「フォーラム」カテゴリーアーカイブ

2021年度第1回フォラームのご案内


日本管理会計学会会員各位

会員各位におかれましては益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。このたび、日本管理会計学会2021年度第1回フォーラムを下記の通り開催の運びとなりました。 皆様におかれましては万障お繰り合わせの上、何卒ご出席賜りますよう、ご案内申し上げます。なお、参加の際は、本フォーラムの感染対策ガイドラインを御遵守頂ければ幸いです。また、準備の都合上、成蹊大学、伊藤克容(jama.forum.2021[at]gmail.com([at]を半角の@に変更してください))までメールで連絡頂けますよう御願い致します。

開催日   :2021年度4月17日(土)
会場       :成蹊大学4号館ホール

フォーラム・テーマ:「管理会計研究・実務の新動向」
14:00~ 学会長挨拶
特別講演(1) 14:10~15:00 「カスタマーサクセスとは何か:日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」
    弘子ラザヴィ先生(サクセスラボ株式会社代表取締役)
    *渡航制限期間のため、録画講演となる可能性があります。
【要旨】
 デジタル化時代は、モノ売り切りモデルからリテンションモデルへのシフトが不可逆的に生じます。それにともない「カスタマーサクセス」、すなわち、Who起点の経営が必須となります。今回は、デジタル時代に求められるカスタマーサクセス視点のPL(損益計算書)についての要点をひも解くとともに、現行PLがいかに「有用性喪失」しているかについて、警鐘を鳴らします。

研究報告 15:10~16:00 「シンプル管理会計の研究」
    飯塚隼光先生(一橋大学大学商学博士)
【要旨】
 本研究では,中小製造業に属する1社の管理会計実践に焦点を当てます。同社は非常に単純な管理会計手法を用いているにも関わらず,厳しい市場環境の中で生き残り続けており,このことがどのように解釈できるのかを検討します。その解として,当該企業においては単純な管理会計こそが最適である,つまり管理会計はシンプルであってもいいという「シンプル管理会計」の概念を提示し,その意義や実践について考察します。

特別講演(2) 16:10~17:00 「DDP仮説指向計画法の意義」
    小川康先生(インテグラート代表取締役社長)
【要旨】
 DDP(Discovery-Driven Planning)は、不確実な事業から高いリターンを得ることを目的とする経営管理手法です。予測の根拠は外れる、という現実的な問題を解決するために、DDPは企業内部・外部の変化に迅速に対応する組織プロセスの運用を支援します。DDP運用の秘訣は、企画・管理部門と事業部門が質問と説明のエンゲージメントを反復・継続することにあります。経営管理の基礎である予実管理が、「両利きの経営」や「イノベーションのジレンマ」で指摘されている合理的な結果主義をもたらしている状況に対して、DDPを活用した予測管理を重視し、リスク対応力を強化する意義について考えます。

フォーラム参加費1,000円

御問合せ先
jama.forum.2021[at]gmail.com([at]を半角の@に変更してください)

日本管理会計学会事務局

午前中開催予定の諸会議について
以下の時間帯で、成蹊大学6号館6階会議室にて開催します。
11:20~12:20                    常務理事会
12:30~13:30                   理事会

https://www.seikei.ac.jp/university/aboutus/campus_uni/

 

本案内のPDFファイルは、こちら

 

2020年度第3回フォーラム・第1回九州部会 開催記

 日本管理会計学会2020年度第3回フォーラム兼第1回九州部会は、2020年11月14日(土)13:50~16:20に、長崎県立大学佐世保校にて、対面方式によって開催された。参加者・報告者は全員マスク着用で、適切な距離を確保して着席し、教室も窓やドアを開け放ってしっかり換気できる状態を保ったうえで実施された。研究者、実務家、および長崎県立大学の学部生・大学院生など、50名を超える参加があった。開始に先立ち、大会準備委員長の宮地晃輔氏(長崎県立大学)および伊藤和憲会長(専修大学)からご挨拶があった。

 

 

 

 

特別講演 北口功幸氏(株式会社亀山電機 代表取締役会長)
論題「株式会社亀山電機のバランスト・スコアカード(BSC)」
 社名のゆかりとなった坂本龍馬への熱い思いが語られたのち、亀山電機の概要、沿革、事業内容のご説明、および会社紹介ビデオの上映がなされた。同社は、1996年の創立以来、シーメンスとの取引などにより順調に業績を伸ばしていたが、リーマンショックを契機に、経営計画書(亀山道)やBSCへの取り組みを検討し始め、現在までV字回復を果たしている。2016年に導入されたBSCでは、事業計画や予算と連動させて全社BSCおよび部門BSCを運用している。BSCの狙いは、KPIを持たせ、毎月や四半期のPDCAで数値化した結果や差異を確認することなどにあり、結果は信号色を配したりグラフ化して見やすくし、銀行に提示する経営資料として信用を高めることにも活用されている。BSCを実施しての気づきとして、点でなく線で考えることができること、PDCAのPの力が弱いこと、コロナ禍で人財育成の重要性を再認識したことなどが紹介された。

 

 

 

 

第1報告 李会爽氏(福岡大学兼任講師)
論題「日本における統合報告の現状―インタビュー調査に基づいて―」
 大下丈平氏(九州大学名誉教授)の司会の下、第1報告では、統合報告におけるオクトパスモデルと戦略マップの融合可能性が提言され、統合報告の目的として情報開示だけでなく情報利用も実務において達成されているかどうかに関するインタビュー調査が報告された。統合報告フレームワークが概説されたのち、統合報告に関する先行研究が整理され、統合報告の目的が情報開示と情報利用の2つに集約できることが示された。情報開示に関しては、統合報告書は財務報告書をベースにしながら持続可能性報告書を包括する形で登場したことが指摘された。情報利用に関しては、ステークホルダー・エンゲージメントより得られた情報を経営者が利用し、戦略策定とマネジメントに役立てることが重要であることが指摘された。統合報告書を公表しているA社、DKS社、およびMUFG社に対するインタビュー調査の結果、3社ともステークホルダーへの情報開示目的は果たされていた。一方、情報利用目的では、A社およびMUFG社では情報利用は考慮されていなかったが、DKS社ではステークホルダー・エンゲージメントを通じてマテリアリティの特定に積極的に取り組んでおり、情報利用目的が考慮されていることが指摘された。統合報告における価値創造プロセスの可視化では、オクトパスモデルと戦略マップを融合することによって、使用資本を明示しプロセスの循環性を表現することが可能となるとの提言がなされ、DKS社のデータを用いてオクトパスモデルに戦略マップを組み込んだモデルの適用イメージが紹介された。

 

 

 

 

第2報告 水野真実氏(九州大学専門研究員)
論題「病院TDABCモデルの開発」
 田坂公氏(福岡大学)の司会の下、第2報告では、実在病院のデータを用いて、病院原価計算にTDABC(Time Driven Activity- Based Costing)のアイデアを試行的に適用したモデルの開発とシミュレーション結果が報告された。先行研究のレビューにより、ABC(Activity- Based Costing)の問題点、近年におけるTDABCの展開、および病院原価計算への適用状況が整理されたのち、診療情報が電子的に格納されているDPCデータと多様な時間情報が格納されている手術システムとを連携させて、コスト構成比の高い手術室の人件費を対象として構築されたTDABCの適用モデルが説明された。実在病院の人工膝置換術患者40名をサンプルとし、整形外科医師、麻酔科医師、および手術室看護師の給与の職種別キャパシティ・コスト・レートを算定し、整形外科医師には手術時間を、麻酔科医師には麻酔時間を、手術室看護師には手術室入退室時間を、それぞれ配賦基準として選択して適用した結果、患者別の手術麻酔人件費を測定できると当時に、職種別のキャパシティ利用度を可視化できることが示された。また手術麻酔人件費、手術麻酔差益、および手術麻酔差益率を検証した結果、患者別の収益性が可視化され、手術室を占有している入退室時間が長くなるほど採算性が悪化する傾向が確認されたと同時に、医師別の業務実績分析にも応用が可能であることが提言された。

 

2020年度九州部会フォーラム合同開催

日本管理会計学会会員 各位

謹啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 日本管理会計学会2020年度第3回フォーラム・2020年度第1回九州部会合同開催を、11月14日(土)に、長崎県立大学佐世保校(佐世保市川下町123番地)を会場に下記の要領にて開催致します。万障お繰り合わせのうえ、ご出席を賜りますようお願い申し上げます。
 今回は、経営者主導でバランスト・スコアカード(BSC)導入を行い、経営品質を高める取り組みを実践されている株式会社亀山電機代表取締役会長の北口功幸氏をお招きしての特別講演、並びに新進気鋭の2名の方々の研究発表をご準備させて頂きました。
 なお、ご出席ご希望の皆様におかれましては、準備の都合上、お手数をおかけいたしますが、11月10日(火)までに、メールにて宮地あて、miyaji[at]sun.ac.jp([at]を半角の@に変更してください。) にお申込みを頂きますようお願い申し上げます。謹白

開催日: 2020(令和2)年11月14日(土)13:50 ~ 16:20
会場:  長﨑県立大学佐世保校  本館 101教室 
〒858-8580 長崎県佐世保市川下町123 TEL0956-47-2191(代表)
佐世保校への交通アクセス http://sun.ac.jp/access/

 

13:50~14:00 学会長ご挨拶

※ご講演30分 質疑10分 合計40分
特別講演 14:00~14:40「株式会社亀山電機のバランスト・スコアカード(BSC)」
      北口 功幸 氏 (株式会社亀山電機 代表取締役会長)

 

※ご報告30分 質疑10分 合計40分
第1報告 14:45~15:25「日本における統合報告の現状-インタビュー調査に基づいて-」 
      李  会爽(リホイシュアン)  氏(福岡大学兼任講師)

(10分程度の休憩)

第2報告 15:35~16:15「病院TDABCモデルの開発」   
      水野 真実  氏(九州大学専門研究員)

16:15~16:20      閉会ご挨拶  

 

<ご連絡事項>
①今回は、研究報告会終了後の懇親会は開催の予定はございません。

②本会にご参加の方に、長崎空港-長崎県立大学佐世保校との間で送迎用の貸切バス(マイクロバス)を運行いたします。詳細は以下のとおりでございます。ご乗車ご希望の方は、参加申し込み時に貸切バス利用のお申込みもご連絡をお願い致します。往路・復路のどちらか一方の利用も可能です。バスは3密を避けて15名まで乗車できます。お申込みの先着順でご利用者を決定させて頂きます。貸切バスご利用希望の方は、ご参加申し込みの際に往路・復路の利用のご希望、乗車場所・降車場所のご希望を添えてお申込みをお願いします。

〇長﨑空港お迎え:11月14日(土)10:20長崎空港到着口前集合 → 10:30長崎空港出発 → 11:10ハウステンボス迎え(前泊でハウステンボスに宿泊される方のお迎え)→ 11:35 JR佐世保駅迎え(東横イン佐世保駅前駐車場側でご乗車できます)→ 12:00長崎県立大学佐世保校着
〇長崎空港お送り:11月14日(土)16:30長崎県立大学佐世保校出発 → 16:55 JR佐世保駅(JR佐世保駅で降車希望の方)→  18:10 長崎空港着

③ 本会へのご参加の方で、前泊または後泊をご予定されておられる方は、JR佐世保駅前周辺に多数のホテル施設がございますので、こちらに宿泊されることをお勧めいたします。

④ 長崎県立大学佐世保校までの経路

各所~JR佐世保駅

JR佐世保駅~大学

JR博多駅から

○JR特急を利用する場合(1時間40分)

○高速バスを利用する場合(1時間50分)

JR佐世保駅から大学まで

 ○松浦鉄道(MR)を利用する場合(30分)
MR佐世保駅より乗車し大学駅にて下車後に徒歩

 ○バスを利用する場合(30分)
JR佐世保駅前西肥バス停留所で、日野経由又はSSK・大潟経由の相浦桟橋行、日野経由又は大野経由の大崎町行、日野経由水産市場前行、日野・ニュータウン経由佐々バスセンター行、日野経由小野町行のいずれかに乗車し、長崎県立大学前にて下車後に徒歩

○タクシーを利用する場合(20分)

                  

2020年度第3回フォーラム開催校委員長 宮地晃輔
2020年度第1回九州部会開催校委員長  田坂 公

 

            <本件に関するお問い合わせ先>

長崎県立大学 宮地晃輔
 E-mail   miyaji[at]sun.ac.jp
([at]を半角@に変更してください。)
研究室直通 0956-47-6796
                                                     以上

本九州部会・フォーラムについては、長崎県立大学のホームページ(http://sun.ac.jp/event/92380/)にも掲載されています。

日本管理会計学会 2020年度第2回フォーラム 開催記

■2020年度第2回フォーラム(フォーラム担当:伊藤 和憲氏[専修大学])は、2020年7月18日(土)、専修大学神田校舎10号館で開催された。本フォーラムでは、会長の挨拶、司会の中村博之氏[横浜国立大学]による講演者の紹介に続き、オムロン株式会社グローバル理財本部企画室(兼)イノベーション推進本部CTO室の水本智也氏より「オムロンのROIC経営・技術経営」という題目でご講演いただいた。
■講演では、オムロン(株)の会社紹介の後、本題のROIC経営・技術経営について説明された。オムロン(株)では、技術経営とROIC経営を両輪に企業理念の実践を加速することで、ソーシャルニーズの創造に挑戦し、事業を通じた社会的課題の解決に取り組んでいると述べられた。具体的に、技術経営については、社会的課題を解決するため、技術革新をベースに近未来をデザインし、その実現に必要な戦略を明確に描き、実行する経営スタンスであること。その原点は、創業者が1970年に提唱した未来予測理論、サイニック理論にあること。「近未来デザインを起点としたバックキャスト型のソーシャルニーズの創造」をプロセスとして形式知に変えて、組織に落とし込んでいることを説明された。また、ROIC経営については、ROICを各部門のKPIに分解して落とし込むことで、現場レベルのROIC向上を可能にする「ROIC逆ツリー展開」と、全社を事業ユニットに細分し、ROICと売上高成長率の2軸で経済価値を評価する「ポートフォリオマネジメント」の2つで構成されているとし、事業特性が異なる複数の事業部門を持つオムロン(株)にとってROICは各事業部門を公平に評価できる最適な指標として活用されていることを説明された。またROIC経営の浸透に向けROICの定性的な「ROIC翻訳式」を使用し、普段は財務諸表に縁のない営業や開発部門などの担当者が、ROIC向上の取り組みを具体的にイメージできるようにしていることを述べられた。さらに、企業理念の実践を強化する取り組みとして、グローバル全社員が参加し、企業理念の実践事例を共有し、称え合い、共鳴の輪を社内外に広げる運動である「TOGA(The OMRON Global Awards)」を紹介された。
■最後に参加者との積極的な質疑応答が行われた。講演後も参加者個別に熱心な質疑応答が続き、本フォーラムは盛会のうちに終えた。なお、フォーラム開催前に常務理事会が開催され、本フォーラムの参加者は31名であった。

(会長挨拶)

 

 

 

(水本智也氏による講演)

 

 

 

令和2年7月20日
奥 倫陽(東京国際大学)

 

 

日本管理会計学会 第2回フォーラム開催のご案内

日本管理会計学会
   会員 各位

 管理会計学会の活動も少しずつ動き出したいという気持ちから,第2回のフォーラムを東京で開催することになりました。しばらくは新型コロナが終息しそうにありませんが,研究活動をストップもできません。日本管理会計学会は,下記の通りフォーラム開催の運びとなりました。会場は75名の狭い教室ですので,30名に限定して開催させていただきます。申し込み順でお受けいたしますが,超過した場合はお断りさせていただくこともありますのでご了承ください。

開催日: 7月18日(土)
会 場: 専修大学神田校舎10号館10階 10101教室
https://www.senshu-u.ac.jp/about/campus/

16:15~16:20 学会長挨拶
         特別講演
16:20~17:20 「オムロンのROIC経営・技術経営」
     オムロン株式会社グローバル理財本部企画部・水本 智也氏

懇親会 中止
フォーラム 参加費無料

準備の都合がありますので,参加希望者は,7月10日(金)までに
伊藤のアドレス(itoh[at]isc.senshu-u.ac.jp)([at]→@)宛にメールください。

フォーラム担当者
専修大学 伊藤和憲