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日本管理会計学会九州部会第55回大会のご案内

2018(平成30)年9月吉日

 

日本管理会計学会会員各位

 

日本管理会計学会九州部会第55回大会のご案内

 

拝啓 初秋の候,会員の皆様におかれましては,ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

さて,下記の要領にて,日本管理会計学会九州部会第55回大会を,長崎県立大学佐世保校(長崎県佐世保市川下町123番地,大会準備委員長:​宮地晃輔氏,miyaji@sun.ac.jp)にて開催いたします。

万障お繰り合わせのうえ,ご出席賜りますようご案内申し上げます。

参加をご希望の方は,準備の都合上,10月7日(日)までに,九州部会事務局宛に,E-mail(maruta@econ.kyushu-u.ac.jp)にて,研究報告会および懇親会への出欠を,ご連絡くださいますようお願い申し上げます。

敬具

 

 

1.日時:2018(平成30)年10月20日(土)

 

2.場所:長崎県立大学 佐世保校 本館1階101教室

  アクセスとキャンパスマップについては下記のホームページでご確認ください。

http://sun.ac.jp/access/#sasebo

http://sun.ac.jp/campus/sasebo/

 

3.研究報告会:14:00~17:50(参加費は徴収いたしません)

(報告35分,質疑15分を予定しています)

 

第1報告:14:00~14:50

吉川晃史氏(熊本学園大学)・吉本政和氏(株式会社ヒライ)

「アメーバ経営システムの向上と現場情報との接続―株式会社ヒライの事例―」

第2報告:15:00~15:50

庵谷治男氏(長崎大学)

「アメーバ経営の部門別採算制度と利益配分」

第3報告:16:00~16:50

黒岩美翔氏(長崎県立大学)

「全社的リスク・マネジメントの展開についての一考察―WBCSDの報告書を中心として―」

第4報告:17:00~17:50

水野一郎氏(関西大学,日本管理会計学会長)

「CSVと付加価値概念の再考―人本主義管理会計の展開を目指して―」

 

4.懇親会:18:00~19:30(会費3,000円を予定,会場については当日ご案内いたします)

 

【日本管理会計学会九州部会事務局】     

(キャンパス移転により連絡先を変更しました)

〒819-0395 福岡市西区元岡744

                                 九州大学経済学部 丸田起大研究室内

TEL/FAX: 092-802-5454

E-mail: maruta@econ.kyushu-u.ac.jp

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「日本管理会計学会九州部会第55回大会のご案内」⇒ PDFファイル

日本管理会計学会第55回九州部会 報告者募集のお知らせ

平成30年8月吉日

 

日本管理会計学会第55回九州部会

報告者募集のお知らせ

 

謹啓 

時下,会員の皆様には益々ご健勝のことと存じます。

平成30年10月20日(土)に,長崎県立大学にて,日本管理会計学会第55回九州部会を開催することになりました。

つきましては,報告者を募集いたしますので,平成30年9月9日(日)までに,下記の要領で,九州部会事務局宛にe-mailもしくはFAXにてお申し込みください。

(1)氏名,所属,職名

(2)連絡先住所,電話番号,メールアドレス

(3)報告タイトル

謹白

 

日本管理会計学会九州部会事務局:

〒812-8581 福岡市東区箱崎6-19-1 

九州大学経済学部 丸田起大研究室内

TEL/FAX: 092-642-2487

e-mail: maruta@econ.kyushu-u.ac.jp

@を半角のアットマークに変更してください。

 

2018年度第1回(第54回)九州部会開催記

■■ 日本管理会計学会2018年度第1回(第54回)九州部会が、2018年6 月23 日(土)に久留米大学御井キャンパス(久留米市)にて開催された(準備委員長:高梠真一氏)。今回の九州部会では、関西・北陸・九州からご参加をいただき、20名近くの研究者や院生の参加を得て、活発な質疑応答が展開された。また、管理会計のほかに財務会計の分野の研究者の参加によって、分野横断的な議論が研究会や懇親会で交わされた。

■■ 第1 報告は、新改敬英氏(九州大学大学院博士後期課程)より、「組織の構造的特性に関連する『マネジメント・コントロールの罠』についての探索的研究」と題する報告が行われた。本報告は、マネジメント・コントロール・システム(MCS)の特性やコスト負担が組織の構造的慣性(外部環境に対する組織対応が緩やかなこと)と結びつくことで、気づかないうちに全体のパフォーマンスを低下させている可能性に着目した研究である。報告では、マクロミル社のデータベースに登録のある国内本社の上場・非上場の経営者を対象にしたパイロット研究の一部が紹介された(2018年4月実施、最終回答数633件、うち革新的イノベーション業績の関連項目に「あり」と回答した500件を対象)。
 報告では、Simons(2000)のMCSと革新的・漸進的イノベーションとの関連性を、組織の構造的慣性の有無で区分した重回帰分析の結果が示され、(1)境界コントロール(C)と革新的・漸進的イノベーションの関連性が確認できたものの、「構造的慣性」が機能する状況下では革新的イノベーションと負の関連性があったことや、(2)双方向Cは漸進的イノベーションとの間に正の関連性が確認できても、これは構造的慣性に正の調整効果があることに起因していることなどが明らかにされた。

■■ 第2報告は、丸田起大氏(九州大学)・篠田朝也氏(北海道大学)より、 「原価企画の実験研究―パイロットテストの結果と課題―」と題する報告が行われた。本報告は、Everaert and Swenson(2014)やGopalakrishnan et al. (2015)が実施したレゴブロックを用いた原価企画の実験研究のトライアルについて報告したものである。先行研究では、原価目標が全般的・特定的な場合と、設計指示の伝達が順次的(事前に全て伝えられる)・並行的(段階的に伝えられる)な場合の4分類で実験が行われている。
 報告者らは、参加者を「絶対額目標(180万円以下にコストを下げる)」、「差額目標(20万円以上コストを下げる)」、「原価目標なし」の3グループに分けて実験を行っている(九州大学・北海道大学の学生39名、全12チーム、2018年2月19日実施)。実験の仮設としては、「特定的な原価目標を与えたほうが全般的な原価目標を与えるよりも原価低減効果が大きい」、「絶対額目標を与えた場合と差額目標を与えた場合では原価低減効果は異なる」の2つを設定している。しかしながら実験結果では、いずれの仮設も支持されず、その要因として、原価目標の設定が容易すぎたことや、原価低減を一番達成したグループに与えられるインセンティブが全グループの目標となってしまったことが紹介され、管理会計研究における実験研究の課題が明らかにされた。

■■ 研究報告会終了後、九州部会の総会が行われた。総会では前年度の会計報告、今後の部会運営、今年度の九州部会開催の議題が出され、双方とも承認を得た。第55回大会は長崎県立大学にて10月20日(土)に開催予定である。
 報告会終了後、開催校のご厚意により、古賀久六ツ門本店(久留米市)にて懇親会が開催され、実りある研究交流の場となった。

平成30年6月25日 足立俊輔 (下関市立大学)

2017年度第3回(第53回)九州部会開催記

■■ 日本管理会計学会2017年度第3回(第53回)九州部会が、2017年11 月11 日(土)に中村学園大学(福岡市城南区)にて開催された(準備委員長:水島多美也氏(中村学園大学))。今回の九州部会では、関西・九州か201711131.JPGらご参加をいただき、10名近くの研究者及び商業高校教諭の参加を得て、活発な質疑応答が展開された。また、管理会計のほかに国際経営学の分野の研究者の参加によって、分野横断的な議論が研究会や懇親会で交わされた。
なお本部会は、九州部会の先生方が中心となって進められている日本管理会計学会スタディグループの報告(研究課題「地域中小製造企業の管理会計・原価計算活用実態解明と経営改善への接続に関する研究」、研究代表者:宮地晃輔氏)の中間報告という位置づけである。当該スタディグループでは、長崎・熊本・沖縄といった九州の中小企業の管理会計実践をインタビュー調査や参与観察、アクションリサーチなどを行っている。

■■ 第1 報告は、宮地晃輔氏(長崎県立大学)より、「中小企業における管理会計の実践レベルに関する研究-長崎県での調査を基礎として-」と題する報告が行われた。本報告は、長崎県の産業用機械装置メーカーF社の経営者が、どのような考えやプロセスに基づいて自社に適合する管理会計システムの構築を図ったかを明らかにした上で、そこから導出される意義について論究したものである。201711132.JPG
F社では、2013年にSQLサーバー・マネジメントシステムを導入して、自社開発によって、管理会計システムの構築と業績評価指標等の「見える化」を実現させている。報告では、受注から製造までのプロセスをオープンして工事番号ごとに損益分析が可能となっていることや、伝票入力ルールが徹底されることで収支・損益情報の信頼性が向上したことなどが紹介されている。

■■ 第2報告は、吉川晃史氏(熊本学園大学)より、「中小企業における管理会計の実践レベルに関する研究-熊本県での調査を基礎として-」と題する報告が行われた。本報告は、中小企業が経営改善目的で管理会計情報を含めた経営情報をいかに利活用できるようにするのかについて、ビジネス・エコシステム(複数の企業や団体が、それぞれの技術や強みを生かしながら業界の垣根を越えて連携し共存共栄する仕組み)の観点から明らかにすることを目的としたものである。201711133.JPG
報告では、熊本県中小企業家同友会に対する参与観察や入手資料に基づき、当該同友会で開催された「経営指針を創る会」(全6回)を中心に、セミナー参加企業の現状や課題が紹介された。報告者は、参加した中小企業では経営理念や経営方針、経営計画などを実際に提示することに至ることの難しさゆえに、「経営指針作成運動を推進するリーダー」を育てることを重視していることや、同友会には「受講者アンケートの実施」などフィードバックが求められていることなどを説明している。

■■ 第3報告は、木村眞実氏(熊本学園大学)より、「中小企業における管理会計の実践レベルに関する研究-沖縄県での現場改善-」と題する報告が行われた。本報告は、沖縄県で自動車解体業を営む中小企業を対象に、破砕・選別・洗浄工程においてMFCAバランス集計表を作成して工程改善を行うまでの一連のプロセスが、報告者の現地調査と入手資料から提示された。201711134.JPG
調査対象企業では、使用済自動車由来の樹脂部品を回収・破砕・選別・洗浄し、樹脂リサイクルメーカーに原料として提供するための技術開発を行っており、採算がとれるような樹脂リサイクルの実現を目指している。報告者は、当該工程を対象にMFCAバランス集計表を作成して工程改善が行われたことを紹介している。報告者は、当該企業が高磁力ダストや水槽ダストで発生するロスを減らす取り組みなど工程改善に着手するようになった要因の一つには、担当者に負の製品割合を「kg当たりの金額」で提示したことが影響していることを指摘している。

■■ 研究報告会の後、開催校のご厚意により大学近隣の居酒屋で懇親会が開催され、実りある交流の場となった。

足立俊輔 (下関市立大学)

2017年度第52回九州部会&日本会計研究学会九州部会第100 回記念大会 開催記

■■2017072901.JPG 日本管理会計学会2017年度第52回九州部会が、日本会計研究学会九州部会第100 回記念大会との共催で2017年7 月29 日(土)、九州大学(福岡市東区)にて開催された(準備委員長:大下丈平氏(九州大学))。今回の合同部会では、九州以外に関東や関西からもご参加をいただき、50名近くの財務会計・管理会計・税務会計の研究者、実務家、大学院生の参加を得て、活発な質疑応答が展開された。

■■2017072903.JPG  第1報告は、陳●氏[●は、かねへんにりっとう](九州大学大学院博士課程)より、「自己の信用リスクの変化に起因する金融負債公正価値の変動額を巡る会計処理」と題する研究報告がなされた。本報告は、その他包括利益に計上された自己の信用リスク(報告企業の信用状態)の変化に起因する金融負債の変動額をリサイクリング(実現時に区別された未実現利益を当期純利益に移し替える処理)すべきかについて、FASBとIASBの会計処理方法の比較から明らかにしようとしたものである。
報告者の分析によれば、利益の見方の視点からは、FASBは純利益と包括利益の両方を重視する立場を採用しており、IASBは包括利益の方をより重視する立場を採用している。この相違により、FASBは全面リサイクリングという主張につながり、IASBはリサイクリングする項目を取捨選択すべきという主張につながることを指摘している。

■■2017072904.JPG 第2報告は、黒岩美翔氏(九州大学大学院博士課程)より、「フランスにおける社会的責任戦略コントロールの一考察」と題する研究報告がなされた。本報告は、企業の経済性と社会性の同時追求や、長期的かつ持続可能な価値創造を可能にする「CSR(企業の社会的責任)戦略コントロール」の取り組みについて、Moquet(2010)で紹介されているフランスのダノンとラファージュの2社を題材にして明らかにしようとしたものである。
報告では、ダノンとラファージュのCSR戦略コントロールに関する具体的な制度化プロセスが明らかにされた。報告者によれば、2社の共通点として、会社独自の基準・方針を規定しつつも地方文化に合った目標・実践、行動計画が決定されていることや、イントラネットを活用してベストプラクティスの共有が図られていることなどがあげられる。また、2社の相違点としては、コミュニケーションの場として、ダノンは従業員を中心に位置づけているのに対し、ラファージュは地域住民を巻き込んでいることなどが紹介されている。

■■2017072905.JPG 第3報告は、小谷学氏(熊本学園大学)より、「利益率の分布形状を決定する要因は何か?」と題する研究報告がなされた。本報告は、ROAやROIなどの利益率に関する指標が企業間で格差が生じていることについて数理的な説明が行われていないことに注目し、利益率がどのような分布形状になるのか、その要因は何か、リスクとリターンの規則性は成立するのかを明らかにしようとしたものである。
報告では、Hamada(2004)の個人間の所得分布発生モデルをもとに予測モデルを構築し、その検証を行っており、1980年から2011年までの東証1・2部の企業(金融業除く)の決算データ(20,608サンプル)の総資本利益率を分析した結果が示された。分析結果では、当該利益率は対数正規分布に類似した分布に従うこと、利益率の分布形状は企業の投資意欲により決定されること、投資意欲は投資のリターンとリスク回避度の影響を受けることが明らかにされた。また、当該データの回帰分析を行った結果、利益率についてハイリスク・ハイリターンの関係があることも明らかにされている。

■■2017072906.JPG 第4報告は、篠原巨司馬氏(福岡大学)・福島一矩氏(中央大学)・足立洋氏(県立広島大学)より、「管理会計の整備プロセスに関する研究:A 社のケーススタディに基づいて」と題する研究報告がなされた。本報告は、安定的・持続的経営を実現できている組織において、管理会計の変更(導入・調査)がどのように行われているのかについて、建築資材の製造・販売を主要事業とするA社を対象としたケーススタディである。
報告では、安定的な業績運営を行ってきたA社においても、創業者の退陣といった組織環境の変化により、交渉ベースで決定されていた内部振替価格に基づく拠点別の利益率の報告方法が見直されたことや、拠点間の利益の平準化を防ぐために売上原価率のシステムを自動化させたこと、また、売上の計上基準が工事進行基準から工事完成基準に変更されたことなどが、報告者のインタビュー調査や内部資料などから提示された。

■■2017072907.JPG 第5報告は、末永英男氏(熊本学園大学)より、「法人所得の特質と税務会計」と題する研究報告がなされた。本報告は、大竹貿易事件(最高裁平成5年11月25日判決)以降、法人税法22条4項の収益の額、および原価・費用・損失の額に法人税法独自の解釈基準が示されるようになっていることに着目して、税務会計の計算対象である「課税所得」の前概念である「所得」や「法人所得」の検討を行うことで、税務会計の特殊な位置付けを明らかにしようとしたものである。
報告者によれば、「課税所得」は、「企業利益」から導かれるのではなく、「法人所得」の要請を取り入れた所得であると捉えられている。そして租税法律主義の下、公法的側面と私法的側面の両面から考察されなければならない租税法において、固有概念としての「法人所得」を確認したうえで、さらに「課税所得」を算定するのが税務会計の使命になると結論付けている。

■■2017072902.JPGのサムネイル画像 研究報告会の後、開催校のご厚意により大学生協にて懇親会が開催され、実りある交流の場となった。

足立俊輔 (下関市立大学)