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2015年度年次全国大会開催記

■■ 日本管理会計学会2015年度全国大会は、平成27年8月28日(金)から30(日)の3日間、近畿大学東大阪キャンパスにおいて開催された。28日には、学会賞審査委員会、常務理事会、理事会、理事懇親会が開催された。29日は、午前9時30分から4会場に分かれ、計16の自由論題報告が行われた。午後には、会員総会、特別講演に続き、統一論題報告と討論が行われた。統一論題報告終了後、午後6時すぎより、東大阪キャンパス内のブロッサムカフェにて会員懇親会が開催され、会員の懇親を深めた。翌30日は、午前9時30分から5会場に分かれ、計16の自由論題報告が行われ、これと並行して、スタディ・グループと産学共同研究グループによる報告が行われた。

■■ 学会賞
功績賞:上總康行氏(京都大学名誉教授)、小林啓孝氏(早稲田大学)
文献賞:伊藤和憲氏(専修大学)
『BSCによる戦略の策定と実行:
事例で見るインタンジブルズのマネジメントと統合報告への管理会計の貢献』同文館出版.
論文賞:木村史彦氏(東北大学)
「事業内容と利益マネジメント-利益マネジメントの業種間比較を通じて-」
『管理会計学』第23巻第1号.
奨励賞:堀井悟志氏(立命館大学)
「予算管理とイノベーションの創出」『管理会計学』第23巻第1号.

■■ 統一論題・討論「コスト・ビヘイビアと原価計算」統一論題開題.JPG
片岡洋人氏(明治大学)を座長とする統一論題報告が行われた。テーマは,「コスト・ビヘイビアと原価計算」であった。片岡洋人座長による開題の後、次の3つの報告が行われた。

■ 統一論題報告(1) :椎葉 淳氏(大阪大学大学院)
「コスト構造と企業リスク:近年の理論・実証研究からの示唆」
本報告では,企業リスクとの関係からコスト構造に関する近年の研究を概観するとともに,今後の研究の方向性について議論された。椎葉氏は,(1)経営者のインセンティブを考慮したコスト構造のモデルへの拡張,(2)生産関数としての企業理論とエージェンシー理論の融合,という二つの必要性を指摘された。

■ 統一論題報告(2) :梶原武久氏(神戸大学大学院)
「コストマネジメント行動とコスト・ビヘイビアの裏側に迫る」
本報告では,近年におけるコスト・ビヘイビア研究の展開を概観した上で,今後の研究の方向性として,(1)財務会計研究と管理会計研究の接合,(2)コスト・ビヘイビア研究とコストマネジメント研究の接合,という二つの方向性が提示された。梶原氏はそのうち(2)に注目し,その試みの一つとして,日本ロジスティックスシステム協会による物流コスト調査のデータを用いた分析結果を示した。

■ 統一論題報告(3) :新井康平氏(群馬大学)
「管理会計研究における階層線形モデル(HLM)の有用性の探求:文献レビューによる検討」
本報告では,管理会計研究・実務における階層線形モデル(HLM)の有用性を探求することを目的として,HLMを企業単位ではなく,よりミクロな単位の財務数値に適用する上での可能性と注意点が議論された。これらを踏まえて、HLMの管理会計・原価計算研究および実務への含意が議論された。

■ 統一論題討論統一論題討論.JPG
統一論題報告の後,続けて統一論題討論が行われた。各報告者による要約の報告および補足事項に続き,片岡洋人座長から問題提起がなされた。その後,参加者との活発な質疑応答が行われた。

■■ 次回の日本管理会計学会年次全国大会は、明治大学において2016年8月31日(水)から9月2日(金)にかけて開催される予定である。

2015年度全国大会実行委員会  委員長 安酸建二(近畿大学)

学会誌編集委員会からのお知らせ

日本管理会計学会会員各位

日本管理会計学会誌『管理会計学』への投稿について、以下の通りお知らせします。

1.執筆要領が改訂されました。今後投稿される方は、学会誌投稿規定に基づいて新しい執筆要領に従ってください。

→ https://sitejama.jp/?page_id=147

2.再稿(修正原稿)等の提出に関する注意事項がありますので、ご確認ください (ページの下)

 → https://sitejama.jp/?page_id=110

なお、ブラウザのキャッシュの関係で旧版が表示される場合は、キャッシュをクリアしてからご確認ください。

学会誌編集委員会

2015年度スタディ・グループ/産学共同研究グループ決定

8月28日(金)に近畿大学で開催された常務理事会において、2015年度スタディ・グループおよび産学共同研究グループについての選考が行われ、審議の結果、以下のグループの設置が承認されましたので、ここでお知らせいたします。

スタディ・グループ
研究課題:「コスト変動の把握と変動の原因解明に向けた実証的研究」
研究概要:PDF
研究代表者:安酸 建二(近畿大学)
メンバー:新井康平(群馬大学)
佐久間智広(松山大学)
福嶋誠宣(京阪電鉄不動産株式会社,神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程)
北田智久(神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程)
濱村純平(神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程)
劉 美玲(神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程)
小笠原亨(神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程)

産学共同研究グループ研究課題:「経営目標(KPI)と予算の設定及び業績予想に関する産学協同研究」
研究概要:PDF
研究代表者:清水信匡(早稲田大学)
メンバー:清水信匡(早稲田大学)
矢内一利(青山学院大学)
高橋克幸(早稲田大学)
高原康太朗(早稲田大学)
柳 良平(エーザイ(株)常務執行役CFO)

2015年度年次全国大会のプログラム掲載

日本管理会計学会 会員各位

8月28日(土)から30日(日)にかけて開催の2015年度年次全国大会の案内を掲載いたします。29日(土)の懇親会では、30kg台の近大マグロを一匹手配いたしました。懇親会へもぜひご出席ください。

また、学会直前になりますと宿泊先の確保が困難になりますので、ホテルのご予約も早めにお済ませください。

2015年度年次全国大会プログラム(PDF版)

2015年度全国大会実行委員長 安酸建二