「リサーチセミナー」カテゴリーアーカイブ

2019年度第2回リサーチセミナーのご案内(日本原価計算研究学会共催)

 秋が深まり紅葉も見られるようになって参りましたが、先生方におかれましてはますますご健勝のことと存じます。
 さて、先日ご案内いたしました日本管理会計学会、日本原価計算研究学会、法政大学イノベーションセンター共催のセミナーについて一部変更がございましたのであらためて連絡を申し上げます。
 第一報告者が変更しているほか、特別講演の仮タイトルを正確なものにしております。
 先生方におかれましてはお忙しい時期と存じますが、ふるってご参加を賜りますようお願い申し上げます。
                            敬具
                
             記

開催日時:2019年10月25日(金)13時30分開始
会場:法政大学市ヶ谷キャンパスボアソナードタワー25階研究所会議室5
 周辺駅からのアクセスマップ
 http://www.hosei.ac.jp/access/ichigaya.html
 キャンパスマップ
 http://www.hosei.ac.jp/gaiyo/campus/ichigaya/index.html#toc02

13時30分 開会の挨拶

13時40分~14時40分 第1報告
 報告者:東田明氏(名城大学)
 タイトル:The select and the use of GHG indicators for environmental management control

14時40分~15時40分 第2報告
 報告者:李燕氏(拓殖大学)
 タイトル:The role of accounting inscription on biodiversity conservation

15時40分~15時50分 休憩

15時50分~17時  特別講演
 講演者:Charles Cho氏(Schulich School of Business, York University, CA)
 タイトル:Managing Stakeholder Conflicts: Organized hypocrisy, Organizational Façades, and Sustainability Reporting

17時  閉会の挨拶

参加申込および問合先:法政大学 北田皓嗣 宛
 リサーチセミナーにご参加の方は氏名,所属機関を明記のうえ,下記のアドレスまでにご連絡ください。
 またセミナーについてお問い合わせのある場合にも、下記にご連絡ください。
 kitada[at]hosei.ac.jp ([at]を半角の@に変更してください。)

2019年度第1回リサーチセミナー開催記

2019年6月29日(土)
追手門学院大学 井上 秀一

2019年度第1回リサーチセミナーは,2019年6月29日(土)13:00~17:40に青山学院大学(青山キャンパス16号館2階)16201教室において,開催されました。当日の参加者は30名程度であり,日本管理会計学会会長の水野一郎氏(関西大学)より開会の挨拶が,日本管理会計学会副会長の澤邉紀生氏(京都大学)より全体講評がありました。山口直也氏(青山学院大学)の司会によりリサーチセミナーが進められ,海老原佑氏(東京理科大学大学院生),庄司豊氏(京都大学大学院生),梅田充氏(専修大学)の研究報告に対して,フロアから有益なコメント,質問が多くあり,活発な議論が行われました。

第1報告 海老原佑氏(東京理科大学大学院修士課程)
報告論題「不正会計が株価に与える影響―金融庁課徴金制度からの考察―」

 第1報告の海老原氏は,金融庁課徴金制度により,(1)株主は不正会計企業の判断を変えるのか,(2)株主は課徴金額をどのように判断するのか,(3)浮動株主は判断をどのように変えるのかという問題意識から,以下の仮説を立てています。

仮説1:金融庁課徴金納付命令の審査手続開始の決定により,株価に正の影響が現れる。

仮説2:より額の大きい課徴金は金融庁課徴金納付命令の審査手続開始の決定日後の株価に負の影響を与える。

仮説3:高い浮動株率は金融庁課徴金納付命令の審査手続開始の決定日後の株価に負の影響を与える。

これらの仮説に対し,海老原氏は,イベントスタディによる検証を行い,その結果,仮説1と仮説2は支持されたが,仮説3は支持されなかったことを報告しました。

 ディスカッサント:小倉昇氏(青山学院大学)
 海老原氏の報告に対し,ディスカッサントの小倉氏は,修士論文としては広範な範囲を網羅しようとしているので,焦点を絞った方がよいのではないかと指摘した後,以下の3点についてコメントしました。

(1)イベントウィンドの決定は重要であり,試行錯誤的に,研究目的に適合した観察範囲を選択すべきである。

(2) CARの有意性は統計値で示す。

(3) 付随情報(先行情報・同時発表情報・後発情報)の影響を分析モデルに組み込むことが,イベントの株価への効果を明確にする。

 

第2報告 庄司豊氏(京都大学大学院博士後期課程)
報告論題「制度的複雑性の下での管理会計変化」

 第2報告の庄司氏は,複数の制度ロジックが存在する状況において,どのような管理会計変化のパターンが生じるのかという問題意識から,Besharov and Smith(2014)をフレームワークとして先行研究のレビューを行っています。
庄司氏は,制度的複雑性下での管理会計変化のパターンとして,(1)競合状態,(2)支配状態,(3)乖離状態という3つが存在し,制度的複雑性の状態によって管理会計変化のパターンが異なることを報告しています。加えて,庄司氏は,先行研究では,一部の制度的複雑性の状態における管理会計変化しか取り扱われていないことを指摘しました。

 ディスカッサント:庵谷治男氏(東洋大学)
 庄司氏の報告に対し,ディスカッサントの庵谷氏は,一様ではない管理会計の変化を捉えようとする挑戦的な研究と指摘したうえで,以下の点で課題があるとコメントしました。

(1) 管理会計研究としての貢献
庄司氏の研究は,Besharov and Smith(2014)のフレームワークにもとづいて管理会計変化を類型化(パターン化)していることに貢献のひとつを見出しているが,類型化することが管理会計研究へどのようなインプリケーションをもたらすのか,より一歩進めた考察があった方が,貢献が鮮明となるのではないか。

(2) 分析フレームワーク
 Besharov and Smith(2014)のフレームワークの説明について,本文ならびに図表で読者にとってわかりやすい説明,とくに縦軸(中心性)は中心となる制度ロジックの数(複数or単一)を,横軸(適合性)は制度ロジックと行為との適合度合いを表している点を説明に加える必要がある。

(3) 研究方法
 レビュー論文の抽出方法と対象論文の分析方法について,具体的にどのような手順によって実施されたのか説明が必要。いわゆる再現可能性についてどのような配慮がなされているのか言及することが望ましい。

(4) 分析結果
 分析結果について,統一の記述形式をとるか図表等でまとめを載せる方が,筆者の分類の意図が伝わるのではないか。分離化,ハイブリッド実践化,形骸化,選択的例示化,制度化という5つの概念の説明と事例との関係性をより丁寧に説明してほしい。

 

第3報告 梅田充氏(専修大学)
報告論題「インタンジブルズ・マネジメントの統合化―コミュニケーション,戦略管理,価値創造―」

 第3報告の梅田氏は,インタンジブルズ・マネジメントの統合化をテーマに先行研究の整理を行い,コミュニケーション,戦略管理,価値創造の統合化を扱った研究が不足していることを指摘しています。そのうえで,統合化における3つの論点として,統合思考,コネクティビティ,マテリアリティを提示しています。
梅田氏は,統合化を図る手段としてバランスト・スコア・カード(BSC)に着目し,コミュニケーション,戦略管理,価値創造を行っている情報・通信業のA社に対し,インタビュー調査を実施しています。梅田氏は,インタビュー調査の結果,BSCを用いることで,インタンジブルズ・マネジメントの統合化が可能となることを指摘し,統合化の効果として,次の3つをあげています。


① ステークホルダーの理解を深めコミュニケーションを促進する
② 戦略に基づく組織間アラインメントの確立
③ 企業価値を高める価値創造と価値毀損の両面からの価値創造

 

 ディスカッサント:内山哲彦氏(千葉大学)

 梅田氏の報告に対し,ディスカッサントの内山氏は,(1)インタンジブルズ・マネジメントの統合化におけるBSC,とくに戦略マップの有用性を明らかにしたこと,(2)統合化によって統合思考,コネクティビティ,マテリアリティが担保されることを明らかにしたこと,(3)統合化による効果を明らかにしたこと,という3点を本研究の貢献として指摘しています。そのうえで,内山氏は,以下の点について課題があるとコメントしました。

① 検討したい問題は測定なのか,マネジメントなのか,両方なのか。また,両者にはどのような関係があるのか。

② インタンジブル・マネジメントの統合化においては,具体的に何を統合化し,なぜ統合化が必要なのか。

③ 統合思考,コネクティビティ,マテリアリティはなぜ論点となるのか。

④ 本研究においてケース・スタディはどのような位置づけなのか。

⑤ 統合化に期待される効果はどのような検討から導かれるものなのか。

2019年度第2回リサーチセミナーのご案内

日本管理会計学会
会員各位

 今年ももう半分を過ぎますが、先生方にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて、日本管理会計学会2019年度第2回リサーチセミナーを日本原価計算研究学会との共催で2019年10月25日(金)に法政大学市ヶ谷キャンパスにて開催いたします。
 今回は、会員による報告に加え、ゲストスピーカーとしてCharles Cho教授(Schulich School of Business, York University, CA)による講演も併せて行います。
 ふるってご参加を賜りますようお願い申し上げます。

 また、会員による報告については、英語でのご報告を希望する場合には、Cho教授がディスカッサントを務められます。
 報告をご希望の方は、下記の要領をご参考の上、ご応募をいただきますようお願い申し上げます。なお、本リサーチセミナーは若手研究者の研究水準向上の機会として開催されるものです。ご応募多数の場合には、若手研究者を優先し、次いで英語によるご報告を優先するものといたします。

 なお、プラグラムの詳細は、後日改めてご案内させていただく予定です。
 当日は、多くの方のご参加をお待ち申し上げております。
                                            敬具
             記
開催日時:2019年10月25日(金)13時30分開始(予定)
会場:法政大学市ヶ谷キャンパスボアソナードタワー25階研究所会議室5
 周辺駅からのアクセスマップ
 http://www.hosei.ac.jp/access/ichigaya.html
 キャンパスマップ
 http://www.hosei.ac.jp/gaiyo/campus/ichigaya/index.html#toc02

13時30分  開会の挨拶
13時40分~14時40分 第1報告(若手報告30分、コメント15分、質疑応答15分)
14時40分~15時40分 第2報告(若手報告30分、コメント15分、質疑応答15分)
15時40分~15時50分 休憩
15時50分~17時        Charles Cho教授講演
17時  閉会の挨拶

<応募要領>
1.締切日:2019年9月20日(金)
2.応募方法:下記を明記ののうえご応募ください。
(1) 報告タイトル・概要(200-300字程度)・言語(日本語または英語):
(2) 氏名:
(3) 所属機関:
(4) 職名:
(5) 連絡先:
(6) プレゼン機器使用(PC、プロジェクター)の有無:
なお、御報告者には、日本語と英語のいずれのご報告の場合にも、10月上旬頃までにFull paperまたはExtended
Abstractの提出をお願いいたします。
3. 応募先:京都大学 澤邉紀生
 件名を「リサーチセミナー報告」として下記にお申込ください。
    sawabe-secretary[at]econ.kyoto-u.ac.jp
4.参加申込および問合先:法政大学 北田皓嗣
 リサーチセミナーにご参加いただける方は氏名,所属機関を明記のうえ,下記のアドレスまでにご連絡ください。
 またセミナーについてお問い合わせのある場合にも、下記にご連絡ください。
 kitada[at]hosei.ac.jp

※[at]を半角のアットマークに変更してください。

2019年度第1回リサーチセミナー開催のお知らせ

日本管理会計学会会員各位

 

会員の皆様におかれましては、益々ご清祥のことと存じます。

この度、2019年度第1回リサーチ・セミナーを下記の通り開催することになりましたので、ご案内申し上げます。

事前の申し込みは必要ありません。

研究報告の内容や研究方法に興味をお持ちの方は、是非ご参集下さい。

 

■■日時・会場

  • 日時:2019年6月29日(土)13:00~17:40
  • 会場:青山学院大学青山キャンパス16号館 2階 16201教室
  • 参加費:無料

 

■■プログラム

  • 13:00 開会

 

  • 13:10~14:30 第1報告

 報告者:海老原 佑 氏(東京理科大学大学院修士課程)

 「日本と台湾における不正会計に対する株式市場の反応」

 ディスカッサント:小倉 昇 氏(青山学院大学)

 

  • 14:30~14:40 休憩

 

  • 14:40~16:00 第2報告

 報告者:庄司 豊 氏(京都大学大学院博士後期課程)

 「制度的複雑性の下での管理会計変化」

 ディスカッサント:庵谷 治男 氏(東洋大学)

 

  • 16:00~16:10 休憩

 

  • 16:10~17:30 第3報告

 報告者:梅田 充 氏(専修大学)

 「インタンジブルズ・マネジメントの統合化-コミュニケーション、戦略管理、価値創造ー」

 ディスカッサント:内山 哲彦 氏(千葉大学)

 

  • 17:40 閉会

 

■■お問合せ先:2019年度第1回リサーチセミナー準備委員 

 青山学院大学 山口直也

  naoya[at]aoyamagakuin.jp([at]を半角のアットマーク記号に変更して下さい)

 

                                                 準備委員長:小倉 昇(青山学院大学)

第2回リサーチセミナーの開催記

2018年10月6日(土)
井上 秀一
 

 2018年度第2回リサーチセミナーは,2018年10月6日(土)13:30—17:00に明治大学(駿河台キャンパスアカデミーコモン8F)308F教室において,日本原価計算研究学会との共催で開催されました。当日の参加者は30名程度であり,日本原価計算研究学会前会長の尾畑裕氏(一橋大学)より開会の挨拶が,日本管理会計学会副会長の澤邉紀生氏(京都大学)より閉会の挨拶がありました。片岡洋人氏(明治大学)の司会によりリサーチセミナーが進められ,飯塚隼光氏(一橋大学大学院生),蒙雪超氏(創価大学)の研究報告に対して,フロアから有益なコメント,質問が多くあり,活発な議論が行われました。

 

第1報告 飯塚隼光氏(一橋大学大学院経営管理研究科博士後期課程)
報告論題「品質とコストに対する原価情報の役割と課題」
 

 第1報告の飯塚氏は,品質とコストを管理する際に原価情報がどのような役割を果たしているのかという問題意識から先行研究のレビューを行っています。飯塚氏は,レビューの結果,Anderson and Sedatole(1998)では指摘されていない原価情報の役割として,品質コストの側面から(1)品質管理活動の効果の明示,(2)システムデザインに対する失敗コストのフィードバック,原価企画の側面から(1)システムデザインにおける品質と原価の作りこみ,(2)設計エンジニアに対してプレッシャーを与えることを指摘しました。

 

ディスカッサント:安酸建二氏(近畿大学)

 飯塚氏の報告に対し,ディスカッサントの安酸氏は,品質と原価という古くからあるが十分に解明されていないテーマ設定が行われている点は評価できるが,今後の研究戦略として,単純明快な研究課題を設定し,原価情報の役割に関する理論的な検討を行った上で,単なる物語である「物語管理会計」で終わらないための仮説と実証が必要である旨コメントしました。

 

第2報告 蒙雪超氏(創価大学)
報告論題「中国中小電力企業へのMFCA適用可能性に関する一考察」
 

 第2報告の蒙氏は,中国のある中小電力企業S社(火力発電所)を対象としたMFCAの適用可能性について考察を行っています。蒙氏は中小企業におけるMFCAの導入ステップと,電力業におけるMFCAの適用可能性に関する先行研究をレビューした後,中小電力企業S社の製造プロセスとMFCAの適用可能性について報告しました。

 

ディスカッサント:木村麻子氏(関西大学)

 蒙氏の報告に対し,ディスカッサントの木村氏は,本研究は中国電力企業への貴重なMFCA導入事例であり,先行研究では蓄積の多くないエネルギーバランスに着目しているという点で日本と中国それぞれの実務・学術的な貢献可能性があることを指摘しました。
 一方で,本研究を学術論文としてより洗練させるために,以下の6点に関するより詳細な議論が必要である旨コメントしました。
(1)本研究の問題意識やモチベーション
(2)先行研究の整理によるリサーチギャップ
(3)モチベーションやリサーチギャップを踏まえたリサーチクエスチョン
(4)リサーチクエスチョンを明らかにするための方法
(5)データの収集
(6)会計学としての貢献