部 自動化推進 チーフエンジニア 長田 雄大様より,従来の部門別損益計算書の管理会計的視点からの課題と,現場・経営管理からの必要性から生み出された,同社独自のジャスト・イン・タイム損益計算書について,開発経緯やシステム構成等についてご説明を頂いた上で,リアルタイムでのシステム画面紹介,ジャスト・イン・タイム損益計算書データのグラフ化等による見える化事例もご紹介頂きました。また,COO 岩浪 秀継様より,ジャスト・イン・タイム損益計算書を必要とされた背景や,システム完成後の実践での活用事例等についてご説明を頂きました。最後に,長田さまより,直近で開発中のAIを用いたプロンプト・エンジニアリングの実例として,ジャスト・イン・タイム損益計算書の自動分析のご説明と,参加各位からのアドバイスを頂きたいとのご希望を頂きました。
 武州工業株式会社のみなさまからのご説明やご要望に対しての質疑応答では,参加会員から活発な質問や各位の専門を生かした助言等が行われ,貴重な議論および意見交換の場となりました。
 研究会の最後には,学会代表挨拶として本学会会長の﨑章浩会長(東京国際大学)よりご挨拶がありました。同研究会は盛会のうちに無事終了いたしました。研究会終了後には,武州工業株式会社さまのご厚意により,武州庵において交流会も開催されました。
 最後に本研究会開催にあたり,武州工業株式会社の林英夫相談役様はじめ,同社のみなさまに多大なご尽力を賜りました。ここに厚く御礼を申し上げます。

以上

2025年度JAMA第2回リサーチセミナーの報告

主催校:帝塚山大学(準備委員長:松木智子)
開催日時:2025年12月6日(土)14:00-16:00
開催方法:オンライン
参加者数:23人(事前申込数)


 2025年度第2回リサーチセミナーは、帝塚山大学(準備委員長:松木智子)を開催校として、2025年12月6日(土)14:00-16:00にZoomを用いたオンラインのみの形態によって開催されました。参加登録者数は23名、報告30分、討論15分、フロア質疑10分で行われました。なお、参加希望者には、開催2日前にZoomのURLと発表者のフルペーパーをメールにて送付しました。

【プログラム】
(報告30分、討論15分、フロア質疑10分)
14:00-14:05 開催挨拶
14:05-15:00 研究報告1(報告30分、討論15分、フロア質疑10分)
・報告者:加藤大智先生(松山大学)
・討論者:安酸建二先生(近畿大学)
15:00-15:55 研究報告2(報告30分、討論15分、フロア質疑10分)
・報告者:永田大貴氏(神戸大学大学院博士後期課程)
・討論者:妹尾 剛好先生(中央大学)
15:55-16:00 閉会挨拶

第1報告では、日本企業の配当予測情報がシグナンリグとして調整コストとなり、それ販売費及び一般管理費の下方硬直性をもたらしていることを実証する研究発表でした。ディスカッサントからは、配当予測というシグナリングが調整コストになる点よりも、むしろ、経営者は自分が出したシグナリング(配当予測)と矛盾した行動を取りたくないということがこの論文の主張なのではないか、という指摘があった。また、会場からの質問では、配当を出す/出さないというダミー変数を用いているが、配当は金額だから連続変数として扱ってもいいのではないか、という質問が出ました。

第2報告では、業績評価において、本人の実力以外の運/不運を調整することによるリスク態度と合理的意思決定への影響についての実験室実験の研究発表でした。3つの仮説の内、「不運」があったときのみに業績評価を調整する場合には、被験者はリスク愛好的になるという結果が示されました。しかし、「不運」と「不幸」の両方を調整する場合には、一見してより真実的な業績評価が行われているようにみえて、それが合理的意思決定を促進するとは言えないという結果が示されました。ディスカッサントからは、「不運のみ調整」を実施している事例は現実にはあると思うのでフィールドリサーチをしてみるといいのではないか、などのコメントがあった。また会場からの質疑応答では、「運/不運」の測定に関しては、事前に確率が示されているのは「運/不運」を測定していることにはならないのではないか、というコメントがあり、発表者も再検討するという回答でした。

【研究報告1】
・報告タイトル:Signaling and Cost Management: Dividend Forecast and Asymmetric Cost Behavior in Japan
・報告者:加藤大智先生(松山大学)
・概要:This study investigates the relationship between signaling and cost management through the lens of dividend forecast and asymmetric cost behavior.
Using data of Japanese firms, this study finds that dividend forecasts, representing a commitment to dividends, is positively associated with cost stickiness.
This findings suggest that signaling induces adjustment costs that influencing managerial resource adjustments.

【研究報告2】
・報告タイトル:主観的業績評価における幸運・不運の調整方針が意思決定に与える影響
―リスク態度と合理的判断に関する実験研究―
・報告者:永田大貴氏(神戸大学大学院博士後期課程)
・概要:本研究は,主観的業績評価における幸運・不運の調整方針が被評価者の意思決定に及ぼす影響を実験的に検証する。既存研究は不運の調整に主眼を置き,幸運の扱いをほとんど検討してこなかった。本研究は,幸運・不運の調整有無を操作した2×2参加者間実験を実施し,被評価者のリスク態度と合理的判断の変化を測定した。実務において一般的な非対称的調整方針と、理論的に想定可能な評価方針との下で生じる意思決定の差異を捉えることで、主観的業績評価制度が被評価者の行動に及ぼす機能的側面を検討する。