杉山善浩(甲南大学)
2023年11月18日(土)、2023年度第2回関西・中部部会(準備委員長:杉山善浩)が甲南大学岡本キャンパスにてハイブリッド方式(対面+オンライン)で実施されました。以下は、その内容になります。
特別講演 福島高司(株式会社 神戸製鋼所 品質統括部長)
講演テーマ KOBELCO TQM活動のご紹介
KOBELCOグループにおけるTQMの実践例として、「KOBELCO TQM」活動が紹介されました。KOBELCOグループには、素材系、機械系、電力など多様な事業があり、各事業でのTQM活動状況は異なってはいますが、グループ企業理念の下、お客様や社会に対して「信頼される品質」、更には「喜ばれる品質」が提供できる「強くて、よい会社」を目指しています。現場の困りごとを解決するキャラバン隊活動、風化防止へも繋がるKOBELCO約束の場・約束の日、品質ガイドライン(グループで守るべきルール)を基にしたSDCA体制の構築、品質失敗コスト管理、TQM活動の要となるミドル層への研修・実践、ROIC向上のためのKPIマネジメントなど、KOBELCO流を追求しており、その実践状況を紹介していただきました。
第1報告 小笠原 亨(甲南大学経営学部 准教授)
論 題 混雑コストの認識ギャップに関する一考察
混雑コストは、企業のキャパシティが圧迫されることで追加的に発生するコストです。もし、キャパシティの圧迫が当期の費用増加だけでなく、機会コストや事故のリスクといった会計項目に直接反映されないコストも増加させるのであれば、経営者は会計数値から、どの程度の混雑コストが発生しているか見積もることが難しくなります。この場合、経営者と現場で混雑コストに関する認識ギャップが生じる可能性があります。本報告では、このような認識ギャップについて企業の事例を踏まえて重要な指摘をしていただきました。
第2報告 打田昌輝(神戸大学大学院経営学研究科 大学院生)
論 題 新型コロナウイルス感染症禍におけるマネジメント・コントロール
新型コロナウイルス感染症禍において、企業や経営者のクライシスの認識がマネジメント・コントロールに影響を与えたのか、クライシスの認識によってマネジメント・コントロールがどう変化したのか、また、その変化が事業の創出や撤退、財務/非財務業績にどのような影響を与えたのかについて、後日実施予定の質問票調査に先立ち、先行研究の整理や仮説の導出を行い、予想される結果を提示していただきました。
部会終了後、甲南大学岡本キャンパス内のHirao Dining Hallに場を移して懇親会を開催しました。学校法人甲南学園 長坂悦敬理事長のご挨拶の後、次回の関西・中部部会開催校の窪田祐一氏(南山大学)による乾杯のご発声で始まり、会員各位の懇親と部会での議論が続きました。懇親会の中締めで、関西・中部部会長の徳崎 進氏(関西学院大学)にご挨拶を賜った後、懇親会は終了しました。多数の皆さまに、対面およびオンラインでご参加いただき誠にありがとうございました。