日本管理会計学会会員 各位
2020年11月14日
日本管理会計学会2020年度第1回関西・中部部会(開催校:関西大学)が近づいてまいりましたので再送させていただきます。また申込み締切日を11月18日(水)に延長させていただきました。今回のゲスト・スピーカーとしてお招きした日本のバネ業界では著名な東海バネ工業の渡辺良機氏の講演も11月9日に録画致しました。
講演では、テーマと少し離れて、ポーター賞を受賞されたときにマイケル・ポーター教授に声をかけられた時のエピソードから始まり、同社の創業者から入社を口説かれた理由、ドイツのバネ企業を視察したときのカルチャーショック、職人を重視する同社の人づくり、多品種微量の完全受注生産モデルを完成させ、赤字を一度も出さず、売上高総利益率50%、2桁の営業利益率を34年間実現させてきた同社のビジネスモデルなどについて興味深いお話しをされています。
部会はZoomによるWeb開催となりましたので多数のご参加をお待ちしております。
1.開催日時:2020年11月21日(土)13:30~17:00
2.開催方法:オンライン(Zoomミーティング)
参加申し込みいただいた方にZoom情報をお伝えします。
3.参加費:無料
4.プログラム
13:30~13:35 司会(準備委員)より部会の進行方法の説明
13:35~13:45 部会準備委員長、関西・中部部会長挨拶
第1部(録画配信)
13:45~14:45 ゲスト・スピーカーによる特別講演
講演者:渡辺良機氏(東海バネ工業株式会社 顧問)
講演テーマ:「『あばよ』の経営美学」
このテーマの「あばよ」は、渡辺氏が2018年に社長を退任される際、さよならの気持ちを込めて社員に送った言葉だそうで、その挨拶は社員に感銘を与えたとのことです。
|
【講演者プロフィール】 渡辺 良機(わたなべ よしき) 東海バネ工業株式会社 顧問 1945年 大阪府生まれ 1984年 社長就任 2012年 「藍綬褒章」 授章 2018年 社長退任後、現職 2019年 財界「経営者賞」受賞
|
【会社プロフィール】(https://www.tokaibane.com/) 1944年 会社設立 ISO9001・14001・AS/EN/JISQ9100 認証企業 2001年~ 関経連 関西IT活用企業百撰 3年連続優秀賞受賞 2004年 経産省 全国IT活用企業百選 最優秀賞受賞 2006年 経産省 「元気なもの作り中小企業300社」認定 2008年 ポーター賞受賞 2009年 「中小企業IT経営力大賞2009」大賞(経済産業大臣賞)受賞 2010年 「日本マーケティング大賞」奨励賞受賞 2015年 「第6回ものづくり日本大賞」経済産業大臣賞受賞 |
14:45~15:15 講演への質疑応答(質問者:水野一郎氏)
第2部(オンライン報告)
15:20~16:10 第1報告 (報告30分 質疑10分)
報告者:徳崎 進氏(関西学院大学)
報告テーマ:「創造性マネジメントの管理会計的展開-合理思考からの脱却がもたらす創造的意思決定と経営のイノベーション」
16:15~16:55 第2報告 (報告30分 質疑10分)
報告者:皆川芳輝氏(名古屋学院大学)
報告テーマ:「デジタル技術の特徴と管理会計の課題」
16:55~17:00 部会準備委員長より閉会挨拶
5.参加申込方法・問い合わせ先
(1)締切日:2020年11月18日(水)
(2)関西・中部部会にご参加希望の方は標題に「関西・中部部会参加希望」、本文中に「氏名」「所属機関」「連絡先電子メールアドレス」を明記のうえ,締切日までに下記電子メールアドレスまでご連絡ください。
連絡・問い合わせ先:関西大学商学部 水野一郎
jamabukai2020ku[at]gmail.com ([at]⇒@)
(3)参加のご連絡をいただいた方に、参加申込締切日以降に、ZoomのURL、ミーティングID、パスコードをお送り致します。
2020年度第1回関西・中部部会 準備委員会
準備委員長: 水野一郎(関西大学)
北島 治(関西大学)
中嶌道靖(関西大学)
馬場英朗(関西大学)
大西 靖(関西大学)
木村麻子(関西大学)
岡 照二(関西大学)
自由論題の第1報告は,徳崎進氏(関西学院大学)による「イノベーションのための創造性マネジメント:経営人材の創造性開発における経営学、心理学、教育学の融合可能性とその管理会計的展開」であった。徳崎氏は,現代において,イノベーションの重要性がますます大きくなり,またその達成に不可欠な新しい知識や行為を生み出す能力である「創造性」の追求が経営課題となることを述べた上で,合理性を前提に競争優位性の獲得を追求してきた既存のアプローチの限界を指摘している。さらに,創造性をどのように育むのかは,経営管理者への有用な情報と技法の提供を任務とする管理会計を含む経営学諸分野の重要な関心事のはずであるが,本テーマに関連する研究蓄積が十分でないことも指摘した。徳崎氏は,こうした問題意識のもとに,先行する心理学や教育学領域の文献レビューに基づき,特に創造性に着目して,経営人材育成のあるべき姿とその方法論を管理会計の観点から検討を行った。本報告では,「創造性マネジメント」が管理会計の重要かつ喫緊の課題であることが示唆された。
自由論題の第2報告は,王博氏(京都大学大学院)による「マテリアルフローコスト会計(MFCA)の継続性を促進する取り組み-日東電工(株)VSウシオ電機(株)」であった。王氏は,MFCAは日本企業にも広く普及しているものの,多くのMFCAの適用事例は一時的なものであることを指摘している。しかし,MFCAが目的とする「環境と経済の両立」という目標を達成するためには,継続的なMFCAの適用が不可欠であることも指摘された。王氏は,MFCAを継続している事例として日東電工を,MFCAを継続できなかった事例としてウシオ電機を取り上げ,両社におけるMFCAの適用を比較分析した。その結果,MFCAのサプライチェーンへの広がりとエンジニアリングチェーンへの深掘りが示唆された。
自由論題の第3報告は,小山真実氏(神戸大学大学院)による「Ratchet Effect in Teams with Mutual Learning」であった。小山氏は,ラチェット効果に関して,相互学習(mutual learning)があるチームの状況を取り上げ,数理モデルによって分析した。相互学習とは,スキルの低い人がスキルの高い人と働くことによって,スキルの低い人の能力が向上する現象を指す。ダイナミックなアドバース・セレクションのモデルを利用して,小山氏は,相互学習がラチェット効果を緩和することを示した。プリンシパルは,相互学習がスキルの低い人の能力を改善することを知っているので,相互学習が存在する場合,1期目にスキルが低いと申告した人に対する2期目の契約は,改善された能力レベルに基づいて設計されることとなる。したがって,能力のある労働者が最初の期においてあまり能力がないふりをするベネフィットは,相互学習がない場合よりもある場合に,より小さくなる。この結果は,相互学習のあるチームにおいて,ラチェット効果は深刻な問題となりにくいことを示唆している。また,現実の企業の多くで過去の業績をベースに目標が設定される理由を説明している。
海外招聘講演に先立ち,星野優太氏(椙山女学園大学)よりメルコ学術振興財団に関する説明があった。海外招聘公演は,Dennis Fehrenbacher氏(Monash University)による「Reflections on Experimentation in Management Accounting, Information Systems and beyond」であった。Fehrenbacher氏は,管理会計研究における実験研究の可能性について公演した。実務におけるグーグルによるオンライン実験の事例や,学術界における実験研究に対するノーベル経済学賞に関する説明がされた。そのうえで,管理会計研究の研究手法について,実験研究も含め近年では研究手法が多様化していることが指摘された。とくに脳波の測定や,アイ・トラッキング,皮膚反応といった測定技術が,今後の管理会計の実験研究の可能性を広げることが指摘された。また,講演では,アイ・トラッキングを用いた実験研究に関する紹介や,アンカリングに関わる認知バイアスを体験する簡単なクイズもなされた。