「関西・中部部会」カテゴリーアーカイブ

2022年度第1回関西・中部部会 報告者募集のお知らせ

2022年3月2日

日本管理会計学会会員各位

 

2022年度第1回日本管理会計学会関西・中部部会
報告者募集のお知らせ

 

謹啓 
 早春の候、会員の皆様にはますますご健勝のことと拝察申し上げます。
 さて、2022年5月21日(土)に、羽衣国際大学(大阪府堺市)にて、2022年度第1回日本管理会計学会関西・中部部会を開催いたします。今後のコロナ感染状況にもよりますが、第1回関西・中部部会は、対面とWeb(Zoom)との併用での開催を考えております。
 つきましては、自由論題報告における報告者を募集いたします。ご報告をご希望の方は、2022年3月31日(木)までに、下記の要領で、奮ってご応募の程、宜しくお願い申し上げます。
 以上、何卒宜しくお願い申し上げます。

謹白

 

開催日:2022年5月21日(土)
開催校:羽衣国際大学(大阪府堺市)
応募方法:下記の(1)から(5)を明記の上、e-mailにてご応募ください。
 (1)氏名:
 (2)所属:
 (3)職名:
 (4)連絡先:
 (5)報告タイトルと要旨:
応募締切日:2022年3月31日(木)
応募先:羽衣国際大学現代社会学部 森本和義
     e-mail;kmorimoto[at]hagoromo.ac.jp
           ([at]を半角の@に変更してください。)

以上

2022年度第1回日本管理会計学会関西・中部部会
準備委員長 森本和義

日本管理会計学会2021年度 第2回関西・中部部会 開催記

2021年10月18日 齊藤毅(中京大学)

■■日付・場所
・日付:2021年10月9日(土)
・場所:Zoomミーティングによるオンライン開催(開催校:中京大学)

■■ 日本管理会計学会2021年度第2回関西・中部部会が、2021年10月9日(土)に中京大学(愛知県名古屋市)の主催により開催された(準備委員長:齊藤毅氏(中京大学))。コロナ禍の状況を受け、部会はZoomミーティングによるオンラインで実施された。
 今回の部会は、オンライン開催ということで参加のための地理的制約が無くなったこともあり、関西・中部地域だけでなく、全国から28名の参加があった。いずれの講演・報告でも、発表の後には活発な質疑応答が行われた。

■■ 第一部〔特別講演〕 司会:齊藤毅氏(中京大学)
講演者:森田大延氏(有限会社しら河 代表取締役)
講演テーマ:「コロナ禍を乗り越え、次代につなげ!ひつまぶし」

 本講演は、長年にわたって名古屋市でうなぎ専門店(ひつまぶし店)を複数店舗展開されている「しら河グループ」の代表取締役である森田大延氏をお迎えした。飲食業における日頃の取り組みだけでなく、新型コロナウイルスの感染拡大前後の業績の変化やアフターコロナに向けた将来展望等について講演頂いた。
 講演の前半では、まず、自身の経歴や社会活動、企業の概要について話された。しら河は、浄心本店、今池店、ジェイアール名古屋高島屋店(お持ち帰り専門店)、栄ガスビル店、名駅店を展開しており、通販ギフトも手掛けている。各店舗の規模や体制等を述べられるとともに、うなぎを食べる習慣の「土用丑の日」がある7~8月の売上高が最も高いと説明された。次に、会計システムについて触れられた。実際の会計数値を表示しながら、①浄心、②今池、③高島屋、④栄、⑤名駅、⑥加工場、⑦本部、⑧ギフトの8部門に分けて実施されている業績管理について説明があった。さらに、顧客管理について述べられた。しら河では、ポイントカードを発行している。カード情報に基づき、顧客の特徴として、男性より女性の割合が若干ながら多く、若年層よりも高齢者の利用率が高いことが示された。最後に、経営理念や研修制度について話された。しら河の経営理念は、「おなかもこころもまんぷく(鰻福)に」である。この理念を浸透させるための研修制度について、実際の研修資料に基づき説明がなされるとともに、生産地研修や社外研修等について話された。
 後半では、新型コロナウイルス感染拡大前後の業績の変化や将来展望について述べられた。まず、各店舗別に、2019年から2021年までの実際の業績を示しながら、その時々の意思決定や職場の状況等を交えつつ、業績の変化について細かく説明された。各店舗では、軒並み売上高が低下しており、最も落ち込んだのは第1回目の緊急事態宣言直後の2020年4~5月である。その後も苦しい時期が続いているが、一方で、持ち帰り専門店である高島屋や通販ギフトの売上高は好調であることから、全体では売上高が回復傾向にあることが示された。次に、業績の低下に伴い閉店を余儀なくされた大森(日本料理)について述べられた。閉店時の経緯や従業員・女将とのやり取りについて話された。最後に、アフターコロナに向けた将来展望について触れられた。具体的には、既存事業を強化しつつも多角化を視野に入れて、事業を拡大していきたいと話された。また、コロナ禍においては政府の助成金をはじめとして周囲に助けられたことから、コロナ後に社会に貢献することで恩返しをしていきたいと所信を表明された。 
 講演の後には、参加者から多くのご質問を頂き、活発な質疑応答が行われた。

■■ 第二部〔研究報告〕 司会:窪田祐一氏(南山大学)
■ 第1報告
報告者:今井範行氏(名古屋国際工科専門職大学教授)
論題:「デザイン思考に対応したITコスト管理に関する一考察-KINTOの事例を中心に-」

 本報告では、デザイン思考に対応したITコスト管理について、トヨタのKINTOの事例に基づき考察された。モノのサービス化の進展により、多くの業界で、製品単品売り切り型からサブスクリプションモデルへの転換が進行している。同モデルでは、サービス提供のためのシステムのUX向上が競争力の鍵を握ることから、デザイン思考にもとづくシステムのモード2開発が興隆している。それにともない、多くの業界で、システム開発体制の変革が進行しつつある。すなわち、①アウトソーシング(外注)から自前(内製)への体制変更、②デジタル専門人材の採用・囲い込み・処遇改善・戦略組織化の進行である。
 報告者によれば、ITコスト管理の変更として、製品単品売り切り型では新車投入時の一時コスト(外注費、変動費)を新車の販売収益から一時回収(早期回収)することが求められるが、サブスクリプションモデルではUX向上のための継続コスト(内製費、固定費)を、サブスクのサービス収益から継続回収(長期回収)することが求められる。また、システム開発拠点の開設費、人材採用費、新会社設立費等の体制移行費用は巨額となるため、通常予算とは別枠の戦略予算化が必須である。さらに、モノのサービス化に連動した(IT コスト)変動費の固定費化、回収長期化によるIT コスト管理のリスク度合いの増大について検討する必要があると報告された。

■ 第2報告
報告者:足立洋氏(県立広島大学准教授)
論題:「中小企業における後継者確保の可能性と管理会計-後継者確保状況と管理会計実態に関する探索的研究-」

 本報告では、中小企業における後継者確保状況と管理会計実態について、広島県呉市におけるアンケート調査に基づき考察された。近年、中小企業における事業承継プロセスの円滑化における管理会計の有用性が指摘されている。具体的には、管理会計システムから生み出される会計情報が社内の共通言語となって、意思疎通の改善に寄与する点などが挙げられている。一方、日本ではそもそも後継者を確保できていない中小企業も多い。廃業予定企業と事業承継の意向があっても後継者が未定の企業を合わせると、全体の7割に及ぶにもかかわらず、これらの企業における管理会計実践の実態は、ほとんど明らかになっていない。報告者は、上記の問題意識のもとで、管理会計の利用実態に程度の違いがあるのか、あるとすればどのような違いがあるのかという検討課題について考察した。
 報告者によれば、アンケート調査結果に基づくと、後継者が確保できている中小企業と後継者を探しているが未定の中小企業は、廃業予定の中小企業に比べて、業績管理会計、資金管理、投資管理、外部者との情報共有について、平均値に有意な違いがみられた。この結果により、後継者を確保するために組織存続に向けて組織全体で計画に基づいたPDCAを回すことを心掛けている可能性が示唆された。また、管理会計実践が部分的に外部者によって担われているという中小企業の実態を踏まえると、上記のプロセスの一部は、事業の運営や承継に関する外部者との相談のプロセスの中で担われている可能性があると報告された。

2021年度第2回関西・中部部会開催のお知らせ

2021年9月9日

日本管理会計学会会員 各位

2021年度第2回関西・中部部会開催のお知らせ

 日本管理会計学会2021年度第2回関西・中部部会(開催校:中京大学)のプログラムが確定しましたのでご連絡申し上げます。今回は、ゲストスピーカーとして、長年にわたって名古屋市でうなぎ専門店(ひつまぶし店)を複数店舗展開されている「しら河グループ」の代表取締役である森田大延氏をお迎え致します。飲食業界は、新型コロナウイルス感染拡大による経営への影響が大きい業界です。講演では、感染拡大前後の業績の変化やアフターコロナに向けた将来展望を中心に、従業員教育や業績評価制度など、多岐にわたる内容についてお話しを伺う予定です。
 部会は、新型コロナウイルス感染再拡大の影響に鑑み、前回に引き続き Zoom によるWeb 開催となりましたので、万障お繰り合わせのうえご出席下さいますよう、ご案内申し上げます。多くの会員の皆様のご参加をお待ちしております。

  1. 開催日時:2021年10月9日(土)13時30分~16時45分
  2. 開催方法:オンライン(Zoom ミーティング)
  3. 参 加 費:無料
  4. プログラム:
    13:30~13:35 部会の進行方法の説明:部会準備委員長
    13:35~13:40 開催の辞:関西・中部部会長

 

第一部〔特別講演〕司会:齊藤毅氏(中京大学)
■13:45~14:45 ゲストスピーカーによる特別講演
 講演者:森田大延氏(有限会社しら河 代表取締役)
 講演テーマ:「コロナ禍を乗り越え、次代につなげ!ひつまぶし」

 

【講演者プロフィール】

【会社概要】

森田 大延(もりた ひろのぶ)
・1975年11月5日生まれ
・1998年3月  中京大学経営学部卒業
・1998年4月  株式会社木曽路入社
・1999年5月  有限会社しら河入社
・2008年10月 総務企画室長就任
・2011年10月 専務取締役就任 
・2015年6月  代表取締役就任 現在に至る

商  号:有限会社しら河
設  立:1989年11月28日
従業員数:正社員75名,パート社員200名
店  舗:浄心本店
     今池店
     ジェイアール名古屋高島屋店
     栄ガスビル店
     名駅店

 

■14:45~15:05 講演への質疑応答

 15:05~15:15 休憩

第二部〔研究報告〕司会:窪田祐一氏(南山大学)
■第1報告 15:15~15:55(報告30分、質疑10分)
 報告者:今井範行氏(名古屋国際工科専門職大学教授)
 論題:「デザイン思考に対応したITコスト管理に関する一考察―KINTOの事例を中心に―」
■第2報告 16:00~16:40(報告30分、質疑10分)
 報告者:足立洋氏(県立広島大学准教授)
 論題:「中小企業における後継者確保の可能性と管理会計」

16:40~16:45 閉会挨拶:部会準備委員長

  1. 参加申込方法・問合せ先:

(1) 申込締切日:2021年10月2日(土)
(2) 申込方法: 参加ご希望の方は、表題に「関西・中部部会参加希望」、本文中に「氏名」「所属機関」「連絡先電子メールアドレス」を明記のうえ、締切日までに下記メールアドレスまでご連絡下さい。
(3) 連絡・問合せ先:中京大学 経営学部 齊藤毅
 E-mail: t-saito[at]mecl.chukyo-u.ac.jp([at]を半角の@に置き換えてください)
(4) 参加申込のご連絡をいただいた方に、参加申込締切日以降に、Zoom 情報(URL、ミーティング ID、パスコード)をお送り致します。なお、Zoom情報の連絡をもって、参加申込のメールへのお返事に代えさせて頂きます。

6. その他:
懇親会は開催致しません。プログラム等に変更がある場合は、後日、Webサイトhttp://sitejama.jp/ に掲載致します。

以上

2021年度第2回日本管理会計学会関西・中部部会
準備委員長 齊藤毅

 

2021年度第2回関西・中部部会(Web開催)報告者募集のお知らせ

日本管理会計学会会員各位                2021年7月18日

2021年度第2回関西・中部部会(Web開催)報告者募集のお知らせ

 新型コロナウイルス禍の状況を鑑みて、日本管理会計学会2021年度第2回関西・中部部会(開催校:中京大学)は、先の2021年度第1回部会に引き続き、ZoomによるWeb開催とさせていただくことになりました。つきましては、10月9日(土)午後の開催に伴い、自由論題報告における報告者を募集致します。希望される方は、下記の要領をご参考のうえ、奮ってご応募いただきますようお願い申し上げます。
 ただし、プログラムの都合ならびに希望者数の如何により、ご報告のご希望に沿えない場合もあり得ますことを、予めご了承ください。なお、プログラムの詳細は、後日改めてご案内させていただきます。

                                         

               記

開催日時:2021年10月9日(土)13時30分開始(予定)
ホスト校:中京大学

<応募要領>
1. 締切日:2021年8月22日(日)
2. 応募方法:下記を明記の上、メールにてご応募ください。
  (1)報告タイトルと概要(200~300字程度):
  (2)氏名:
  (3)所属機関:
  (4)職名:
  (5)連絡先:
3. 応募先:中京大学 経営学部 齊藤毅
 t-saito[at]mecl.chukyo-u.ac.jp([at]を半角の@に置き換えてください)

2021年度第2回日本管理会計学会関西・中部部会
準備委員長 齊藤毅

日本管理会計学会2021年度 第1回関西・中部部会 開催記

2021年5月29日|緒方勇(関西学院大学)

■■日付・場所
・日付:2021年5月29日(土)
・場所:Zoomミーティングによるオンライン開催(開催校:関西学院大学)

■■ 日本管理会計学会2021年度第1回関西・中部部会が、2021年5月29日(土)に関西学院大学(兵庫県西宮市)の主催により開催された(準備委員長:徳崎進氏(関西学院大学))。コロナ禍の状況を受け、部会はZoomミーティングによるオンラインで実施された。
 今回の部会は、オンライン開催ということで参加のための地理的制約が無くなったこともあり、中国・四国・北陸・中部などのほかに、関東からも多数のご参加を頂き、参加者は全体で35名であった。いずれの講演・報告でも、発表の後には活発な質疑応答が行われた。

■■ 第一部〔特別講演〕 司会:徳崎進氏(関西学院大学)
講演者:井上浩一氏(日本公認会計士協会(JICPA)本部理事)
講演テーマ:「近年の会計不正の動向と不正調査における問題点」

 本講演は、長年にわたって国際会計教育の推進及び会計プロフェッションによる企業価値や無形資産評価などの高度な実務指針の制定に貢献してこられた日本公認会計士協会(JICPA)本部理事の井上浩一氏をお迎えし、近年の会計不正の動向と不正調査における問題点について御講演頂いた。
 講演では、まず、日本公認会計士協会不正調査専門委員会の活動、及び2013年9月公表の「不正調査ガイドライン」の構成について説明が行われた。「不正調査ガイドライン」とは、現在一般的に不正調査業務で利用されている概念、手続及び手法についてガイドラインとして取り纏めたものである。
 次に、近年の上場会社等における会計不正の動向について、発生件数、不正の類型と手口、業種の内訳、上場市場の内訳、発覚経路や不正の関与者などについて、多数のデータを示しながら説明された。一般に、不正行為は動機、機会、正当化の3不正リスク要因がすべてそろった時に生じると考えられているが、講演で示されたこれらのデータは、この問題を考える上で大いに参考となるものである。
 最後に、日本公認会計士協会(経営研究調査会)が2019年7月に公表した経営研究調査会研究報告第65号「近年の不正調査に関する課題と提言」の内容について解説された。これは、不正調査業務において、「不正調査ガイドライン」が不正調査人に十分尊重されていない事例もあると思われることから、作成されたものである。そこでは、「問題がある不正調査」に関する課題が分かるように事例を創作し、提言として解説している。
 また、より近年のトピックとして、コロナ禍におけるリモート監査・不正調査における問題点についてもご説明された。
 講演の後には、参加者から多くのご質問を頂き、活発な質疑応答が行われた。

■■ 第二部〔研究報告〕 司会:緒方勇氏(関西学院大学)
■ 第1報告
報告者:根本萌希氏(浙江大学博士研究生)、黄英氏(浙江大学教授)
論題:「管理会計におけるコミュニケーションモデルの再提案」
    “Re-proposing the Communication Model in Management Accounting”

 本報告は、管理会計情報が企業の構成員間でどのように伝達されるかという、コミュニケーションプロセスの問題を、記号論の手法で理論化・可視化したものである。
 これまで、会計コミュニケーションに関する研究は、財務会計領域では比較的多く行われてきたが、管理会計領域ではようやく近年になって注目されるようになってきたばかりで、研究蓄積があまりない。
 根本氏は、言語学者Jakobsonのコミュニケーションモデルで示された6つの構成要素(発信者、コンテクスト、メッセージ、接触、コード、受信者)を、管理会計におけるコミュニケーションに適するように修正したモデルを報告された。
 この修正された管理会計情報のコミュニケーションモデルは、管理会計の導入ないし運用における問題点の洗い出し・改善などに役立つものであり、今後は企業ケーススタディなどの実証研究を蓄積することが重要である。

■ 第2報告
報告者:小村亜唯子氏(神奈川大学特別助手)、伊藤大真氏(中央労働金庫)、平井裕久氏(神奈川大学教授)
論題:「予算目標の困難度、達成志向的ワークモチベーション、予算業績に関する定量的研究」

 本報告は、予算目標の困難度と予算業績の間の媒介変数として、ワークモチベーションに注目し、この3つの要素の関係を企業へのアンケート分析により調査したものである。
 これまで、予算目標と予算業績の関係に関わる研究は数多く行われてきたが、あまり一貫した結果は得られていない。
 小村氏は、この一貫性のない研究結果は、予算目標の困難度と予算業績の間をワークモチベーションが媒介しているから、との考えに基づきアンケート分析を行われ、分析の結果、予算目標の困難度は達成志向的ワークモチベーションに対して正の影響を与えること、達成志向的ワークモチベーションは予算業績に対して正の影響を与えること、そして達成志向的ワークモチベーションは、予算目標の困難度と予算業績の関係を部分媒介すること、が判明したことを報告された。
 今後は予算参加やインセンティブシステムなどの要素をモデルに組み込むなどすることが重要である。