日本管理会計学会2025年度 第3回フォーラムの開催について

日本管理会計学会会員各位

日本管理会計学会2025年度 第3回フォーラムを、下記の通り開催いたします。今回のフォーラムは、「地域活性化のために管理会計が果たすべき役割とは何か?」をテーマとし、対面形式にて行います。特別講演では、寛政元年(1789年)創業の笛木醤油株式会社より代表取締役社長の笛木吉五郎氏をお招きし、老舗企業における地域活性化の取り組みについてご講演いただきます

ご多忙の折とは存じますが、多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。


フォーラム概要 

日時: 2025年11月29日(土) 14:00〜16:40
会場: 東京国際大学 川越第1キャンパス 2号館3階 232教室
参加費: 無料(一般の方のご参加も歓迎いたします)
主催: 日本管理会計学会
共催: 東京国際大学商学部 地域共創のための経営管理会計教育研究イニシアティブ(REIMAC)、東京国際大学大学院商学研究科
後援: 川越商工会議所


プログラム 

13:30 受付  
14:00~14:05

開会挨拶

 

﨑 章浩 氏 (日本管理会計学会 会長/東京国際大学)

 
14:05~15:00

特別講演 「235年続く老舗醤油蔵によるマネジメントシステムを活用した地域活性化の取り組み」

笛木 吉五郎 氏 (笛木醤油株式会社 代表取締役社長 十二代目当主)

 
15:10~15:50

研究報告① 「中小企業における管理会計の事例」

伊藤 和憲 氏 (東京国際大学)

 
15:55~16:35

研究報告② 「管理会計研究者と税理士法人が連携した地域企業人材に対する管理会計教育の可能性-新しい地方創生の展開を視野に入れて-」

宮地 晃輔 氏 (長崎県立大学)

 
16:35~16:40

閉会挨拶

 

奥 倫陽 氏 (フォーラム準備委員長/東京国際大学)


参加登録 

本フォーラムへの参加には事前登録が必要です。以下のURLより【2025年11月27日(木)まで】にお申し込みください


懇親会のご案内 

フォーラム終了後、電車でご移動いただき川越駅周辺にて懇親会を予定しております

会費: 4,000円
懇親会申込締切: 【2025年11月1日(土)まで】

参加をご希望の方は、上記と同じ参加登録フォームよりお申し込みください。懇親会ご参加の方には、会場等あらためてメールいたします。
※定員に達し次第、受付を締め切らせていただく場合がございます


会場アクセス 

会場: 東京国際大学 川越第1キャンパス
住所: 埼玉県川越市的場北1-13-1
交通:東武東上線「霞ヶ関」駅南口より徒歩5分
    JR川越線「的場」駅より徒歩13分

    Googlemapリンク

【注意事項】
学内への駐車はできません。公共交通機関をご利用いただくか、近隣の駐車場をご利用ください
キャンパス内は全面禁煙です


お問い合わせ 

日本管理会計学会2025年度第3回フォーラム準備委員会
E-mail: jama19910727@gmail.com

 

PDF版のご案内(ダウンロード

会長就任,3年目を迎えるにあたって

会長 﨑 章浩(東京国際大学)

 2023年4月に会長に就任し,はや2年が過ぎようとしています.
 就任にあたって,社会に開かれた学会をモットーに,社会への貢献,学会の発展,会員の先生方の研究活動の充実,さらには産学連携による地域経済の発展への貢献を目標に掲げ,学会の運営に携わってきました.お蔭さまで,執行部の先生方をはじめ,常務理事,理事の先生方,監事の先生方,参事の先生方のご協力のもと,会員の先生方のご支援を得て,順調に歩んでくることができました.この場を借りて,厚く御礼申し上げます.
 1年目は,管理会計の実務への普及と定着を目指して(一社)日本記念日協会に「管理会計の日」を登録し「学会ロゴマーク」を作成しました.また,現状に鑑みて「学会誌編集委員会運営規程」「学会賞規程」等の規程を改正しました.ご協力いただいた「学会誌編集委員会」「学会賞審査委員会」の先生方にはこの場を借りて改めて御礼申し上げます.さらには,将来の会員増のために非会員のフォーラム等への参加を認めるよう「会則」を改定しました.また,参事の先生方の学会活動を支援するための予算化を進めてきました.
 2年目は,国内外の関連機関との提携および交流を促進するための「共催に関する規程」,ロゴマークを浸透させるための「日本管理会計学会ロゴマーク使用基準」を制定しました.また,会員の研究活動の支援を充実するために「スタディ・グループ規程」を改正しました.さらには,1年目から「実務家交流委員会」の先生方に検討していただいてきた会員,とくに賛助会員の増加について,委員会の先生方のご尽力により賛助会員が8社から12社へと増加しました.この場を借りて「実務家交流委員会」の先生方に御礼申し上げます.
 次年度は最終年度であり,中期を含めた短期目標として各種規程の更なる見直し,また「研究倫理綱領」の制定,実務家の研究支援のための「学会賞」の新設ならびに改定,一部改称,学会の社団法人化などを会員の皆様に諮りたいと考えています.また,就任当初より中期目標として掲げていた会員,とくに賛助会員の増加について,引き続き「実務家交流委員会」を中心に進めていきたいと考えています.さらには,産学連携による地域経済の発展への貢献を促進し,また「管理会計の日」の普及を目指して渋沢栄一氏関連の企業を含め各種団体との連携を図りたいと考えています.
 さて,昨年11月14日(木)にCIMA会長のSimon Bittlestone氏とお会いし,意見交換しました.今後も協力関係を深めていくことで合意しました.そのさい,同氏から『Global Management Accounting Principles 2nd edition』を新たに公刊したので,その翻訳をお願いしたいとの申し出があり,旧版を本学会で翻訳した経緯があることから,お引き受けしました.2025年度の事業計画に含めたいと考えています.
 残任期間が1年となりましたが,管理会計の理論と実務の幅広い普及と定着を目指し,日本管理会計学会がより魅力があり社会的に信頼される学会に発展するよう,全身全霊をかけて取り組む所存です.会員の先生方の一層のご支援,ご協力を賜りますよう心からお願い申し上げます.

「管理会計の日」記念フォーラム開催記

 「管理会計の日」記念フォーラムは、2025年9月13日(土)14時00分から16時40分まで、専修大学神田キャンパスにおいて対面形式にて開催された。開会に先立ち、本学会会長・﨑章浩氏(東京国際大学)よりご挨拶を賜った。続いて『管理会計の日』制定にご尽力され、「管理会計の先駆者としての渋沢栄一の研究」スタディ・グループ研究代表の水野一郎氏(関西大学名誉教授)よりフォーラム開催の趣旨と経緯について解説いただいた。その後、内山哲彦氏(青山学院大学)の総合司会により、プログラムは滞りなく進行した。

﨑章浩会長挨拶 

水野一郎氏解説

 本フォーラムでは、特別講演として桑原功一氏(渋沢資料館館長)をお迎えした。あわせてモデレーターに水野一郎氏、パネリストに塚越稔氏(深谷市渋沢栄一政策推進課)、奥倫陽氏(東京国際大学)、関谷浩行氏(日本大学)によるパネル・ディスカッションが行われた。当日は、57名の参加があり、特別講演とパネル・ディスカッションに対して活発な質疑応答が交わされ、有意義な議論が展開された。フォーラム終了後には懇親会も催され、参加者間の親睦と渋沢栄一への理解がより一層深まった。盛況のうちに本フォーラムは無事に閉会した。

〔特別講演〕
◎講演者:桑原 功一 氏(渋沢資料館 館長)
◎論題:渋沢栄一の経営思想

桑原 功一氏による特別講演

 桑原氏は渋沢栄一の経営思想として、合本主義と道徳経済合一説を検討した。渋沢は、道徳と経済を一致させる経営思想をもち、企業が活動する中で利益を社会へ還元するCSR的な考え方であったという。その中で、お金だけでなくヒトを重視し、特定の個人や一族が富むのではなく、社会全体を豊かにすることを志向したという。

〔パネル・ディスカッション〕
◎テーマ:渋沢栄一の経営思想と実践の継承
◎モデレーター:水野 一郎 氏(関西大学名誉教授)

◎パネリスト:塚越 稔 氏(深谷市 渋沢栄一政策推進課)
◎題目:深谷市の取組

塚越 稔氏による報告

 塚越氏は、大河ドラマや新紙幣採用が深谷市に及ぼした経済効果や、渋沢に関する深谷市の各種取組について説明した。その中でも渋沢の立志の精神の継承に力を入れており、市内の初等教育から道徳の時間に様々な教育活動が行われているという。また、企業経営者などを対象とした「論語と算盤」の考え方やチャレンジ精神を継承する人材を育成する取組として「渋沢栄一ひとづくりカレッジ」なども行われているという。

◎パネリスト:奥 倫陽 氏(東京国際大学)
◎題目:渋沢栄一の経営理念を継承する企業の取組

奥 倫陽氏による報告

 奥氏は、統合報告書を対象とした調査を実施し、渋沢栄一に関連するキーワードを分析した。分析の結果、コーポレート・レピュテーションの向上、経営方針の正当性や信頼性の強調、長期的な視点を持った経営の強調といった特徴を発見した。また、インタビュー調査から「論語と算盤」に関連する情報を社員に提供することによる組織文化の醸成の取り組みについて明らかにした。

◎パネリスト:関谷 浩行 氏(日本大学)
◎題目:養育院における渋沢栄一の福祉経営の原理と継承

関谷 浩行氏による報告

 関谷氏は、渋沢が約57年の生涯で最も長期間携った養育院について、その概要と管理会計研究の意義について検討した。渋沢の「公益の追求」という思想が福祉(救貧)へも反映され、経営形態が変遷していく中でも継承され続けているという。報告の中で、管理会計研究の意義として、養育院研究という未開拓分野の開拓、公私連携の財務構造の解明、渋沢の公益事業哲学の具現が提示された。

文責 古川原 駿(専修大学大学院博士後期課程)

日本管理会計学会 2025年度年次全国大会記

北田智久(近畿大学)

 日本管理会計学会2025年度年次全国大会(委員長:甲南大学杉山善浩氏)が,2025年8月29日(金)から31日 (日)までの3日間にわたって,甲南大学岡本キャンパスにて対面形式で開催された。参加者は242名であり,大会期間中は活発な交流が図られた。

大会1日目
 初日は,常務理事会,理事会および各種委員会が開催された。

大会2日目
 2日目は午前に6会場で24件の自由論題報告が行われた。午後は,会員総会,特別講演,スタディ・グループ中間報告,統一論題報告,会員懇親会が開催された。
 昼食後に行われた会員総会では,大会実行委員長挨拶,会長挨拶のあと,議長選出と昨年度の会員総会の議事録の確認が行われた。審議事項として,昨年度の事業報告,昨年度の収支決算書(案),監査報告,今年度の事業計画(案),今年度の収支予算書(案),研究倫理綱領(案),除名等・名誉会員・三選禁止規定の改正(案),学会賞の新設について,審議・承認された。報告事項として2026年度の年次全国大会は,成蹊大学にて開催されることが報告された。また,会員の異動,各種規定の改正,スタディ・グ ループ,学会誌『管理会計学』の発行状況と今後の方向性等が報告された。
 最後に,学会賞審査報告ならびに表彰式が執り行われた。受賞者は以下のとおりである。
 
【学会賞】
・特別賞:該当なし
・功績賞:尾畑裕氏(明治学院大学),鈴木浩三氏(東京都水道局),長屋信義氏(産業能率大学)
・文献賞:片岡洋人氏(明治大学)『レベニュー・マネジメントの理論と展開』中央経済社。
・論文賞:鈴木孝則氏(早稲田大学)「統制能力の自己申告と報酬契約へのコミットメント戦略」『管理会計学会』第33巻第1号。
・奨励賞:該当なし
 
 特別講演では,杉山善浩氏(甲南大学)の司会のもと,江崎グリコ株式会社 代表取締役会長の江崎勝久氏が「江崎グリコの経営理念」というテーマで講演された。
 江崎氏はまず,同社の原点となる「栄養菓子」というコンセプトや,グリコキャラメル誕生に至る創業当時のエピソードについて丁寧に語られた。そこでは,単なる菓子ではなく,人々の健康や成長を支える食品としての使命感が創業の根底にあったことが強調された。続いて,グリコグループの組織体制や国内外に広がる事業の内容が紹介され,グローバル企業としての展開がわかりやすく説明された。また,グリコの象徴的存在である「ランナー」のマークの由来や看板設置の経緯やシンボルに込められた意味も紹介された。
 さらに,講演の中では「創業の精神」が現在までいかに受け継がれてきたかが語られた。当初掲げられた社是や社訓は時代とともに表現が難解になり理解されにくくなったため,「創意工夫」といった抽象的な言葉から,「すこやかな毎日,ゆたかな人生」というより響きやすい表現へと改められた。その根本にある考え方は変わらず,時代の変化に応じて表現を磨き直すことで,創業者の理念が今日まで受け継がれていることが強調された。
 特別講演後,スタディ・グループの中間報告(1)として「テンションのバランスをとるマネジメント・コントロールに関する研究」(研究代表者:南山大学 窪田祐一氏),スタディ・グループの中間報告(2)として「管理会計の先駆者としての渋沢栄一の研究」(研究代表者:関西大学 水野一郎氏)の報告が行われた。
 その後,統一論題報告が行われた。今年度の統一論題 のテーマは,「定量的な分析技術が管理会計研究にもたらすもの−展望と示唆−」(座 長:近畿大学 安酸建二氏)である。最初に座長の安酸氏から解題がなされた。より確かなエビデンスを得るために,定量的な「研究技術」の重要性を指摘し,会員相互に定量的な研究技術を理解することを狙いとして,各手法に対する素朴な疑問が提起された。
 第1報告は,岩澤佳太氏(東京理科大学)から「質問票調査は終わったのか?:管理会計研究にもたらしたものと限界と可能性」というテーマで報告された。岩澤氏からは,質問票調査の国内外での利用の状況や質問票調査が抱える問題が指摘された。ABCに関する研究群を例に,質問票調査が新たにもたらした研究課題などを指摘して,質問票の強みを説明した。また,国内の管理会計研究の問題を海外のジャーナルの状況と比較し,構成概念と尺度に関する議論を整理した上で,質問票調査の目指すべき道が提示された。
 第2報告は,澤田雄介氏(椙山女学園大学)から「なぜ実験は流行らないのか?:管理会計研究における実験の現状と未来」というテーマで報告された。澤田氏の報告では,実験研究の国内外での利用度や,実験に関する基礎的な説明,実験を取り巻く状況について説明があった。具体的には,実験室実験とオンライン実験の違いなどが説明された。その後,定性的な研究との関わりや実験研究の最新の動向およびその展望について説明された。
 第3報告は,小笠原亨氏(甲南大学)から「アーカイバルデータは管理会計研究にとって有益か?」というテーマで報告された。小笠原氏は,アーカイバルデータを定義し,アーカイバル研究の利用状況について説明した。小笠原氏の報告では,アーカイバル研究の普及度合いに対して,アーカイバル研究の問題点に関する議論が不十分であることが指摘された。そこで,アーカイバル研究の有益性を見極める2つの評価軸として,理論の厳密性とデータの明瞭性が小笠原氏から提示された。
 大会2日目の最後に会員懇親会がHirao Dining Hallにて開催され,豪華な料理や飲み物が振る舞われた。

大会3日目
 3日目は,午前に6会場で24件の自由論題報告が行われた。午後はスタディ・グループの最終報告として,「生産性を向上するサステナブル・プロフィット・マネジメント」(研究代表者: 東洋大学 吉岡勉氏)および,産学共同研究グループの最終報告として「ワイズ・ガバナンス−業績管理会計等の新展開−」(研究代表者:津田塾大学 大西淳也氏)の報告が行われ た。
 その後,統一論題討論が行われた。討論では,座長の安酸建二氏(近畿大学)のコーディネートのもとで,3名の 報告者と参加者との活発な質疑応答が行われた。さまざまな視点から定量的な管理会計研究について白熱した議論が行われ,盛況のうちに2025年度年次全国大会が終了した。
 

会員総会
 
杉山善浩氏(甲南大学)
 
﨑章浩氏(東京国際大学)
 
鈴木浩三氏(東京都水道局)
 
長屋信義氏(産業能率大学)
 
片岡洋人氏(明治大学)
 
鈴木孝則氏(早稲田大学)
 

特別講演

江崎勝久氏(江崎グリコ株式会社)


スタディ・グループ(中間報告)
 
近藤隆史氏(京都産業大学),桝谷奎太氏(慶応義塾大学),榎本哲也氏 (南山大学大学院)「テンションのバランスをとるマネジメント・コントロールに関する研究」

水野一郎氏(関西大学),奥倫陽氏(東京国際大学),関谷浩行氏(日本大学)「管理会計の先駆者としての渋沢栄一の研究」
 

統一論題報告
 
安酸建二氏(近畿大学)
 
岩澤佳太氏(東京理科大学)
 
澤田雄介氏(椙山女学園大学)
 
小笠原亨氏(甲南大学)
 

スタディ・グループ最終報告
 
平井裕久氏(早稲田大学)「生産性を向上するサステナブル・プロフィット・マネジメント」
 

産学共同研究グループ最終報告
 
大西淳也(津田塾大学)
 

統一論題討論
 

日本管理会計学会九州部会2025年度第2回(第69回)大会報告者募集のお知らせ

2025年9月吉日

日本管理会計学会九州部会
2025年度第2回(第69回)大会
報告者募集のお知らせ

謹啓
時下、会員の皆様には益々ご健勝のことと存じます。
さて、2025年11月22日(土)に、九州産業大学(福岡市、準備委員長:浅川哲郎氏)にて、日本管理会計学会九州部会2025年度第2回(第69回)大会を、ハイブリッド方式(予定)で開催いたします。
報告を希望される方は、2025年9月30日(火)までに、下記の要領で、九州部会事務局宛にe-mailにてお申し込みください。

(1)ご氏名、ご所属、ご職名
(2)連絡先電話番号、メールアドレス
(3)報告タイトル、報告要旨

謹白

【日本管理会計学会九州部会事務局】
〒814-8511 福岡市早良区西新6-2-92
                                 西南学院大学商学部 丸田起大研究室内
                             TEL:092-823-4320
email: o-marutaseinan-gu.ac.jp