2026年度 第1回関西・中部部会 開催記

文責:愛知工業大学  柊 紫乃

 2026年度第1回関西・中部部会は,2026年6月20日(土)13時30分から17時40分まで,愛知工業大学自由ヶ丘キャンパス(開催校準備委員長 柊 紫乃)にて対面・遠隔併用のハイブリッド形式で開催されました。雨模様の中での開催でしたが,当日は日本全国から対面21名,遠隔11名の計32名の方々が参加されました。部会開催に先立ち,関西・中部部会の役員会がハイブリッド形式で開催されました。
 関西・中部部会は,定刻より関西・中部部会会長である南山大学の窪田 祐一氏のご挨拶から開始されました。第1部では,特別講演に株式会社 東海理化 生産調査部長の今泉 雅善氏をお迎えし,トヨタ生産システムとデジタルトランスフォーメーション(DX)の協働による企業変革についてお話をいただきました。
 第2部では,4件の自由論題報告がありました。第1報告として旭川市立大学の下田 卓治氏,第2報告として南山大学の榎本 哲也氏,第3報告として津田塾大学の大西 淳也氏,第4報告として関西学院大学の吉川 晃史氏からご報告いただきました。第1報告は遠隔,第2報告から第4報告は対面と自由論題報告においてもハイブリッド開催となりました。以下,特別講演および,自由論題 第1報告から第4報告の概要となります。

特別講演 今泉 雅善氏(株式会社 東海理化 生産調査部長)
講演論題 「DX(AI)時代におけるTPSの本質の更なるシンカを目指して」

 特別講演では,株式会社 東海理化(以下,東海理化)の今泉氏により,従前より推進されてきたDXの活用が,同社およびトヨタグループの強みであるTPS(トヨタ生産システム)をいかにシンカ(進化・深化・新化)させてこられたかについて,具体的事例を交えて紹介をいただいた。
 まずは,TPSの原理原則について,2本柱である「ジャストインタイム」「自働化」や「TPSの家」等の解説をいただき,東海理化としての製造現場での取組み事例を紹介いただいた。その上で,製造現場DXとして同社が進めてこられた「IT生産管理版」の様々な活用事例として,時々刻々対応できる異常対策,入力・転記等の作業軽減による改善時間の確保,現場の実績や改善効果が瞬時に分かる見える化等をご説明いただいた。
 最後に,まとめとして「データの見える化から始まるDXが多いが,AIによる過去の知見との融合により,改善スピードを上げ,TPSの本質をシンカさせていきたい。AI,DX時代にこそ出来るTPSの真価を発揮し,経営改革に繋げていきたい」という現在から将来に繋がる展望を示されて本特別講演は締めくくられた。

第1報告 下田 卓治氏(旭川市立大学)
報告論題 「健康経営優良法人認定の経済的効果」

 自由論題の第1報告では,旭川市立大学の下田氏により,遠隔での報告があった。本報告では,健康経営優良法人認定の経済的効果の検証結果が報告された。主な要旨は以下のとおり。
 本研究では,健康経営優良法人認定の効果を検証するため,PSM,DID,イベントスタディ分析を実施した。2017年時点の事前共変量を用いたPSMの結果,マッチング前に確認された売上規模,成長率,産業構成の不均衡は,マッチング後にはすべての共変量で標準化差が概ね0.1未満となり,処置群と対照群の特性は十分に均衡化された。PSM後サンプルを用いたDID分析では,2020年以降ダミーと認定ダミーの交互作用項は,Tobin’s Q,ROA,ROEのいずれにおいても正の係数を示したものの,5%水準では統計的に有意ではなかった。この結果は,健康経営の取り組みが直ちに財務数値へ結びつくわけではなく,平均的な処置効果としては限定的であることを示している。さらに,Sun and Abraham(2021)に基づくイベントスタディ分析では,Tobin’s Qにおいて認定取得年の係数が統計的に有意な負の値を示した一方,取得後数年では正の係数が観察された。これらの結果は,健康経営優良法人認定の影響が短期と中長期で異なる可能性を示しており,効果の時間的推移を考慮した分析の重要性を示唆している。
 報告後に,本報告の研究手法と分析結果について,遠隔・対面双方の参加者から質問やコメントがあり,今後の分析課題等が確認された。

第2報告:榎本 哲也氏(南山大学)
報告論題 「テンションの変化に応じた業績測定システムの改良と活用プロセス
-アクション・リサーチによる業績指標の構築-」

 自由論題の第2報告では,南山大学の榎本氏より,対面での報告があった。本報告では,アクション・リサーチによる業績測定システムの改良と活用プロセスについて報告された。主な要旨は以下のとおり。
本研究の目的は,業績目標間の緊張関係(テンション)の変化に応じて,業績測定システム(PMS)がどのようにテンション・マネジメントを支援しうるのかを明らかにすることである。社会性と収益性の両立のような複数目標の追求は,組織に持続的なテンションをもたらす。本研究では,障がい者雇用を目的とした営利事業を行う社会的企業を対象にアクション・リサーチを行った。「障がい者雇用」と「利益獲得」をめぐる既存のテンションのバランスをとる事業の拡大に伴い,新たに「障がい者雇用」と「障がい者就労支援」をめぐるテンションへと焦点が変化するなかで,それに対応したPMSの改良と活用プロセスを分析した。その結果,新たなテンションの顕在化に応じて業績指標が着想され,現場での解釈や対話を通じて意思決定や認識共有に用いられていた。本研究は,PMSが動態的なテンションの見える化と調整を支援する可能性を示唆する。
 報告後に,本報告のアクション・リサーチに関わる具体的な取組みやPMSの可能性について,遠隔・対面双方の参加者から質問やコメントがあり,今後の支援課題等が確認された。

第3報告:大西 淳也氏(津田塾大学)
報告論題 「大学の業務効率化・業務改革についての考察 -管理会計の観点から-」

 自由論題の第3報告では,津田塾大学の大西氏より,対面での報告があった。本報告では,大学の業務効率化・業務改革について報告された。主な要旨は以下のとおり。
 本報告では,教職員の人件費割合の高い文系中心の小規模大学を想定し,そこでの業務効率化と業務改革の進め方について考察する。最初に,大学をめぐる状況について整理し,業務フローが重視されていないことを述べる。次に,業務フローの観点から検討し,階層別の大中小の業務フローと業務量の把握が重要であることなどについて言及する。そして,BPRの観点から検討し,プロセス設計ドリブンと現場提案ドリブンの2つの視点があることを示す。その後,現場の不可視性の観点からは改善活動が重視され,そこでは衛生要因(不満足要因)を起点とする改善活動が大きな改革につながりやすいことを述べる。そして,マネジメント・コントロールの観点から検討し,業務フローの存在を前提にイネ―ブリング・コントロールを考慮すると,現場提案が組織戦略の修正までも視野に入れることができることについて整理する。DXについてもビジネス・プロセスの改革とビジネス・モデルの改革の2つがある中で,現在は前者にとどまっていることについて述べる。その後,以上の論をまとめ,大学の業務効率化・業務改革の実施プロセスについて考察する。そこでは,大学の業務効率化等の現状を整理の上,管理会計論の観点から考えられる今後の進め方について示唆する。そして,業務量の捻出と戦略的業務への業務量投下の重要性について言及し,学長のリーダーシップがキモとなることを述べる。最後に,まとめと今後の課題について言及する。
 報告後に,本報告から示唆される大学業務に関わる現状や課題について,遠隔・対面双方の参加者から質問やコメントがあり,今後の取組み課題等が確認された。

第4報告:吉川 晃史氏(関西学院大学)
報告論題 「デジタルを活用したトヨタのコストマネジメントとグローバル展開」

 第4報告では,関西学院大学の吉川氏より,対面での報告があった。本報告では,2000年代のトヨタのコストマネジメントの変化について報告された。主な要旨は以下のとおり。
本報告は,日本管理会計学会 産学共同研究グループ(代表 水島多美也氏)「技術の進化が戦略的計画会計・現業統制会計の変化にもたらす影響」プロジェクトの研究成果の一部である。2025年度の活動では,井上眞一氏(元 トヨタ自動車)のご協力のもと,トヨタの生産技術と戦略の変化について2000年前後を中心に戦略計画会計の視点からヒアリングを実施,入手データを整理した。今年度はこれらをもとに,参加研究者がそれぞれの研究関心から分析を進めている。第1弾としての本報告では,2000年代のトヨタ自動車のコストマネジメントに着目し,デジタル化の推進,GBL(グローバル・ボデー・ライン)の導入,および BT2活動を通じた徹底的な原価低減の取り組みのもとで,同社がリーマンショック前後の急激な外部環境の変化にいかに対応していったのかを外部資料や当時の社員からの聞き取り調査から明らかにする。
 報告後に,トヨタ自動車におけるコストマネンジメントや工場投資企画等の視点について,遠隔・対面双方の参加者から質問やコメントがあり,今後の研究課題等が確認された。

 ハイブリッド開催での特別講演と自由論題4件という比較的長時間の部会でしたが,会場および遠隔ご参加の先生方のご協力により定刻通り17:40に開催校準備委員長 柊 紫乃(愛知工業大学)による参加への御礼の挨拶をもって2026年度 第1回関西・中部部会は終了しました。
 部会終了後は,場所を移して本山の「焼き鳥ぎんざん 本山店」において懇親会が開催され,12名の方が参加されました。前学会長 﨑 章浩氏(東京国際大学)による乾杯のご発声で始まり,会員各位の懇親と部会での講演・報告内容や,各自の研究テーマなどについて議論に花が咲きました。最後は,関西・中部部会会長の窪田 祐一氏(南山大学)による挨拶でお開きとなりました。

2026年度第1回(第70回)九州部会開催記

2026年6月6日(土)13:25~17:45

■■ 日本管理会計学会2026年度第1回(第70回)九州部会が、2026年6月6日(土)に、西南学院大学(福岡市)にてハイブリッド方式で開催された(準備委員長:西南学院大学教授・丸田起大氏)。準備委員長の挨拶の後、九州部会通算第70回大会を記念した講演会と研究報告会がおこなわれた。対面参加・オンライン参加合わせて40名近い研究者、実務家、および大学院生の参加を得て、活発な質疑応答がおこなわれた。

丸田氏

 

■■ 九州部会通算第70回大会を記念した講演会では、九州部会の発起人のお一人であり、西南学院大学教授(当時)として九州部会第1回大会の準備委員長を務められた浜田和樹氏(元・関西学院大学教授、元・岡山商科大学教授)から「不確実性下での仮説思考の有効性―会計による学習アプローチの重要性―」と題する講演がおこなわれた。冒頭で、九州の管理会計研究者の交流の場を作ろうという設立の趣旨や、第1回から九州の著名企業の経営者を招いた実務家講演を積極的に継続するなど、九州部会設立当時の思い出を語られた。これからの研究に期待することとして、管理会計の分野で確率やローリングなど不確実性を考慮した多くの研究がなされてきたが、不確実性下での意思決定の実施にはフィードフォワードとダブルループ・フィードバックを組み合わせた組織学習が必要であり、それを助けるものとしてリアルオプションや逆損益計算書により仮説の設定・検証を繰り返し実施する仮説思考計画法などの手法が有望であること、などを解説された。

浜田氏

 

■■ 研究報告会の第1報告では、藤田志保氏(慶應義塾大学大学院後期博士課程)により、「日本企業における中期経営計画の類型化」と題する報告がおこなわれた。日本企業の中期経営計画は、策定の志向性に大きな多様性があり、中期経営計画の策定の起点となる目標設定パターンが、その後の実行プロセス(戦略共有・モニタリング・業績評価)の成熟度にどのような影響を及ぼすかを実証的に解明された。東証上場企業を対象に、クラスター分析および多変量解析を実施した結果、日本企業は4つ(総合重視型、外部志向型、年度整合型、発展途上型)に類型化され、外部報告と内部管理の両面を追求する「総合重視型」において実行プロセスの成熟度が最も高く、目標設定の志向性がその後の実行の質を規定していることを明らかにされた。



藤田氏

 

■■ 第2報告では、水野真実氏(熊本学園大学准教授)により、「病院TDABCの適用可能性―タスクシフトの効果検証―」と題する報告がオンラインでおこなわれた。TDABC(時間主導型活動基準原価計算)を医療機関に適用する先行研究が増えている現状のもと、TDABCの適用によるタスクシフトの効果検証といった収益性分析の研究が不十分であることを指摘したうえで、実在病院での人工膝関節置換術に関する5年間の電子カルテや手術システムのデータを用いて、同病院での整形外科医師から手術室看護師へのタスクシフトの効果検証をおこなった。分析の結果、手術時間長期化といった患者への負担を生じさせることなく利益率の向上をもたらしていることが実証され、さらに同病院の執刀医師や経営者へのインタビューにもとづいて病院TDABCの有効性を考察された。



水野氏

 

■■ 第3報告は、手嶋竜二氏(岡山商科大学准教授)により、「コントロール・レバーの測定構造の予備的検討―透明性との関連に着目して―」と題する報告が行われた。Simons(1995)のコントロール・レバー(Levers of Control: LOC)と情報の透明性との関係に着目し、その測定構造を探索的に検討された。LOCの4側面(信念システム、境界システム、診断型コントロール、インタラクティブ・コントロール)と、心理学における透明性の3要素(共有可能性・明確性・正確性)を、ミドル・マネジャーの知覚にもとづく質問票によって測定し、探索的因子分析をおこなった結果、インタラクティブ・コントロールと情報の透明性の間には強い相関が観察された。またLOCの内的一貫性では、診断型コントロールとインタラクティブ・コントロールが因子として明確に分かれない傾向がみられ、両概念がマネジャーの知覚の水準では一体となって理解されている可能性を示された。



手嶋氏

 

■■研究報告会終了後、九州部会総会が開催された。次回の九州部会は、2026年10月に中村学園大学(福岡市)にて開催予定である。

 

文責:丸田(西南学院大学)
写真:⻆田幸太郎氏(佐賀大学)

2026年度第1回リサーチセミナー開催記

 2026年度第1回リサーチセミナーは,滋賀大学を開催準備校(準備委員長:滋賀大学 加藤大智氏)として,2026年6月13日(土)14時00分~16時10分にオンライン形式で開催されました。当日の参加者は約20名でした。開会の挨拶,司会および閉会の挨拶は加藤大智氏(滋賀大学)により行われました。研究報告の第1報告は殷広為⽒ (近畿大学大学院)・早川翔氏(京都産業大学),第2報告は片岡亮太氏(松山大学)でした。いずれの報告についても,討論セッションや質疑セッションにて積極的な質問やコメントがなされ,活発な議論が行われました。

【研究報告1】
報告タイトル:「経営課題に応じた予算目標修正の違い」
報告者: 殷広為氏(近畿大学大学院), 早川翔氏(京都産業大学)

 第1報告では,殷氏より企業のライフサイクルが売上高および利益の予算目標修正に与える影響に関する研究報告が行われました。導入期・成長期の企業では,市場シェア獲得や成長投資が重要であるため,有利差異が生じると売上高目標を大きく引き上げられるが,費用増加を見込むため利益目標の引き上げは相対的に抑えられると考えられる一方で,不利差異が生じた場合には,成長期待を維持するため売上高・利益目標とも下方修正されにくいと考えられます。殷氏らは,こうした予想について日本企業が公表する経営者業績予想のデータを用いて実証的な分析を行いました。分析の結果,企業ライフサイクルによって売上高および利益目標の差異が次期の目標に与える影響が異なることが明らかになりました。この結果は,予算目標の修正行動が企業の直面する経営課題に依存するという重要な研究課題を示唆すると考えられます。
 
【研究報告2】
・報告タイトル:「目標の期中調整に関する研究:期中調整は業績にどのような効果を与えるか」
・報告者:片岡亮太氏(松山大学)

 第2報告では,片岡氏より企業で行われる目標の期中調整が与える影響に関する研究報告が行われました。目標の期中調整に関する先行研究では,期中調整が努力を高めるのか低下させるのかについて理論的・実証的な対立が生じていました。片岡氏はその原因として,調整が行われるという事前の告知の効果と,実際に目標を調整するという実施の効果が区別されていなかった点を指摘し,それらを区別するために実験を行いました。実験の結果,期中調整の告知の効果は明確な効果は確認されませんでした。一方で,期中調整の実施には正の効果があることが確認されました。また,期中調整の実施は手続き的公正・分配的公正の認知を高め,それを通じて業績に間接的な正の影響を与えていたことが明らかになりました。片岡氏の報告は,先行研究で混同されていた告知と実施の効果を初めて区別して検証した点で学術的に貢献し,期中調整の実務に示唆をもたらすと考えられます。

文責:加藤大智 (滋賀大学)

第1回リサーチセミナー再登録のお願い

日本管理会計学会 会員各位

先日ご案内申し上げました2026年度第1回リサーチセミナーにつきまして、申込フォームに不手際がございましたため参加申込期限を下記のとおり延長させていただきます。
大変お手数をおかけしますが、5月31日までに参加申込みいただいた先生方につきましても、今一度ご登録いただけますと幸いです。

開催日:2026年6月13日(土)
開始時刻:14時から16時(予定)
開催方法:オンライン(Zoom)
参加費:無料
参加申込方法:6月7日(日)までに下記のリンクからお申し込みください。
申込リンク:https://forms.gle/ModdA7K3UXRdJTT47

参加の申し込みをされた方に、開催数日前にオンラインミーティングのURLとフルペーパーをお送りします。

【プログラム】
14:00-14:05 開催挨拶
14:05-15:00 研究報告1(報告30分、討論15分、フロア質疑10分)
15:00-15:55 研究報告2(報告30分、討論15分、フロア質疑10分)
15:55-16:00 閉会挨拶

【研究報告1】(報告30分、討論15分、フロア質疑10分)
14:05-14:35 研究報告1
・報告タイトル: 「経営課題に応じた予算目標修正の違い 」
・報告者: 殷広為氏(近畿大学大学院博士後期課程)、 早川翔氏(京都産業大学准教授)
・概要:本報告では、企業のライフサイクルが売上高および利益の予算目標修正に与える影響を検討する。具体的には、業績差異が生じた際の売上高目標と利益目標の修正幅の違いに着目し、経営課題の相違が目標設定に及ぼす影響を解明する。導入期と成長期では、有利差異が生じた際にシェア拡大に向けた投資を優先するため、利益目標よりも売上高目標を大幅に引き上げ、その違いが拡大する。そして、不利差異が生じた際は、成長シナリオの維持や資本市場への負のシグナルの回避から、売上高および利益の下方修正が抑制され、その違いが縮小する。本研究は、予算目標の修正行動が企業の直面する経営課題に依存することを明らかにするものである。
14:35-14:50討論(研究報告1)
・討論者:黒木淳先生(神戸大学)
14:50-15:00 質疑(研究報告1)

【研究報告2】(報告30分、討論15分、フロア質疑10分)
15:00-15:30 研究報告2
・報告タイトル:「目標の期中調整に関する研究:期中調整は業績にどのような効果を与えるか」
・報告者:片岡亮太氏(松山大学講師)
・概要:本研究は、環境変化により目標達成が困難な状況下で目標の期中調整が業績に与える効果を告知と実施の2つの要素に区別してオンライン実験によって検証した。その結果、告知による業績への効果は確認されなかった一方で、目標の達成が困難な環境下での期中調整の実施は正の効果をもたらし、期中調整がモチベーションを回復させる機能を持つことが示された。また、期中調整の実施は手続き的公正・分配的公正の認知を高め、それが業績に間接的に正の影響を与えることが確認された。本研究は先行研究で混同されていた告知と実施の効果を初めて区別して検証した点で学術的に貢献し、期中調整の実務に示唆をもたらすものである。
15:30-15:45 討論(研究報告2)
・討論者:西居豪先生(専修大学)
15:45-15:55 質疑(研究報告2)

15:55-16:00 閉会挨拶

問合せ先:滋賀大学 加藤大智(daichi-katobiwako.shiga-u.ac.jp)

2026年度冬季 日本管理会計学会 大学生グループ研究大会の開催について(第1報)

 日本管理会計学会では,2026年度に冬季「大学生グループ研究大会」を新たに開催いたします。

 

  1. 開催概要

開 催 日:2026年12月26日(土)
会   場:慶應義塾大学三田キャンパス(対面方式)
参 加 費:無料
発表形式:pptを用いたプレゼンテーション
参加資格:日本管理会計学会会員が指導する学部生(2,3年生)のグループ(個人・大学院生は対象外)

 

  1. 開催趣旨

 学会員が指導する学部ゼミ活動を盛り上げ,意欲的な学生の活動をエンカレッジすることを目的とします。具体的には以下の効果を期待します。

・学生の動機づけ:ゼミ活動における研究の目標設定と達成感の醸成を図るとともに,ゼミ活動の成果を就活等にも活用できるよう,学生の研究活動への動機づけを高める。
・学会・ゼミナール活動の活性化: 意欲的な学生の公式的な発表機会を設けることで,管理会計ゼミ全体の活気を高めるとともに,大学院進学を志す学生への後押しとなることも期待する。また,下級生が活気ある研究分野・ゼミナールを選択する契機となり,管理会計領域全体の底上げにも寄与する。

 

  1. 本大会の特徴

①募集テーマの多様性

 会計学(管理会計・原価計算)を中心としつつ,隣接科学分野(経営戦略論,組織論,マーケティング論等)や経営実践(業界分析・ビジネス提案等)のテーマやアプローチも広く募集いたします。
 管理会計を専門とするゼミナールであっても,データの入手可能性等の制約から,学生が取り組むテーマは多様です。そうした実態を踏まえ,エントリー部門をいくつか設けることで,テーマによる参加制限は極力設けない方針としています。学会員が指導するゼミナール活動の成果発表の場として,幅広い研究テーマでのご参加をお待ちしております。

②表彰の多様性

 学生の進学や就活のサポートとなるように,エントリー学生の指導教員を中心に相互審査を実施し,表彰を行います。多様な評価項目を設け,多くの学生を表彰する予定です。最優秀賞・優秀賞に加え,隣接科学分野への貢献やプレゼンテーションの上手さなど,複数の観点から優れたチームを表彰します。研究テーマやアプローチに応じて,研究の総合力だけでなく,それぞれのチームが持つ強みや努力を評価することを意図しています。

  1. スケジュール(予定)

時期

内容

2026年9月

エントリー受付開始

2026年10月上旬

エントリー締切

2026年11月下旬

予選用資料提出(該当する場合のみ)

2026年12月上旬

予選の結果発表(該当する場合のみ)

2026年12月20日

報告スライド資料提出締切

2026年12月26日(土)

発表会当日

 

  1. エントリー方法

  指導教員を通じて,以下の情報をご提出いただきます。

  • 参加学生氏名
  • テーマ(仮)
  • 研究キーワード
  1. ご留意事項
  • 予選の実施について:エントリー数が会場キャパシティを超えた場合,予選を実施する可能性があります。その場合,11月下旬時点での進捗スライドをご提出いただき,予選を行います。上位チームのみ対面での本選に進みます。予選の実施有無や詳細については,エントリー締切直後にアナウンスします。
  • 審査員へのご協力のお願い:エントリーされた指導教員には,原則として大会当日の審査員をお願いする予定です。
  • エントリー数の上限:1教員あたりのエントリーチーム数に上限を設ける可能性(各ゼミ2チームまでなど)があります。
  • 他の大会や論文懸賞との重複エントリーの歓迎:本発表会は,既存の学生大会と相互に補完し合う関係と位置づけております。開催時期や評価視点が異なる複数の発表機会が存在することで,学生にとっての挑戦の場が広がり,分野全体の活性化につながると考えております。

 その他の詳細は,8月上旬に公開予定の第2報にて確定事項をお知らせいたします。

  1. お問い合わせ

本発表会に関するお問い合わせは,下記までご連絡ください。
準備担当:吉田栄介(慶應義塾大学)
E-mail:jama.ugcfgmail.com