日本管理会計学会九州部会 2023年度第1回(第64回)大会 報告者募集のお知らせ

2023年3月吉日

日本管理会計学会九州部会
2023年度第1回(第64回)大会
報告者募集のお知らせ

謹啓

時下、会員の皆様には益々ご健勝のことと存じます。
さて、2023年5月20日(土)に、下関市立大学(山口県下関市)にて、日本管理会計学会九州部会2023年度第1回(第64回)大会を開催いたします。
コロナ感染状況や開催校の都合に応じて、対面・オンライン・ハイブリッドのいずれかの方法で実施いたします。
報告を希望される方は、2023年3月31日(金)までに、下記の要領で、九州部会事務局宛にe-mailにてお申し込みください。

(1)氏名、所属、職名
(2)連絡先電話番号、メールアドレス
(3)報告タイトル、報告要旨

謹白

日本管理会計学会九州部会事務局:
〒819-0395 福岡市西区元岡744 イーストゾーン
九州大学経済学研究院 丸田起大研究室内
TEL: 092-802-5454
e-mail: maruta[at]econ.kyushu-u.ac.jp
([at]を半角の@に変更してください)

日本管理会計学会2023年度年次全国大会開催と自由論題報告者募集のお知らせ

2023年2月吉日

日本管理会計学会 
会員各位

日本管理会計学会 2023年度年次全国大会 
 大会準備委員長 東北工業大学 川島 和浩

日本管理会計学会2023年度年次全国大会開催と自由論題報告者募集のお知らせ

拝啓 向春の候、会員の皆さまにおかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 さて、日本管理会計学会2023年度年次全国大会を東北工業大学八木山キャンパスで開催いたします。つきましては、自由論題の報告者を募集いたします。報告をご希望の方は、下記3.の事項を記載の上、期日までにお申し込みください。ただし、会場等の都合上、ご希望に添えないこともございます。また、大会は対面形式で準備を進めておりますが、コロナ禍の影響で、オンライン形式になることもございます。これらの点、予めご了承ください。

敬具

 

1.開催期間:2023年8月28日(月)~30日(水)
  ※自由論題報告は8月29日(火)と30日(水)になります。

2.会場:東北工業大学八木山キャンパス 
    (宮城県仙台市太白区八木山香澄町35番1号)
   統一論題タイトル「中小企業管理会計の現状と課題」
   座 長:山口 直也 先生(青山学院大学)
   報告者:本橋 正美 先生(明治大学)
   飛田   努 先生(福岡大学)
   牧野 功樹 先生(拓殖大学)

3.自由論題申込(締切2023年5月12日(金)
 (1)E-mail件名「自由論題申込(応募者氏名)」
 (2)ご氏名・ご所属・職位・E-mailアドレス・電話番号
 (3)報告論題・報告要旨(200字程度)・キーワード5つ程度
 (4)利用機器、ソフトウェアなど発表の方法
 これらを明記のうえ、jama2023tit[at]gmail.com([at]を半角の@に変更してください。)までお申し込みください。

4.フル・ペーパー(ワーキング・ペーパー)の様式と提出
(1)本大会では、自由論題報告の活性化を目的に、8月10日(木)を締切としてフル・ペーパー(ワーキング・ペーパー)のご提出をお願いしております。
(2)フル・ペーパーの作成に当たっては、日本管理会計学会の学会誌執筆要領(https://sitejama.jp/?page_id=147)に概ね準拠してください。
(3)フル・ペーパーのご提出方法につきましては、自由論題のご報告者が決定した後に、ご報告者各位に個別にご連絡させていただきます。
(4)ご応募いただいたフル・ペーパーは、学会員に限定してウェブ上からダウンロードできるようにしますことをご了承ください。

以上

日本管理会計学会        
2023年度年次全国大会準備委員会

〒982-8588         
宮城県仙台市太白区二ツ沢6番
東北工業大学長町キャンパス
川島和浩研究室気付
Tel 022-304-5554
jama2023tit[at]gmail.com
([at]を半角の@に変更してください。)

東北工業大学アクセスマップ
https://www.tohtech.ac.jp/access/

日本管理会計学会2022年度 企業研究会「サエラ薬局の経営管理」のご案内

 日本管理会計学会会員の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。2022年度の年度末の時期ではございますが、本件企業研究会は、丹羽修二様(日本経営)のご協力により、対面実施の方法で開催いたします。参加ご希望の方は、下記申込方法により、メールにて申し込んでください。

日時:2023年3月3日(金)14:00~16:00
(報告14:05~15:25:80分:動画による店舗説明も含む:5分休憩後、質疑30分)当日は、13:30(30分前)から受付(参加者の確認)をさせていただきます。当日は、現地集合・現地解散です。

場所:サエラ薬局 本社会議室
大阪府大阪市中央区本町2-2-5 本町第2ビル3階・本社会議室

テーマ:「サエラ薬局の経営管理」
(コロナ禍の運営、在庫管理、人事管理、理念経営などについても取り上げていただけます。)

講師:株式会社サエラ 代表取締役社長 小池由久 様(補足説明は担当役員の皆様)
店舗が本社から離れているため、店舗見学は行わず、動画による店舗の状況説明

司会・進行:日本管理会計学会・企業研究会担当副会長 田坂 公(福岡大学)

本社への道順:別添の「本町第2ビル アクセス」を参照してください。

本町第2ビルの外観

 

 

 

 

 

申込方法
募集人数:30名以内(申し込み順)
募集期間:1/16(月)2/6(月)23:00まで
参加申込:本橋正美(明治大学)のメールアドレス motohashim21●gmail.com へメールで申し込んでください。●→@(アットマーク)に変えてください。メールの件名は「企業研究会参加申込(氏名)」とし、氏名、所属、メールアドレス、携帯電話番号を記入してください。メールの受信確認の本橋からの返信は翌日に行います。参加者(申込者)のリスト(氏名、所属、メールアドレス、携帯電話番号)を作成し、実施日の1週間前に丹羽修二様、小池由久様へ提出いたします。

 実施日当日は、時間に余裕を持ってご参加ください。また、当日キャンセル(不参加)はしないようにお願いいたします。万が一、当日不参加の場合でも、本橋から連絡はいたしませんので、ご了承ください。コロナ感染対策は各自で行ってください。なお、参加申込後、辞退される場合は、実施日前日3月2日(木)23:00までに上記の本橋宛にメールでお知らせください。

以上

PDFファイルは、こちら

2022年度第2回リサーチセミナー開催記

2022年11月27日
園田学園女子大学 北田 真紀 

 2022年度第2回リサーチセミナーは、成蹊大学を開催準備校(準備委員長:成蹊大学 伊藤克容氏)として、日本原価計算研究学会との共催で2022年11月27日(日)14時~16時にZoomを用いてオンラインで開催されました。当日の参加者は約44名であり、伊藤克容氏(成蹊大学)の司会により進められました。日本管理会計学会・副会長の椎葉淳氏(大阪大学)より開会の挨拶が、日本原価計算研究学会・会長の挽文子氏(一橋大学)より閉会の挨拶がありました。第1報告は増岡慶次氏(大阪市立大学経営学研究科、大学院生)および屋嘉比潔氏(大阪公立大学経営学研究科、大学院生)、第2報告は飯塚隼光氏(京都大学経営管理大学院特定助教)、佐藤晃史氏(京都大学経営管理大学院、大学院生)および飛田努氏(福岡大学商学部准教授)でした。また、討論者として、第1報告に対しては安酸建二氏(近畿大学)、第2報告に対しては清水孝氏(早稲田大学)から、それぞれ研究内容について講評と今後の研究の改善に役立つコメントが数多くなされました。いずれの研究報告におきましても、フロアからもコメント・質問が多くあり、活発な議論が行われました。

第1報告
報告者:増岡慶次氏(大阪市立大学経営学研究科,大学院生)
屋嘉比潔氏(大阪公立大学経営学研究科,大学院生)
討論者:安酸建二氏(近畿大学)
報告論題:保守主義推定におけるコスト下方硬直性の交絡効果:Banker et al.(2016)の追試

 第1報告では、保守主義の推定においてコスト下方硬直性が交絡要因となるかどうかを検証することを目的とし、Banker et al.(2016)の結果を、日本の上場企業のデータを用いた追試が行われました。また、経営者所有権と保守主義の関係を検証した Shuto and Takada(2010)の分析について、コスト下方硬直性をコントロールした保守主義推定モデルを用いて再現テストも行われています。
条件付保守主義の推定においてコスト下方硬直性が交絡要因となることを報告しているBanker et al.(2016)の追試を行うにあたり、Banker et al.(2016)の概要と分析モデルについて説明し、追試の意義を示しています。具体的には、Banker et al.(2016)の追試研究として18か国をサンプルに用いたFourati et al.(2020)があるが、このサンプルには日本が含まれていないということ、および次の2つの条件に基づきBanker et al.(2016)の修正モデルを用いた先行研究をカウントし精査しています。
1. Basu(1997)をベースとしたBanker et al.(2016)が提案する保守主義推定モデルを用いている。
2. その他の保守主義推定モデルを用いている場合で、Banker et al.(2016)を根拠として売上高の変化をコントロールしたモデルを用いている。
 日本の上場企業を対象とした追試より、保守主義の推定においてコスト下方硬直性をコントロールしなければ、保守主義の推定値に20%前後の上向きのバイアスがかかるという分析結果が得られています。この結果より、Banker et al.(2016)と同様に、保守主義の推定において交絡効果が生じていることが示されました。
またBanker et al.(2016)は、保守主義推定においてコスト下方硬直性の交絡効果をコントロールすることの重要性を示すために、経営者の株式保有比率と保守主義の関係について検証した Lafond and Roychowdhury(2008)の分析について、コスト下方硬直性をコントロールした保守主義推定モデルを用いて再検証していることが示されました。そこで、Lafond and Roychowdhury(2008)の結果について、分析内容を拡張し日本のデータを用いて再現し、経営者所有権と保守主義の関係について検証した Shuto and Takada(2010)の再現テストを実施しています。再現テストの結果、コスト下方硬直性をコントロールした場合に、Shuto and Takada(2010)の分析結果は頑健ではなくなるという知見が示されました。これらの結果より、日本のデータを用いた保守主義に関する研究において、コスト下方硬直性が交絡要因となる可能性を示唆しています。

第2報告
報告者:飯塚隼光氏(京都大学経営管理大学院特定助教)
佐藤晃史氏(京都大学経営管理大学院,大学院生)
飛田努氏(福岡大学商学部准教授)
討論者:清水孝氏(早稲田大学)
報告論題:希少な研究用資産を製造する中小企業のシンプル管理会計:単品・製造期間1年超の製品製造のマネジメント

 第2報告では、希少な研究用機械をオーダーメイドで製造する企業B 社においてどのような管理会計が構築されているのかということについて、社長へのインタビュー調査により明らかにされました。B 社では月次や年次を前提としたような経営計画や予算といった管理会計が構築されていないが、その代わりに資金繰りの管理とプロジェクトごとのコスト計算が行われていたことが示されました。また、新規受注を抱えていない状態にも関わらず、現場から設備投資を求められるような「ここは締めないと」といった場合には、平常時開示していない決算情報を従業員に共有し、会社の状況を伝える経営会議のような会議が不定期に開催されているという実態も事例により示されました。このような特徴をもつ一方で、資金繰りの管理とプロジェクトごとのコスト計算が行われていることが説明されました。資金繰りの管理については、B社の特徴的なビジネスモデルを理解し、長期的な観点に立てる金融機関と取引していることが事例とともに示されました。またB社においてプロジェクトの採算を大きく左右するものは材料費であることも説明がなされました。このような管理会計の仕組みを、おさえるべきところをおさえ、狙いが絞れたシンプルなものであるという視点から、シンプル管理会計ととらえられています。
 本研究の貢献として、2点示されています。第 1 に、先行研究 として挙げられた建築業との比較により、B社のケース分析を通して、通常管理会計が想定する年次、月次といった単位では管理しえないビジネスモデルにおける管理会計実践を明らかにされました。第 2 に、B 社で行われているようなシンプルな管理会計実践を成立させている要因は何であるかという点についても議論し明らかにされました。この点については討論においても活発な議論が繰り広げられました。

 

2022年度第2回(第63回)九州部会開催記

2022年11月26日(土)13:55~17:10

■■ 日本管理会計学会九州部会2022年度第2回(第63回)大会が、2022年11月26日(土)13:55~17:10に、長崎大学経済学部(長崎市)において、ハイブリッド方式(対面参加+オンライン参加)で開催された(準備委員長:小野哲氏)。今回の九州部会では、全国から約40名(うち対面出席15名)の研究者・学生の参加を得て、いずれの報告においても、フロアやオンラインとの活発な質疑応答が展開された。

■■ 第1部の特別講演では、塩塚武氏(株式会社不動技研ホールディングス代表取締役社⻑、長崎大学大学院経済学研究科修士課程修了)により、「不動技研グループの生き残り戦略」と題する講演が行われた。本講演では、不動技研グループ(プラント設計や自動車電子電装品開発、システム開発をはじめとした 4 社からなるエンジニアリング企業グループ)の生き残り戦略について、「事業環境の変化」に対して「M&A」「組織再編」「PMIプロジェクト」「自治体新電力への出資」「第7次中期経営計画」という観点から紹介された。
塩塚氏は、今後の課題として、ITソリューションのサブスクリプションサービスなどの新しい事業分野を進めていくための原価計算導入、さらにグループ全体の業績管理の必要性から、目標設定を各事業所に任せている現状の体制から、今後はホールディング全体で管理ができる体制へ転換していくことが必要であるとされた。最後に、塩塚氏はこれからの社会環境を踏まえ、不動技研グループが生き残るためには、M&Aや組織再編、人事管理も含めた業績管理、さらに経営の意思決定プロセスの構築を検討していくことが重要であると述べられた。

■■ 第2部の研究報告では、第1報告として、木村眞実氏(⻑崎大学准教授)より、「自動車解体業の原価計算−資源循環型社会に向けて−」と題する報告が行われた。本報告は、資源循環型社会の構築を経済戦略として進める「サーキュラーエコノミー(CE: Circular Economy)」を理解し、CEにおける自動車解体業の原価計算を検討・提案することを目的としていた。
 報告者は、CEが経済戦略として進められており、経済システム、財・サービスの考え方が転換しつつあるため、CEのもとでの自動車解体業に適した原価計算について示された。社会的なコストを含めた「費用収益分析」は、プロジェクトを選択するための、プロジェクトを評価する手法であるが、総費用・総便益・純便益の計算は、CEにおける自動車解体業の原価計算に適しており、効果としては最終処分場の延命効果、GHG排出量の削減等が想定されると提言された。


■■ 研究報告の第2報告として、大下丈平氏(下関市立大学特命教授)より、「19 世紀末フランス工業会計論の再検討−サン・シモン主義とコント実証主義−」と題する報告が行われた。本報告は、フランス工業会計論の研究に関して、サン・シモンの産業主義とオーギュスト・コントの実証主義をめぐる19世紀末の社会思想史の研究成果をもとにした分析視角から、当時の社会経済状況の中で醸成された社会思想がA.C.ギルボーらの「工業会計論」や会計学の一般原理の生成・発展に影響を与えたという仮説のもとに考察された。
 報告者は、渋沢栄一を契機として、ギルボー「工業会計論」とレオティ=ギルボー「勘定科学論」に関して、その展開と意義を提言されたうえで、さらなる問題提起として、科学的・原理的思考と動態論との関連、動態論と統一的原価計算との関連、H.ブッカンの統合モデルを提案する能力と勘定の結合性の関連を今後の課題として示された。

水野真実(熊本学園大学)