日本管理会計学会2026年度第1回フォーラム開催記

 日本管理会計学会2026年度第1回フォーラムは、2026年4月25日(土)14時00分から16時30分まで、日本大学経済学部水道橋キャンパスにおいて対面・オンライン(zoom)のハイブリッド形式にて開催された。開会に先立ち、本学会会長・伊藤克容氏(成蹊大学)よりご挨拶を賜り、引き続き、飯塚隼光氏(日本大学)の司会によりプログラムが進行した。 
 本フォーラムでは、2025年度日本管理会計学会功績賞を受賞された尾畑裕氏(明治学院大学)を特別講演としてお迎えし、あわせて井上慶太氏(東京経済大学)および王志氏(明治大学)による研究報告の計3件が行われた。
 当日は、対面で50名、オンラインで14名の参加があり、いずれの特別講演・研究報告に対して活発な質疑応答が交わされ、大変有意義な議論が展開された。さらに、閉会時には本学会副会長・青木章通氏(専修大学)より挨拶を賜った。盛況のうちに本フォーラムは無事に閉会した。

[特別講演]
◎講演者:尾畑裕氏(明治学院大学)
◎講演題目:管理会計の実務と研究のギャップを埋める研究

 本講演は①管理会計において実務と研究のギャップが生じる理由、②管理会計において実務と研究のギャップの原因類型、③管理会計において実務と研究のギャップを埋めるにはどのような研究が必要か、という3点について説明された。管理会計はそもそも企業内部の情報である。通常多くの競争情報を含むものであるために、外部への公開には大きな障壁を抱えている。この問題を解決する手段として近年筑波大学を中心に研究が進められているデータコラボレーション(DC)解析の技術とその応用研究が紹介された。

[研究報告]
第1報告
◎報告者:井上慶太氏(東京経済大学)
◎報告題目:デジタル技術を用いたマネジメント・コントロールに関する考察

 企業を取り囲むデジタル環境はIoTやAI等急速に変化している。こうした流れはマネジメント・コントロールの在り方を変化させる可能性がある。本報告ではこれまでの先行研究をレビューし、今後の研究展望を示した。

第2報告
◎報告者:王志氏(明治大学)
◎報告題目:リードタイム短縮の二面性―原価作用因と収益作用因の両視点からの検討―

 企業が利益を増大させるためには原価を削減するか収益の向上を目指すか、あるいはその両方を同時に実現することが求められる。リードタイムの削減は製造原価低減の方法として議論されてきたが、近年は収益にも影響するということが指摘されるようになった。本報告では、ケーススタディ―を行い、事例企業が行ったリードタイム短縮が企業の利益にどのようにつながったのか、原価作用因と収益作用因の二面から分析を行った。