■ 2018年度第1回企業研究会は、2018年8月22日(水)に、日東電工株式会社尾道事業所(広島県尾道市)で開催されました。当日は、台風の到来が心配されましたが、幸運にも晴天に恵まれ、北は北海道から南は九州に至るまで全国から19名の参加があり、日東電工株式会社の企業紹介、尾道事業所のショールーム・工場見学、総ロス削減活動の紹介、ならびに質疑応答と相互交流がおこなわれました。
■ 最初に、岡田和之様(情報機能材料事業部門尾道事業所長)より、日東電工株式会社の企業紹介がありました。同社は1918年10月25日の設立で、今年100周年を迎えられます。同社の2018年3月期の連結売上高は8,562億円、連結従業員数は29,704名、国内20社・海外73社のグループ会社を擁し、自動車・他輸送機器、住宅・住宅設備、社会インフラ、素材、家電・電子機器、ディスプレイ、電子デバイス、医療、包装材料、消費財などの幅広い事業を展開されています。同社は、Misson「新しい発想でお客様の価値創造に貢献します」のもと、価値観・心構え・行動基準としてのThe Nitto Wayを従業員間で共有し、日々、新たな価値創造にチャレンジされています。尾道事業所は同社の情報機能材料事業部門に所属し、スマートフォン・ゲーム機などのタッチパネルに必要不可欠な透明導電性フィルムや、テレビ・パソコン・携帯電話・カーナビなどのディスプレイに欠かせない光学フィルム等を開発・生産しています。
■ 次に、総務部の坂本孝輔様と製造部の和田守正様のご案内により、尾道事業所のショールームと工場を見学しました。ショールームでは、同社の代表製品の1つである液晶表示用偏光板の製造工程と機能について、モデルと実演によって分かりやすく説明していただきました(写真)。また、工場では、光学フィルム専用工場ならではの製造工程を見学でき、理解を深めることができました。
■ さらに、開発部の水嶋洋明様より、情報機能材料事業部での総ロス削減活動の紹介がありました。同活動は、のべ約100名以上の従業員が参画する形で、大幅な合理化(コスト削減)と不良率の低減を目指して展開された活動です。また、同活動のなかでは、従来の製造管理指標には表れない新たな課題を全体俯瞰の視点から発見するため、MFCA(マテリアルフローコスト会計)が採用され、総ロス削減の成果に大きく貢献したことが報告されました。
■ 最後に、当研究会全体を通しての質疑応答が活発におこなわれ、参加者一同、より一層、理解を深めることができました。そのうえで、学会を代表して水野一郎会長が挨拶され、学会ならびに企業研究会の活動を紹介されるとともに、当日の日東電工様の真摯なご対応に対し、御礼を述べられました。
■ 事務局より、今回の企業研究会は、中嶌道靖先生(関西大学)の多大な仲介の労により、開催の運びとなりましたことを、申し添えさせていただきます。本当に有難うございました。
理事 今井範行 (トヨタファイナンシャルサービス株式会社)