会長挨拶

2024年4月1日

会長就任,1年を振り返って


会長 﨑章浩(東京国際大学)

 会長に就任してはや1年が過ぎました。新型コロナウイルス感染症の一応の収束とともに,全国大会だけでなく,フォーラム,企業研究会,リサーチセミナー,地方部会を本来のかたちで開催することができました。執行部の先生方をはじめ,常務理事,理事の先生方,監事の先生方,参事の先生方,ならびに会員の皆様方のご協力,ご支援の賜物と感謝しております。この場を借りて,厚く御礼申し上げます。
 さて,就任にあたって,社会に開かれた学会をモットーに,社会への貢献,学会の発展,ならびに会員の先生方の研究活動の充実,とくに産学連携による地域経済の発展への貢献を目標に掲げてきました。そのために3つの短期目標と,3つの中期目標を掲げました。
 短期目標の一つ目は,管理会計の理論と実務の幅広い普及と定着を目指し,(一社)日本記念日協会に「管理会計の日」を登録することと,学会のロゴマークを作成することでした。記念日については,提案者の水野一郎氏のご尽力により,9月13日を「管理会計の日」として登録することができました。また,小酒井正和氏のご尽力により学会のロゴマークを作成することができました。お二人の先生にはこの場を借りて御礼申し上げます。
 二つ目の短期目標は,規程の改正でした。これについては,「学会誌編集委員会運営規程」「スタディ・グループ研究規程」「産学共同研究グループ規程」「学会賞規程」等を改正し,さらには,「会則」の付則を改正して,非会員のフォーラム等への参加を可能にしてきました。会員の増加に繋がることを期待しています。なお,「学会賞規程」の改正については,ご尽力いただいた「学会賞審査委員会」委員長の澤邉紀生氏にこの場を借りて御礼申し上げます。
 三つ目の短期目標は,学会の業務に携わっていただいている参事の先生方への学会出張費等の一部助成などを通じた研究活動支援です。この点についても,理事会,常務理事会,総会の承認をえて,一定の金額を予算として計上することができました。
 中期目標の一つ目は,社会への貢献,地域経済の発展への貢献です。これは「会則 第3条 目的」に「経営管理実務の指導・改善に資することを目的とする」と掲げていることにかかわるものであり,地域の商工会などの非営利団体や,人財が不足している中小企業,中堅企業の方々と産学連携の道を探り支援することを考えています。そのために,昨年度の年次全国大会の統一論題において「中小企業管理会計の現状と課題」をテーマに議論していただきました。また,地域の商工会との連携についても一部で話が進んでいます。
 二つ目は,会員数の増大です。これについては,企業にお勤めの方々,および中小企業とかかわりがある税理士や公認会計士の方々の会員数の増大を図りたいと考えています。さらには,昨年,年会費の実質的増額が承認されました賛助会員を増大することにより財政基盤を拡充したいと考えています。個人会員,賛助会員の増大の方策については,「実務家交流委員会」委員長の丹羽修二氏を中心に検討していただき,今年度中に,増大案を常務理事会,理事会,総会について諮りたいと考えていますので,よろしくお願いいたします。
 三つ目の中期目標は,機関誌『管理会計学』についてです。歴代の編集委員長のご尽力により質量ともに大変充実してきましたが,他方で,編集委員長を始め,編集副委員長,編集委員,編集担当参事の先生方の業務がかなり負担になってきています。そこで,「学会誌編集委員会」委員長の園田智昭氏を中心に委員会で議論を重ねていただき,「学会誌編集委員会運営規程」等の改正案を作成していただきました。改正案は,昨年の第2回常務理事会,第3回常務理事会で議論していただき,常務理事会,理事会,総会で承認を得ることができました。したがって,この三つ目の中期目標については達成することができました。この場を借りて,園田委員長を始め,編集委員会の先生方には御礼申し上げます。
 今後2年間は,社会に開かれた学会をモットーに,さらに社会の発展,地域経済の発展への貢献,および会員,とくに実務家会員の増大の達成に向けて注力し,学会の発展に少しでも貢献できればと考えています。今後ともご支援,ご協力のほど何卒よろしくお願い申し上げます。