第2回リサーチセミナーのご案内

日本管理会計学会会員 各位
 
平素より学会の活動にご協力をたまわり誠にありがとうございます。第2回リサーチセミナーを,日本原価計算研究学会との共催で,2023年12月9日(土)にオンライン(Zoom)で開催いたしますので,参加申込方法とプログラムのご案内を申し上げます。
 
 
開催日時:2023年12月9日(土)14時00分開始 16時00分終了(予定)
開催方法:オンライン(Zoom)
会費:無料
 
参加申込方法:下記のGoogleフォーム(お名前,ご所属,メールアドレス)にてお願いします。
 
 
参加の申込みをされた方には,後日,ZoomのURLをお送りします。(*数日前までのご登録にご協力お願いいたします。)
 
<プログラム>
14:00-14:05 開催挨拶および進行方法の説明
 
14:05-15:00 第1報告(報告時間30分,討論15分,質疑10分)
報告者:小泉友香先生(共立女子大学)
討論者:木村麻子先生(関西大学)
報告タイトル: 会計学領域におけるSDGs関連の諸外国での研究動向とそれらの海外の大学教育現場での導入状況についての調査(テキストマイニング・アクティブリーディング活用例)
概要:本研究は原価計算・管理会計学の学術領域におけるSDGsへの取り組みの動向を明らかにすることを目指し、具体的にはSSRN(Social Science Research Network)の論文データベースに掲載された最近の学術論文をテキストマイニングの手法を用いて選択・分析し、海外の会計学者が提唱する最新の重要な議論やテーマ5つが特定された。続いて、これらが海外の大学の会計学部・修士課程でどのように採用・導入されているかを分析し、「研究」と「教育」の間のギャップとその架け橋を探った。具体的には、欧米で広く使われているHorngrenの原価計算・管理会計学テキストにおいて、各テーマがどこでどのように導入されているかを調査し、アクティブリーディング型ソフトであるLiquidTextの利用方法を提示している。
 
15:00-15:05 休憩
 
15:05-16:00 第2報告(報告時間30分,討論15分,質疑10分)
報告者: 濵村純平先生(桃山学院大学)
佐久間智広先生(神戸大学)
討論者: 早川翔先生(流通科学大学)
報告タイトル: Effort allocation under the action spillover on the performance indicator in the multi-task environment: Theory and experiment design
概要: In this study, we propose the experiment design based on the analytical prediction. First, we consider the multi-task by a single agent with a single principal based on the LEN model. The agent decides the level of actions and these actions improve the level of outputs. This study assumes that actions affect the other output. In other words, actions have a spillover effect. Additionally, we assume that the case in which one action does not have a spillover effect on the other output in our analytical model. Consequently, we demonstrate, in this case, while its action cannot have an impact on the other output, the level of its action increases as the other action’s spillover effect increases from the model analysis. This is because, depending on the economic environment, we can obtain several outcomes and must consider the features of equilibrium outcomes based on comparative statistics. Next, in this report, we propose the experiment design to examine our prediction based on the model analysis. In our experiment, we consider three accounting-based indicators, i.e., sales, cost, and profit. In these indicators, the sales-enhancing action also improves profit, and we interpret this case as spilled-over indicators. Based on these performance indicators, we conduct the 2×2 experiment design with respect to the spillover effect and the correlation among performance indicators’ uncertainties. One can infer that our theory and experiment suggest the important implications for the choice of accounting-based performance indicators.
 
16時00分 閉会挨拶
 
以上
 
問合せ先①:京都産業大学 近藤隆史
本件に関する日本管理会計学会の照会先となります。
k4769cc.kyoto-su.ac.jp
問合せ先②:成蹊大学 伊藤克容
本件に関する日本原価計算研究学会の照会先となります。
kitobus.seikei.ac.jp

日本管理会計学会2023年度第2回関西・中部部会のご案内

日本管理会計学会会員各位

下記の要領にて、日本管理会計学会2023年度第2回関西・中部部会を、甲南大学(準備委員長:杉山善浩)を開催校として、ハイブリッド方式(対面+オンライン)にて開催いたします。部会参加費は無料、懇親会費は3,000円です。万障お繰り合わせのうえ、ご参加賜りますようご案内申し上げます。参加をご希望の方は、準備の都合上、11月8日(水)までに、下記のリンク先URL(Googleフォーム)からお申込みください(リンク先URLは添付のプログラムにも記載)。なお、詳細は添付のプログラムをご覧ください。

https://forms.gle/XRBJBqjmzFFNgNsa6

1.日時:2023年11月18日(土)13時30分~16時40分
2.開催場所:甲南大学岡本キャンパス(兵庫県神戸市東灘区)
3.報告会場:2号館2階2-21講義室(阪急岡本駅徒歩10分、またはJR摂津本山駅徒歩12分)
 *会員控室:甲南大学岡本キャンパス2号館2階2-22講義室
4.問い合わせ先
 甲南大学経営学部 杉山善浩
 E-mail:sugiyamakonan-u.ac.jp


大会プログラム等PDFファイルは、こちら

2023年度第3回フォーラム兼第2回(第65回)九州部会のご案内

2023年10月吉日

日本管理会計学会会員各位

日本管理会計学会
2023年度第3回フォーラム
兼第2回(第65回)九州部会のご案内

拝啓 
初秋の候、会員の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
下記の要領にて、日本管理会計学会2023年度第3回フォーラム兼第2回(第65回)九州部会を、鹿児島国際大学経済学部(鹿児島市、準備委員長:福田正彦氏)を開催校として、対面方式にて開催いたします。参加費は無料です。懇親会は開催いたしません。万障お繰り合わせのうえ、ご参加賜りますようご案内申し上げます。参加をご希望の方は、準備の都合上、11月12日(日)までに、下記リンク先のGoogleフォームから、お申込みください。

<参加申込用Googleフォーム>https://forms.gle/xGaa7Ga68drT5PF56

敬具

1.日時:2023年11月25日(土) 12:30~17:00

2.開催場所:鹿児島国際大学経済学部 坂之上キャンパス 7号館 1階 710教室
 アクセスとキャンパス案内については、下記のホームページでご確認ください。
https://www.iuk.ac.jp/access/
https://www.iuk.ac.jp/gaiyou/campasMap/

3.プログラムは別紙の通り

【日本管理会計学会九州部会事務局】  
〒819-0395 福岡市西区元岡744 イーストゾーン
 九州大学経済学研究院 丸田起大研究室内
TEL:092-802-5454
email: marutaecon.kyushu-u.ac.jp


日本管理会計学会
2023年度第3回フォーラム 兼 第2回(第65回)九州部会プログラム

開催日時:2023年11月25日(土)12:30~17:00
開催方法:対面方式
開催場所:鹿児島国際大学経済学部 坂之上キャンパス 7号館 1階 710教室

■12:30~13:30 常務理事会 7号館 3階 会議室

■13:50~13:55 開会挨拶 鹿児島国際大学 学長 小林潤司氏

〔特別講演〕

■14:00~15:00(講演45分・質疑15分)

講演者:飯森利徳氏(鹿児島銀行 地域支援部 地域開発室 室長)
論題:「鹿児島の地方創生・地域開発の取組みについて」

(15:00~15:15 休憩)

 

〔研究報告〕

■15:15~17:00(報告30分・質疑15分)

第1報告 15:15~16:00
 報告者:水島多美也氏(中村学園大学)
 論題:「スループット会計・アメーバ経営・MQ会計における時間の意義について」

(16:00~16:15 休憩)

第2報告 16:15~17:00
 報告者:宮地晃輔氏(長崎県立大学)
 論題:「ポセイドン原則における非財務情報の生成プロセスと開示の影響」

■閉会挨拶 大会準備委員長 福田正彦氏(鹿児島国際大学)

以上


PDFファイル(JAMAフォーラム兼九州部会 2023年度第2回(第65回)プログラム.pdf

企業・工場見学担当からのご案内

会員各位

 株式会社名村造船所様(東証スタンダード上場企業)(所在地〒848-0121 佐賀県伊万里市黒川町塩屋5-1)より添付資料の内容で、同社の工場見学・大型船見学のご案内を頂きました。
 工場見学は組立工場内の見学となります。会員の皆様にご案内を申し上げます。

1.開催日時
   10月15日(日)9:00~15:00(最終入場14:00)

2.開催場所
   株式会社名村造船所伊万里工場(佐賀県伊万里市黒川町塩屋5-1)

PDFファイル  大型船見学会チラシ2023 最終

日本管理会計学会 2023年度年次全国大会記

関谷浩行(北海学園大学)

 日本管理会計学会2023年度年次全国大会(委員長:東北工業大学 川島和浩氏)が,2023年8月28日(月)から30日(水)までの3日間にわたって,東北工業大学八木山キャンパスにて対面形式で開催された。参加者は約200名であり,大会期間中は活発な交流が図られた。

◎ 大会1日目
 28日は,常務理事会,理事会および各種委員会が開催された。

◎ 大会2日目
 29日は午前に5会場で計20題の自由論題報告が行われた。午後は,会員総会,特別講演,スタディ・グループ中間報告,統一論題報告,会員懇親会が開催された。
 昼食後に行われた会員総会では,大会実行委員長挨拶,会長挨拶のあと,審議事項として,昨年度の事業報告,昨年度の収支決算書(案),監査報告,今年度の事業計画(案),今年度の収支予算書(案)等について,審議・承認された。

 報告事項として2024年度の年次全国大会は,8月27日から29日の予定で中央大学にて開催されることが報告された。また,会員の異動,スタディ・グループ,産学共同研究グループ,参事への会議参加交通費等の補助,学会誌編集委員会運営規程等の改正,学会誌『管理会計学』の発行状況と今後の方向性等が報告された。
 最後に,学会賞審査報告ならびに表彰式が執り行われた。受賞者は以下のとおりである。

【学会賞】
・特別賞:伊藤和憲氏(専修大学)

・功績賞:該当なし
・論文賞:該当なし

・文献賞:坂口順也氏(名古屋大学)『組織間マネジメント・コントロール論:取引関係の構築・維持と管理会計』中央経済社

・奨励賞:荻原啓佑氏(早稲田大学)「目標原価の設定方式がコミットメントに与える影響:加算方式から控除方式への変更に焦点を当てて」『管理会計学』第31巻第1号, 55〜70ページ

 特別講演では,谷守正行氏(専修大学)の司会のもと,七十七ヒューマンデザイン株式会社代表取締役の庄司大志氏が「地域金融機関が見た中小企業の軌跡:震災,コロナ,その先へ」というテーマで,経営(改善)計画と管理会計の重要性について講演された。
 七十七ヒューマンデザイン株式会社は2022年8月,七十七銀行が100%出資して設立された組織である。同社はMission(使命)「人を活かす。地域を描く。」,Vision(目指すべき姿)「CONNECT〜人と企業をつなぎ,地域を未来へつなぐ〜」のもと,有料職業紹介事業,セミナーの開催等を主な事業としている。なお,同社の母体である七十七銀行の設立には,渋沢栄一氏の多大なる支援があった。
 庄司氏は2018年9月から3年間,東日本大震災で大きな被害を受けた七十七銀行女川支店の支店長を勤めた。震災前の女川町の人口は10,016名(2011年2月末)であったが,震災後は5,946名(2023年5月末)で40.6%減少した。震災時のエピソードの一つに,「2件/195千円」という数字がある。震災の翌日から七十七銀行では,預金の引き出し業務を手作業で再開させ,預金者の口座残高に関係なく一人10万円を上限に現金の引き出しを行った。後日,口座の残高不足によって返済を求めるケースが多数発生したが,最終的に回収できなかった件数・金額が先に示した「2件/195千円」である。庄司氏は預金者と銀行との信頼関係の高さを改めて感じたという。
 東日本大震災の復興が完了する頃に発生したのが新型コロナウイルスのパンデミックである。金融機関は業績が悪化した顧客に何ができるか。ここで重要なものが,経営(改善)計画である。企業の経営理念がいかに素晴らしくても,社長が人格者であっても,経営(改善)計画がないと金融機関本部の稟議は通りづらい。
 経営(改善)計画を立案することで,融資を受ける企業は,①自社の立ち位置がわかる,②従業員からの協力を得やすくなる,③振り返りを行うことができ,将来の経営に活かせる。また,④社外的には金融機関からの信頼度が高まるというメリットがある。一方,融資をする金融機関としては,顧客への理解度が深まり,金融支援が可能になるというメリットがある。経営(改善)計画は,社内・社外・金融機関間の合意形成を行うことを可能にする。
 金融機関が経営(改善)計画を見る際のポイントは,①実現可能性(外部環境を適切に把握しているか,改善施策は具体的か),②債務者区分(ランクアップまたは維持が可能か),③公平性(ステークホルダー間の公平性は担保されているか),④責任論(債務者,企業,経営者)であるという。
 女川町の地域企業の取り組み事例として「株式会社 鮮冷」が紹介された。鮮冷は2013年3月に設立された鮮魚販売・水産食料品製造の企業で,まちぐるみ,パートナーぐるみで水産業の6次産業化を目指している。鮮冷はサンマを中心に鮮魚の冷凍冷蔵事業を行っていた「株式会社 石森商店」とホタテを中心に鮮魚販売・加工事業を行っていた「株式会社 岡清」が合併して設立された。
 鮮冷はバリューチェーンの考え方を適用させ,女川町の強みを活かした売上計画を立案して実践している。同社の特長は魚介の細胞を壊さずに凍結することを可能とした先進の凍結技術であるCAS(Cells Alive System)を実践していること。また,海外への販路獲得を視野に入れて,消費者に安全な食品を提供することを目的とした食品安全マネジメントシステム規格のFSSC22000を取得していることにある。
 鮮冷は縦軸に商流(スーパー,コンビニ,業務用卸),横軸に商材(サンマ,ホタテ,フカヒレ,加工品)のマトリックスを作成し,新型コロナウイルスの影響によってダメージが深いのはどのマス目かということを把握・分析することができた。これもひとえに,バリューチェーンにもとづく経営(改善)計画を立案していたため,次の一手を打てる経営管理体制が構築できていたからである。
 今後,日本は人口減少によって限られた労働力を最大限に利用する必要がある。パイが広がる前提のビジネスモデルから,パイが狭くなる前提のビジネスモデルへ転換するためには,これまでと同じ商売の仕方では対応することが難しい。最後に,庄司氏は不確実な状況に対応するため,企業は経営(改善)計画を持つことに加えて,管理会計をしっかりと構築していくことが求められると主張された。

 特別講演後,スタディ・グループ中間報告が2本「クライシス時のマネジメント・コントロール:コロナ禍で管理会計はどのような役割を果たしたのか」(研究代表者:神戸大学大学院 三矢裕氏)および「経営者報酬を利用した経営者の業績評価に関する理論的・実証的研究」(研究代表者:桃山学院大学 濱村純平氏)の2件の報告が行われた。

 その後,統一論題報告が行われた。今年度の統一論題のテーマは,「中小企業管理会計の現状と課題」(座長:青山学院大学 山口直也氏)である。まず,座長の山口氏から解題がなされた。
 中小企業が直面する経営課題には,①事業基盤の安定性確保,②後継者の安定的確保,③従業員の安定的確保と従業員のパフォーマンス向上,④物価上昇への対応などがある。これらの経営課題に対処し,競争力を向上させるためには,管理会計の活用が極めて重要になる。そして,中小企業における管理会計の現状と課題について理解を深めることは,研究者や実務家が,中小企業における効果的な管理会計の活用を推進するための検討を統一論題の狙いとし,討論していくことが提起された。

 第1報告は,牧野功樹氏(拓殖大学)から「中小企業における管理会計導入による経済的帰結」として,中小企業は多義的な概念である(中小企業,スタートアップ,ファミリービジネスなどを区分することは難しい)ため,対象とする中小企業の特性(人材の制約,コスト制約,組織構造,原初的な組織)によって管理会計に与える影響を踏まえた管理会計研究の必要性が報告された。

 第2報告は,飛田努氏(福岡大学)から「中小企業経営者のアントレプレーシップを発揚する経営管理システムのデザイン試論」として,中小企業の組織成員が組織目標の実現に向けて動機づけられ,行動し,目標を実現するために必要とする情報を提供できるシステムをどうデザインするかとの問題意識のもと,経営者が中長期的な事業の見通しを立てるのに有用なマネジメント・コントロール・システム(MCS)の機能を検証して修正できるデザインの試論が報告された。

 第3報告は,本橋正美氏(明治大学)から「中小企業管理会計の適用基準」として,はじめに売上高基準にもとづいた中小企業と中堅企業の区分方法(売上高が50億円より高ければ中堅企業,低ければ中小企業)が主張された。また,中小企業管理会計の適用基準としては,①TQM/マーケティング管理会計・情報分析アプローチ,②健康経営アプローチ,③SDGsアプローチの3つのアプローチが提案された。

 大会2日目の最後に会員懇親会が4号館地下1階食堂にて開催され,仙台名物の牛タン,ホヤ貝,日本酒などが振る舞われた。

◎ 大会3日目
 午前中に5会場で18題の自由論題報告が行われた。午後はスタディ・グループの最終報告として,「多様化するマネジメント・コントロールの現状整理と展望」(研究代表者:慶應義塾大学 横田絵理氏)ならびに産学共同研究グループの最終報告として,「サブスクリプションビジネスのモデル化とその評価に関する研究」(研究代表者:専修大学 青木章通氏)の報告が行われた。

 その後,統一論題討論が行われた。討論では,座長の山口直也氏(青山学院大学)のコーディネートのもとで,3名の報告者と参加者との活発な質疑応答が行われた。さまざまな視点から中小企業管理会計の現状と課題について白熱した議論が行われ,盛況のうちに2023年度年次全国大会が終了した。